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    colorless_mono

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    colorless_mono

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    蛍から塵歌壺にある屋敷の鍵を渡されたゴロー。
    共に旅をした仲間である彼女からの招待に胸が弾む。
    しかしいつもと違う場所で会う彼女は雰囲気が少し違って……

    「癒してあげる」という彼女と翻弄されるゴローのお話。描写はR15.

    パスを解除し、全体公開へ変更しました。

    #女攻めが見たいオンリー

    【原神】飼い犬(蛍×ゴロー)ゴローは美しい庭園の中にいた。
    小さい壺の中にこんなに広大な土地が収まっていると誰が想像できただろうか。

    「うわあ……」
    見たこともない色の蝶が飛び交い、大きな岩がごろごろと点在している。
    まるで山のようだ。
    美しい池には見たこともない魚が泳いでいた。
    目の前に広がる景色の美しさに圧倒される。

    一見、稲妻の庭園にも似ているのだが、そこにはあらゆる国の建築物が並んでおり、それでいて絶妙に溶け合っていた。
    「すごいなぁ」と思わる声が漏れる。

    さく、さく、さく。
    芝生を踏みしめる足音が響く。ひどく静かで夢の世界のようだ。

    「…………」

    一通り景色を楽しんだ後、絢爛な建物の入口へと歩みを進める。
    彼は握りしめていたこぶしを開いて、小さな鍵を見つめた。

    先日、旅人がくれた鍵だ。

    『いつでも遊びに来ていいよ』

    彼は色恋に関することには疎いと自負していたが、鍵を渡されたという事実は、決して悪いことではないことはわかる。

    ――旅人が俺を信頼してくれている証。
    そして、俺も彼女を信頼している。
    俺たちの友情は、これでより一層深まっていくのではないか!
    わくわくするな……!

    ゴローの尻尾がふるふると揺れる。
    嬉しさが隠し切れない様子だ。

    「なんて言って入ればいいんだ? ごめんください?……いや、たのもー! 違うか……」
    彼が扉の前で立ち往生していると、ギィと音を立てて扉が動きだす。
    「なんだ!? 自動で開くのか!? どういう仕掛けだ!?」
    「いらっしゃい、ゴロー」

    彼が狼狽えていると、目の前に見知った顔が現れる。
    大きく愛らしい瞳が、驚くゴローを不思議そうに見つめていた。

    「あ、なんだ。お前が開けたのか……びっくりした……」
    「どうしたの?」
    「い、いや、なんでもない! こほん。今日はお招き至極光栄の極みというか、なんというか……」
    「ふふっ、そんなかしこまらなくていいのに。言ったでしょ、いつ来てもいいんだよ、って」
    旅人は妙に深刻な表情のゴローを見ておかしそうに笑う。
    それにつられて彼の表情も綻んだ。
    持っていた風呂敷包みを差し出す。
    「これ。土産を持ってきた。最近流行しているらしい菓子だ。珊瑚宮様が持っていくようにとアドバイスをくださった」
    「わぁ、なんだろう。ありがとう!」
    旅人はそう礼を言って包みを受け取る。
    色鮮やかな風呂敷は心海が選んだものだろうかと、遠くにいる友人を想う。

    「そうだ。私もゴローにあげたいものがあるの」
    「ん、なんだ?」
    「まだ秘密! とりあえず中に入って。お茶準備するね」
    「ああ、悪いな。……お邪魔します」

    旅人に続き、ゴローは中へ、そろりと足を踏み入れた。

    -------------

    「なんていい匂いなんだ……」
    ゴローは部屋に満ちる香りに嗅覚をこれでもかと刺激されていた。
    普段いる簡素な自分の部屋では決して触れることのない甘い香り。

    「これが旅人の香り……」
    そわり、と尻尾が揺れる。
    これ以上嗅いだら酔ってしまいそうなくらい甘い。
    今まで傍に居てもこんな香り嗅いだことないのに。
    彼女の仄かな香りが凝縮されていて、彼女がこの屋敷で過ごしている時間の長さを想像させる。

    部屋の中は見たこともない家具が並んでいた。
    稲妻のものではない。上品で色味が深く、背が高い物が多い。

    ―――フォンテーヌ製? スメール製? 
    稲妻のものとは全く違う意匠……初めて見るものだ。

    そわそわと落ち着きなく辺りを見回していると、旅人が入って来る。
    ぴょこりと彼の耳がその方向へと動いた。
    「お待たせー」
    彼女が運んできた盆には急須と湯飲みが乗っていた。
    ようやく自分の見知ったものに出会ったゴローはホッとため息を吐く。

    「どうしたの?」
    彼を不思議そうに見る旅人。
    盆をテーブルに置くと、小さく音を鳴らしながら手際よく茶を淹れ始める。
    「いや、その……初めて見るものが多くて圧倒されてしまってな」
    「あ、そっか……うーん、そしたらゴローの部屋は和室風にレイアウトした方が良かったかな」
    「お、俺の部屋!?」
    「そうだよ。ここはゴローの為に準備した部屋だもの」

    「俺の、ため……」
    彼は再び小さく呟き目を丸くする。嬉しさを瞳いっぱいに湛えて。
    今にも毛艶の良い尻尾がぶんぶんと振られそうだ。

    そんな様子を見て微笑んだ旅人は、急須に茶葉を入れ、湯を注ぐ。
    こぽこぽと湯が流れる音だけが響く。
    その音に反応するかのようにゴローの耳が小さく動いた。

    チャキ、と急須の蓋を閉じ、彼女は手を離した。
    ゴローの方を見る。

    「稲妻と全く違う雰囲気の部屋なら、ここに来るたびに気分転換になるかなって思って。まるで旅をしたときみたいに。これはね、フォンテーヌの家具なんだよ」
    「そうだったのか……ありがとう。お前の気遣いに感謝する。お前が俺の為を想って用意してくれた部屋なら、俺はそれを心から楽しみたい」
    「遠慮しなくていいのに。……でも、ありがとう。きっと海祇島でのゴローは皆の大将として、先陣切ってやることとか、指示を出すとか……そういうことがたくさんあって大変だと思うから……ここにいるときだけは仕事のこと全部忘れてゆっくりしてね」
    「ああ、助かる」

    彼女の言葉に、ゴローはにっかりと笑った。
    尻尾と耳が嬉しさでふるふると揺れていることを彼自身は知らない。

    ――海祇島のことは大切に想っている。
    それでも部下の目があると気を張っていなくてはならない。
    大将として情けない姿は見せられないからな。

    彼は一瞬だけ海祇島に想いを巡らせたが、どうぞ、と出された茶で意識を戻した。
    「うーん、良い香りだ。俺の好きな茶!」
    「それなら良かった。稲妻のお土産なら稲妻のお茶が合うと思って、前に貰ったのを淹れてみたの。どうぞ」
    「おう。いただきます」

    ずずっ、と音を立てて茶を啜る。
    少し熱かったのか、しっぽが一瞬ピンと伸びた。
    それを見て旅人が不敵笑っていることに、彼は全く気付いていなかった。

    暫くの談笑と茶菓子を堪能したのち、ゴローがぐるりと部屋を見渡し、最後に旅人を見る。
    「少し部屋を見てもいいか?」
    「もちろん」
    「やった」
    ゴローは椅子から立ち上がると、初めて見る家具たちを興味深そうにひとつひとつ観察する。
    少し歩いては立ち止まり、腕を組んで唸る。
    「すごいなぁ……なんと洗練されたデザインなんだ」
    「気に入りそう?」
    「当たり前だ!なんてったってお前が俺の為に選んでくれたんだからな!」
    へへっ、とゴローは嬉しそうに笑うと再び歩みを進めた。

    「旅人、これはなんだ? 素材は木だけではないようだ。むむ、柔らかいな……」
    「ふふふ。さぁ、なんでしょう?」
    旅人がそれの上に勢いよく座る。
    ぽすん、と音がして彼女の体が少し沈んで元に戻った。
    「ああ、もしかして……布団か!布団に足がついている……? なるほど、これは敵襲の際にすぐに立つことが出来て便利そうだ」
    「確かにそうだけど……もぉ」
    「! うわぁ」
    旅人はゴローの手を強く引っ張り、ベッドの上に座らせる。
    「ここで敵襲はあり得ないよ。もっとラクにしていいのに」
    「す、すまない。いつもの癖が……」
    と、ゴローが傍らの旅人を見ると、思ったより近くに彼女の顔がある。
    跳ねる心臓。
    少しだけ上目遣いの彼女は眉を顰めて彼をまっすぐ見つめている。

    「私は……ゴローを癒してあげたいの」
    「そ、そうか、あ、そうか。そうだな、うん?」
    突然変わる空気を敏感に感じ取り、犬耳がぴくりと動く。
    「私がゴローにあげたいのは、癒しだよ?」
    「あ、うん、へぇ、うん、い、いやし?それはいいな!ははは!…?」
    戦場でならこれくらいで動じることのない鋼の心臓がなぜか高鳴り続ける。
    ゴローは思わず胸元をぎゅっと掴む。

    ――なぜなんだ? なぜこんな緊張して……
    彼女は俺の友達で、今日は友情を深めに来たはずで……
    なんでこんな……今までだって旅人が隣に居て俺を見てくれたことなんていくらでもあったじゃないか!おかしいっ……!

    「ねぇ」
    蛍が囁く。ゴローが返事する前に次の言葉を放つ。
    「……ゴローの尻尾触っていい?」
    旅人は碧い海のような瞳から彼の持つ豊かな尻尾へと視線を移す。
    「え!? あ、いや、あの……」
    「触られたら、ゴローは気持ちいいの?」
    「き!? 気持ちい、というか、そのくすぐったい、かな……?」
    それって……、
    旅人を言いながら尻尾を優しく掴む。
    「……くすぐったくてぇ、気持ちいいんじゃない?」
    彼女の小さな手が彼の豊かな尻尾を楽しむように、根元から毛先へと滑る。
    何度も、何度も……
    最初こそ唇を結んでいたゴローだったが、何度目かでついに声が漏れる。
    「ぁんっ……」
    なんて恥ずかしい声なんだ―――!
    ゴローは思わず口元を抑える。
    「どうしたの? 気持ちいい?」
    「た、たびびと……ぁ……っ……」
    「言ったでしょ? リラックスしてって。我慢しちゃダメだよ」
    言いながら彼女は手を動かし続ける。
    ふわふわの毛の中に自分の手が埋まっている様子を面白がるかのように。
    いや、彼女が面白がっているのはゴローの……
    「んっ……くっ……」
    「ちょっと力を入れてみるよ」
    「あ、だめっ……あ……」
    尻尾の付け根の方に這わせた手にぐっと力を込めると、ゴローの体がびくんと大きく跳ねた。
    「ここ、気持ちいいの?」
    「いや……それは……」
    「今は素直になっていいんだよ。ここは私とゴローのふたりだけ。パイモンは遊びに行ってるし、他には誰もいないんだから」
    旅人はゴローのしっぽを相変わらず撫で続けながら、耳元に唇を寄せ囁く。
    ゴローの頬が赤く染まった。
    「あなたを慕う部下たちもいない。いつもみたいに気を張ってなくていいの」
    「んっ……ぅ……旅人。耳、くすぐっ」
    「んー? 耳も好きなの?」
    旅人は言うや否や、耳に優しく歯を立てる。
    「あっ……!」
    「ん? どうしたの?」
    「どうして、なんでこんな……こと」
    「ゴローのこと癒したいだけだよ。今日、ゴローには癒しをあげるって言ったでしょ」
    「これは、癒し、じゃなくて……っ……ぁ……」
    「なぁに?」

    ――色恋に疎い俺だってわかる。これが只の戯れではないことを。
    旅人は俺の弱いところを的確に狙ってくる。
    なぜ鍛えられていないと見抜いたのだ!?友達だからか!?
    いや、友達同士でこんなことをするはずはない!

    ゴローは困惑しながらも彼女の手に翻弄され続けている。

    「たび、びと……」
    「なに?」
    細い指が尻尾を撫でまわす。絶妙な力加減で以て。
    「俺たち、友達……だよな?」
    「そうだね。私はゴローのこと信頼してるし、ゴローも私のことを信頼してくれている」
    「あ、ああ! そうだよな……だったら……っっっ!」
    ゴローの肩が跳ね上がる。
    旅人が彼の耳をすっぽりと口の中に収めたからだ。
    熱い口内が耳を濡らしていく。舌が蠢いているのが分かる。
    「ふっ……ん……っ……」
    「くっ、あ、たび、びと、だ、だめっ……ひっ、い……っ」
    たっぷりと耳を蹂躙した後、旅人は口を離す。
    濡れた耳が空気に晒されひやりと冷える。
    「友達だけど……私はこういう友達関係があってもいいと思うの」
    「ふぇっ……どういう……!?」
    「ゴローは可愛いから。私ね、ゴローを見てるとうずうずしちゃうんだ」
    旅人の手が尻尾から、彼の尻へと滑る。
    「ひんっ……」
    「そんな声出してるともっと苛めたくなっちゃうな……もぉ」
    旅人の愛らしい声が再び近くなり、ゴローは身構える。
    それはいつもと違う彼女への恐ろしさか、それとも再びやって来る刺激への期待からか。

    「部下の人には見せられない情けない姿、もっと見せてくれるよね?」
    「た、び、びと……それは……」
    「見られたら心海にだってがっかりされちゃうような、ゴローの”本当の姿”……」
    熱い舌がゴローの耳をそろりと撫でる。
    撫でられた部分の毛が逆立つ。
    「私が怖い?」
    「っ……わから、ない……変だよ、旅人、どうしたっていうんだよ……!」
    「うーん……ゴローのせいかな」
    「お、俺の?」
    「ゴローがいつも、私のそういうところを刺激してくるから」
    「は、ハァ?!」
    「だから、全部ゴローが悪いの」
    「ひぅ、んっ……!」
    彼女の小さな手が今度は彼の熱く張り詰めた前部分へと滑りこんでくる。
    彼の細い体のラインを指先ギリギリで撫でて、甘い刺激を与えながら、そろりそろりと。
    自分のものとは思えない甘い声にゴローは眩暈を覚える。
    「こっち苦しそうだね」
    「あっ……だめ、だっ……そこは……!」
    ゴローは目を白黒させる。
    自分でさえさほど触れない場所に、英雄の白い手が這っているのだから、もうどうしたらいいかわからなかった。
    自分でも驚くくらいに甘い痺れが背中を駆けあがり、彼女の声に弄ばれる。
    服をぐいぐいと押し上げているそこは痛いくらいに膨らみ、早く解き放たれたいと切に訴えている。
    彼女の声が痺れ薬のように体中に広がっていく。体が上手く動かない。
    「その表情……期待してるの?」
    「そ、んな……こと……!」
    旅人は器用な手つきでゴローの鎧を外していく。

    コトリコトリ、と外された武具が床に落ちる。
    身を守るものが減った事実にゴローは身震いをした。
    それでも彼女を止めることをしない。彼女の熱い吐息に酔う。
    まるで面妖な術に嵌ってしまったかのように、ゴローは熱くどろどろした液体の中で身動き取れずにただ溺れているような感覚を覚えていた。

    「そうだよね。こんな軽い刺激でご褒美もらおうなんて思ってないよね?」
    「えっ……」
    ゴローは思わず彼女を振り返る。
    いつか共に戦った勇ましく頼もしい面影は消え去り、あどけないながらも妖しい表情を称える旅人がそこにいた。
    「これもゴローにあげたかったの」
    彼女はいつの間に取り出したのだろうか、何かを手にしている。
    「はい、首輪だよ。付けてあげる」
    ゴローは言われるがまま、まるで誘われるように首筋を晒した。
    そこは普段なら決して晒してはいけない急所のはずだが、旅人の持つ艶めいた魅力に抗うことができない。

    熱に浮かされているかのように、これは夢か現か曖昧になっている。
    「ふふ、いい子だね」
    彼女はゴローの頭をひと撫でした後、首輪をつけてやる。

    パチン、と細い指がバックルを止めると、張り詰めていた小さな緊張感が解け、途端に二人とも甘い息を吐く。
    「似合うよ、ゴロー」
    「旅人……俺……」
    「何も言わなくていいよ。このことは誰にも言わない……ていうか」
    「んっ」
    ――言えないよね?
    さわ、と再度股間を撫でられ、ゴローは大きく震えた。
    「ゴローが望むなら、ここに来るたびにこの首輪を嵌めて、癒してあげるよ」
    「っ……」
    「首輪をしたままだとバレちゃうから、普段は外しておこうね。でも……」
    言うと旅人はゴローに顔を寄せ、首輪を強引に引っ張り下げる。
    顔をしかめる少年は、同時に小さな興奮を覚える。
    旅人は首輪と首の間にできた隙間にキスをし、その場所をきつく吸い上げる。
    「ぅんっ……!」
    あまりにも強すぎる刺激に、ゴローは体を仰け反らせる。
    「はい。これでゴローはここで私と過ごした時間を忘れない」
    「…………」
    ちゅ、とわざと音を立てて唇を離す少女は、果たして自分が共に旅をしてきた英雄なのだろうか。馬鹿げた疑問がゴローのぼんやりと痺れた頭を巡る。
    「戻ってきたらまた”癒して”あげるね」

    ゴローはぼんやりとした意識の中、その言葉の意味に再び下腹部を熱くするのだった。


    END
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