想う弟の小噺貴方と手を取り歩いた道
同じ景色を見て声弾ませた空
屋敷の奥から連れ出され
社殿と伽藍に分け置かれ
人ならざる力の人の子の呼ぶ声に
新たな意識、刀剣男士
人の子として日々を過ごし
人の道具として技量を磨き
貴方と手を取り歩く道
同じ景色を見て声弾ませる空
あの頃は、本当に手を取れはしなかった
太刀を二差、共に佩くことはない
共に同じ戦場を、共に並んで駆けることはなく
付喪神の朧気な姿は戦世の終わりと共に消える
今、人の子の確かな姿は脈を打ち温もりを伝え
鋼は傷つかずとも些細なことで血は流れる
貴方と手を取り歩く、畑道、街の往来、偵察の獣道
同じ景色を見て声弾ませる、実り、喧騒、有利の確信
そして、帰る本丸
貴方となら、なにを、なにをどうしていても
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