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    Rxme07Nysn

    @Rxme07Nysn

    ツイートしてない自カプの短編
    よその夢カプさんを書いたのものせるかも

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    Rxme07Nysn

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    うちの子の鈴音ちゃんとまゆさんのところの蘭奏珉くんの現パロ始末屋(?)パロディ

    まゆさんの夢の内容がとても良くて呟きをそのままトレースして文を書きました
    めちゃくちゃざっと書いたので話が突然すぎるし詳しい説明もないので、雰囲気で読んでください

    始末屋の鈴音ちゃんと奏珉くん 低めのヒールを鳴らして、ファタールの化身は歩く。臙脂とワインレッド。コアブラックとホワイト。その色に包まれたゴシック調な、フリルとレースをふんだんに使ったパンツスタイル。小さなシルクハットがひとそえの可愛らしさを演出している。
     隣には、厚底のパンプスを鳴らす、天使のような笑み。白とピンクを基調とした、フリルとリボンに包まれた、ロリータなミニドレス。白い薔薇の装飾のついたボンネットから流れ出る長い黒髪が艶やかに光る。

    「ここ?」
    「ここ」

     二人は目を合わせて頷く。錆びれた扉の前、赤錆たノブをひねり、地下へと続く階段を降りていく。降りきり、また扉。それを開くと、薄暗い部屋の中、小さな照明がちかちかと点滅している。

    「いらっしゃいませ」
    「予約した者です」
    「どうぞ、こちらへ」

     年若いギャルソンの張り付いた笑み。臙脂のファタールが笑いかけると、微かに頬を染める。奥のテーブルに案内され、浅くイスに腰掛ける。
     置かれたメニュー表を開き、ノンアルコールのシャンパンと肉メインのコース料理を頼む。

    「んふふ〜、お肉楽しみ」
    「牛かな?鶏がよかったな〜」
    「終わったら焼き鳥食べます?」
    「いいね!コース料理ってお腹にたまらないし」

     くすくすと笑い合うファタールと天使。他に客はいない。店員もいない。静かな一室に、二人の笑い声が反響する。
     間もなく料理が運ばれ、二人はシルバーを手に取り、上品に、美しく、芸術作品のような料理を堪能する。

    「美味しかったね」
    「お酒が合うんですけどねぇ」
    「別に飲んでもいいけど、手元が狂っても知らないよ?」
    「そんなヘマするとお思いですか?」

     グラスを思い切りあおぐと、臙脂の瞳が呆れた色を見せる。
     最後にデザートが運ばれ、二人は目を輝かせた。それも綺麗に食し、白い天使が小さく手を挙げる。

    「あの、是非この美味しいお料理を作られたお方に、お礼が言いたいのですが……」
    「お呼びいたします」
    「Merci」
    「ぷぷ、かぶれてやんの〜」
    「可愛いでしょう?」

     面白くてたまらないと笑いあっていると、奥の両開きの扉から、ギャルソンと白いコック服の男がやってくる。
     二人のテーブルの前に立ち、帽子を取って頭を下げる男。穏やかで自信に溢れた顔。二人の顔を見て、目を大きく見開き、崩れ落ちるように尻もちをついて後ずさる。

    「あら?どうかされましたか?」
    「大丈夫?」
    「ひっ……、ひぃっ…、あ、あぁっ、あっ、悪魔ッ!」
    「まあ、失礼」
    「こーんなにキュートな俺に向かって悪魔とか、ありえない」
    「私は?」
    「悪魔♡」

     臙脂と白が立ち上がり、後ずさる男に詰め寄る。臙脂と白の軽口の叩き合い。白がむうと頬を膨らませて、臙脂はにっこりと笑う。ばたばたと足音がして振り向くと、シェフの男が入口に向かって駆けていた。

    「「あ」」

     ◆

    「はっ……はっ、はあっ、はぁ…はぁ……、こ、ここまで、ここまでっ来れば……」
    「逃げられた。ですか?」
    「う、うわあぁぁッッッ」

     河川敷まで走る男。その後ろに、白い天使がいる。
     濡れるのも厭わずばしゃりと音をたてて男は逃げる。白い天使は追い詰めるように歩を進めて、腕に提げていた大きなリボンのついたバックから、サバイバルナイフを取り出す。

    「密漁。人身売買。臓器売買。違法な取引がたーくさん、楽しそうですねぇ」
    「お、おれはっ、たたっ、たのっ頼まれて、やっただけだッ」
    「…………共犯者って、言葉知ってます?」

     白い天使はふわりと柔らかな笑みを浮かべて、ナイフの切っ先を下に向け、手を離す。とん─。と、男の腿に刺さる刃。男は悲鳴を上げてのたうち回る。ナイフを抜くと、血が噴き出す。動きが鈍くなり、ナイフで斬りつけていく。逃れようと男が暴れると、天使の白に血が飛び散り、水を吸って重くなる。

    「手伝おうか〜?」
    「いりません」
     
     河の上を通る橋。柵に腰掛け足をぶらつかせ、臙脂のファタールが呼びかける。白い天使は振り向かずに答える。
     真っ暗な中、跳ねる水飛沫と鮮血と白。それを見つめる臙脂。

     臙脂と白の二人組は、裏の世界では名の通る、始末屋。
     傾国の微笑を浮かべ、物理的に国を壊せる力を秘めている臙脂は、蘭奏珉。
     人懐こい笑みと聞き馴染みのある声で笑い、躊躇なく命を刈りとり血を浴びる白は、松虫鈴音。
     二人は幼い頃から組織で育ち、そこで出会い、組まされ、数多くの仕事をこなしてきた。それが二人の全てで、楽しさに溢れた人生。
     
     それが変わったのは、仕事のないあるオフの日。
     オフの日まで二人は一緒にいない。二人で暮らす家はあるが、別々でも部屋を借りているため、オフの日は邪魔されないように一人の家にいたり、一人でショッピングをしたり食べ歩きをしたり。
     奏珉から「話がある」と連絡があり、鈴音は「私もです」と、待ち合わせて喫茶店に入る。
     小さなフリルブラウスとショートパンツの奏珉。半袖のトレーナーパーカーに、膝丈のスカートの鈴音。前のレストランでの仕事は、ドレスコードがあったため気合を入れた服装だったが、普段着は動きやすいものを好んでいる。仕事着だって、あそこまでの服装は早々ない。
     それぞれオレンジジュースとクリームソーダを頼み、ストローに口をつける。しばらく無言が続き、二人は同時に顔を上げて口を開く。

    「運命の人を見つけちゃったんだ!」
    「運命の人を見つけたんです!」

     重なる声に、二人は呆けて、小さく吹き出して笑い合う。
     どこで出会った。どこで見た?。素敵な人なんだ。え、殿方?なに偏見?年離れてて。
     アイスクリームと氷が溶けて、味が薄まっていく。それにも気付かず、二人は運命の人について語り合う。語り明かして、やっと飲み物に手を伸ばし、のどを潤す。ふう。と、互いに一息ついて、また顔を見合わせる。

    「でも、」
    「もっとお近づきになりたいけど、」
    「俺たち、」
    「私たち、」

     始末屋じゃ〜ん。無理だよ〜!
     そう言って、けらけらと笑いあった。それでも、恋する気持ちは抑えられない。二人はしたい事、やりたい事をピックアップして、デートコースを夢想する。

    「どうしたら普通の女の子になれますかね…」
    「う〜ん。鈴音には無理!」
    「ひどい!どうしてですか?」

     鈴音が溜息まじりに呟くと、奏珉はわざとらしく考えて明るく笑う。鈴音は立ち上がりそうな勢いで奏珉に迫る。
     趣味思考は普通の女の子らしいでしょう?眉を寄せる鈴音に、奏珉は「もう〝普通〟って言葉使ってる時点で普通じゃないんだよ。」そう思いながら違う言葉を探す。探すと言っても、それが一番でしょと、考える間もない。

    「だってぇ血のにおいがこびりついてるよ。もう普通の女の子には戻れないくらい」

     奏珉はにんまりと、目を細める。すんすんと鼻をならして、追加で頼んでいたパンケーキにラズベリーソースをかける。まるで血液のように、とろりと落ちる甘い赤。
     その動作が艶めかしくて、鈴音は見慣れているのに毎度小さく心臓が音をたてる。女の私よりも女らしい仕草ができて、羨ましい。歩き方と立ち方について、常に小言を言われている。

    「貴方だってそうじゃない。もう普通の男の子には戻れませんよ」
    「俺は戻る気ないも~ん」

     奏珉は切り分けたパンケーキを口に入れて笑う。鈴音は口をとがらせて、奏珉を睨む。その視線に気づいた奏珉は、新しくパンケーキを切り分ける。

    「でもさぁ……、諦める?」

     一口大のパンケーキをフォークで刺して、それを鈴音に差し出す。
     鈴音はぱちぱちとまばたきをして、にっこりと笑う。

    「やるだけやります」

     あっと口を開けると、差し出されたパンケーキがふいといなくなり、ガチンと歯が鳴る。
     え。と、鈴音が奏珉を見ると、奏珉は大きくあ〜と口を開けて、パンケーキの刺さるフォークを口に入れていた。

    「ひ……、ひどいっ!」
    「鈴音も頼めばいーじゃん」
    「カロリーオーバーなんです!」
    「……それだけ頼んでてよく言うよ」

     涙目の鈴音の前には、三段のパンケーキ。一ピースのケーキが乗っていた空の皿が五枚重なっている。
     頬を膨らませる鈴音は、生クリームとチョコソースのかかったパンケーキを切り分け食べ始める。
     俺達って、本当に普通じゃないなぁ。
     奏珉は自分達の過去を思い返す。こうやって甘いものを食べることだって、考えられなかった幼少期。恋をすることだって、夢のような話。
     別に、お近づきになりたいなんて、本気で思っちゃいない。こうして、普通の人みたいに、恋バナができるだけで、楽しいんだ。

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