あの日、貴方に贈ったもの天界の廊下を、バタバタと慌ただしく走る影がひとつ。
長い白髪を団子状に結んだ天使は、部屋の扉を勢いよく開けた。
「アダピ!!!おかえり!!!」
「…おい、なんでここにいる?」
アダムは気怠げだが、彼女はお構い無しにお腹に引っ付く。
「合鍵くれたのアダピじゃん」
「あー、クソ…忘れてた」
「それに今日は一緒にお出かけの約束だったでしょ」
「それも忘れてた」
「コラー!ちゃんとカレンダーに書いておきなさい!」
ぷくっと頬を膨らませた彼女は、アダムのお腹をポコポコと両拳で叩いた。
かなり思いっきりだが、全く痛くない。
「おーおー、わかったわかった!悪かったな。もう遅いから、今日は寝ろ」
「やだ!せっかく可愛い服見せたかったのに!アダピの嘘つきー!ぶーぶー」
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