キスの日「……なぁ、水希。まだ?」
「んー……あと、もう少し?」
夕陽が窓から差し込み、誰もいなくなった教室にいる御影玲王と皇水希を照らしている。
今日は《キスの日》らしく、たまには彼女からキスをして欲しいと思った玲王は水希にキスをねだった。
もちろん、最初は恥ずかしいから無理と断られていたのだが、押しまくり、ようやく了承して貰えた。
あー、必死に背伸びしてる。ぷるぷる脚震えてるし、キュッ……って目を閉じてんのも可愛い。どーせ届かねぇのになぁ。
身長差は25センチ。それは彼女が背伸びをしても埋められないものである。分かっているのに玲王は可哀想で可愛い彼女の姿を見たいがために黙っていた。
「も、無理だよ……れーくん、背が高いんだもん」
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