運命の分岐点怖怖とオレの髪に触れた、その手は震えていた。そんな壊れ物を扱うみたいにしなくても、オレは大丈夫だ。
「どうしたラーハルト。おまえらしくない。」
「力加減を見誤ると、おまえを壊してしまいそうだと思ったから優しく触れようとした。それだけだ。」
事実、先の大戦で深手を負ったヒュンケルは満身創痍の状態であった。身体中傷だらけ骨は何ヶ所もひび割れていつ骨折してもおかしくないといった具合で、戦士としての役割を果たす事は不可能と言える有様である。少しずつ容態は良くなっているが未だに病室から出られてはいない。
吹き荒れる真冬の北風が窓を叩き、不安を掻き立てる。
「その、ラーハルト…」
「何だヒュンケル。」
「ダイは見つかったのか」
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