酒に酔った恋人を見てみたかった🟩の話お酒に酔った恋人を見てみたかった🟩の話
「……」
「🟩!このお酒凄く美味しいよ!🟩は呑まないの?」
「俺はいい…」
ハイペースで酒を煽る🌸を心配する🟩。
「(こんなはずじゃなかったのに)」
🟩はただ、酒に酔った🌸を見たかっただけなのだ。泣き上戸か、笑い上戸か、甘え上戸か…
個人的には甘え上戸であって欲しい、と思いつつ酒を勧めたが…
まさか🌸が酒豪だとは思わなかった🟩が頭を抱えた。
既に瓶が数本空いているが、一向に酔う気配がない。
「あー…🌸、そのくらいにしておいた方が…」
「え?まだまだ大丈夫よ!」
全然ヨユー!とガッツポーズをした🌸の体が逆に心配になってきた🟩が、料理も食べるように勧める。
「私が好きなのばっかりじゃん」
「ん…まあな、」
「へへ!ありがとう、🟩」
「…うん」
🌸が嬉しそうに🟩に擦り寄りお礼を述べた。
張り切って作った料理を 美味しいよ!と嬉しそうに食べる🌸に🟩の頬も緩む。
「…本当に🟩は呑まないの?」
「っ」
「ひとりで全部呑んじゃうけど…」
申し訳なさそうにした🌸の言葉に考えあぐねる。酒は好きではないが🌸1人で全部呑むのは体に悪い、勿論飲み切れるとは思うが…
葛藤した🟩が仕方ない、と肩を竦めた。
「少しだけなら…」
「!うん!無理はしないでね!」
心底嬉しそうに微笑んだ🌸に、胸がきゅーっ…となりつつ勢いのまま酒を煽った。
「……うっ…」
目を覚ました🟩が痛む頭を抱え起き上がる。ぼんやり霞む思考がハッキリとしてきた。
「…ベッド…」
乱れたベッドの上、昨日のことを思い出そうと躍起になる。
酒を煽った後の記憶が濁っている。
「…ダメだ、思い出せない…」
「ん…おはよう、🟩」
横から聞こえてきた声に思い出すのを諦め おはよう、と抱きしめキスをする。
擽ったそうに身を捩った🌸の首筋には幾つかの赤い跡が。
「その、昨日の事だが…🌸に嫌なことはしなかったか?」
「ん?んー…」
🟩の言葉に考える🌸に焦る。酒に酔って、暴力を振るったとあっては…
ネガティブな思考に顔面蒼白の🟩。それに🌸が笑い大丈夫だよ!と抱きしめ返した。
「むしろ🟩凄く可愛かったよ?」
「え?」
「甘え上戸だったんだね🟩って。🌸〜好き好き、大好き…どこにも行かないでぇ…って」
「え!?」
「🟩、お酒強くないんだね…」
「う"っ…」
🌸の言葉に地味に傷付く🟩。悪い…と謝るが🌸は首を傾げている。
「別に責めてる訳じゃ…あ!でも🟩は他の人の前でお酒呑むの禁止ね!私がいる時はいいけど!」
ビシッ!と指をさし釘を刺した🌸に、分かったと頷いた。
「(まあ…もう二度と酒は呑まないがな)」
ぼんやり思い出した記憶に、🟩は一人、固くそう誓った。
…後日、固く誓った事も虚しく、間違って🌸の酒を呑んだ🟩が友人達の前で🌸に甘えに甘えまくる。
「🌸…しゅき…おれだけ見てて…///好き…大好き…🌸…🌸…///」
「ごめん皆、今日のことは絶対に、他言無用でお願いね」
🌸の頼みに全員しかと頷いていた。