Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    YunanoRose

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 3

    YunanoRose

    ☆quiet follow

    過去に書いて友達に見せたグリウル待ち合わせ短編。唐突に始まり唐突に終わる山なし落ちなし意味なし。

    #グリウル
    grimmulqui
    #待ち合わせ
    appointment

    待ち合わせ「待ち合わせをしてみたい。」
    隣で本を読む相手から突如として告げられた言葉。本当に唐突過ぎて一瞬何を言われたのかわからなかった。同じ部屋に住んでるのだから待ち合わせも何もなくねぇか?と首を傾げる。
    「この本に書いてあった。でぇとには待ち合わせが必須なのだろう?そして相手を待つ間の気持ちは何にも変え難いものだと。そしてお前は俺に人間らしくなってきたと言った。ならば今ならその気持ちが分かるんじゃないかと思ってな。」
    淡々と告げる相手の気持ちが分からんでもない。確かにこいつは今まで感情が人一倍抜け落ちている感覚はあった。ましてや自分から何かをしたいなど言うこともなかった。そんな彼からの欲求だ。彼氏としては叶えてやりたいという気持ちもある。うーんと考え思いついたのは部屋を出る時間を30分程ずらして現世に行くって言うのはどうかということ。流石に感情に疎い相手でも30分も待てば何かわかるんじゃねぇか。そう提案してみると嬉々として頷かれた。ならば早速と計画を立て明日決行することにした。そしてどうせなら何かプレゼントしてぇなぁ。その方が喜ぶかもしれねぇし。そう考えながら翌日を迎えた。

    「じゃあ先に行く。」
    そう告げる相手に手をヒラヒラさせながら見送る。相手が家を出たあと直ぐに行動しようにも今出ていけば、ばったり会ってしまうかもしれない。早く行動に移したい気持ちを必死に抑えるかのように部屋で出る支度をする。そして約束の時間より10分ほど早めに部屋を出て現世に向かう。彼奴が珍しく見ていた青い色のピアスを買う為に。

    店に行くと、現世では休日だったらしい。以前に来たよりも人が多く商品を手に取るにも一苦労するような状態だった。間に合うのかこれと不安になりつつもなんとか商品を手に取り会計へ進む。その時点で実は約束の時間になろうとしていた。焦る気持ちをなんとか落ち着かせ会計の順番を迎える。すると店員からプレゼント用ですか?と聞かれた。頷くとラッピングとやらをして貰えるらしい。どうせ渡すならとお願いする。ただ想定外だったのはラッピングは時間がかかるということ。そんな事知らなかった自分は易々とお願いしたことを後悔した。

    約束の時間を過ぎてラッピング出来たものを受け取ると、急いで待ち合わせの場所に向かう。約束の場所に着くも相手は見当たらない。霊圧を探るも、やはり近くには居ないようで。人が多い中どこへ行ったと必死に探す。お互い携帯電話など持ち合わせていない。怒って虚圏へ帰ってしまったのだろうかと不安になると突然背後から衝撃が走る。何かがぶつかってきたような衝撃。何事だと戸惑っていると震えるような小さい声で
    「遅い…30分という約束だろう…何かあったかと心配したぞ…」
    と愛しい声が聞こえる。ゆっくり振り向くとそこには必死に探していた相手が涙を瞳に溜めながら上目遣いでこちらを見ていた。
    「…わりぃ…お前に渡したいもの買ってたら遅くなった。」
    そう告げると先程買ったピアスを相手に差し出す。
    「これは…」
    ラッピングされた袋を開け中身を見た相手は瞳に溜めた涙を零した。何か気に障ったかとあたふたしていると心配していた涙は嬉し涙に変わっていたらしい。まるで押し倒さんばかりに相手は抱き着いてくる。そんな可愛らしさにギュッと抱きしめ返すと
    「お前色のピアス…ずっと欲しかった…」
    そんな可愛い言葉を腕の中、消え入りそうな声で呟かれてしまったのだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    YunanoRose

    PAST過去に書いて友達に見せたグリウル待ち合わせ短編。唐突に始まり唐突に終わる山なし落ちなし意味なし。
    待ち合わせ「待ち合わせをしてみたい。」
    隣で本を読む相手から突如として告げられた言葉。本当に唐突過ぎて一瞬何を言われたのかわからなかった。同じ部屋に住んでるのだから待ち合わせも何もなくねぇか?と首を傾げる。
    「この本に書いてあった。でぇとには待ち合わせが必須なのだろう?そして相手を待つ間の気持ちは何にも変え難いものだと。そしてお前は俺に人間らしくなってきたと言った。ならば今ならその気持ちが分かるんじゃないかと思ってな。」
    淡々と告げる相手の気持ちが分からんでもない。確かにこいつは今まで感情が人一倍抜け落ちている感覚はあった。ましてや自分から何かをしたいなど言うこともなかった。そんな彼からの欲求だ。彼氏としては叶えてやりたいという気持ちもある。うーんと考え思いついたのは部屋を出る時間を30分程ずらして現世に行くって言うのはどうかということ。流石に感情に疎い相手でも30分も待てば何かわかるんじゃねぇか。そう提案してみると嬉々として頷かれた。ならば早速と計画を立て明日決行することにした。そしてどうせなら何かプレゼントしてぇなぁ。その方が喜ぶかもしれねぇし。そう考えながら翌日を迎えた。
    1427

    related works

    放点难看的东西

    PAST
    【葛乌】时间的尽头那弯月仍高高地挂在穹顶,散发着柔和清冷的光笼罩着地面,不知何处吹来的风卷起阵阵白沙,掠过石英树枝发出咯吱的声响,虚圈仍是亘古不变的一片荒芜,时间在这里仿佛失去了效用。
    葛力姆乔坐在高处,放眼望着无边无际的白色沙地。自那场大战后他回到这里,已不知有多少次像这样望着这永不改变的白色世界。
    此时的他不复以往的张扬桀骜。他安静地坐在那里,暴戾的气息被收敛,目光似是穿过层层沙海看到了昔日那个身影。
    那个看似瘦弱,却如岩石般冰冷强硬的家伙。

    最初他只是不屑,拥有那样瘦弱的仿佛一爪就能撕烂的躯体的破面却能被选入十刃甚至居于他之上,于是便一次次地挑衅,只等他应下战书好一举击败他,从而取代他成为四刃。然而一次次挑衅一次次攻击都被他轻而易举地挡了回来。慢慢地不屑变成了不甘,他愈加执着于与他一分高下。日复一日,攻击与挑衅变成了常态,每一次的失败也不再像以往一样折磨着他,甚至越到后来,与其说是针锋相对,倒不如说是二人之间一种独特的寒暄方式。虚夜宫中众人也逐渐见惯不怪,只要二人一同消失,便会被顺理成章地认为是又去约架了。一切仿佛都再自然不过,也就没有人在意某天他们之间发生了什么。
    3402

    recommended works