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    ムムムン

    夢の保管場所

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    ムムムン

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    ※🟩夢
    ※🟩の幼馴染み
    ※🌸が普通に強い!

    男運が無い🌸と奥手な🟩※長いです

    「🟩!彼氏出来た!」
    「…今度は、どんなヤツなんだ?」
    「えっとね狩りが上手くて優しいし、それから…」

    🌸の話を半笑いで聞く🟩。その目は笑っていない。
    そんなこと露知らず、🌸は嬉しそうに惚気けている。

    「…そうか、今回は長く続くといいな」
    「大丈夫だって!」

    カラカラと笑った🌸が🟩の腕をバシバシ叩いていた。


    「別れたァ〜!」

    さめざめと泣く🌸を慰める🟩。別れるまで3日か…と別れた理由を聞いてみる。

    「んん…その、もう少し互いを知ってからエッチしようって言ってたのに…手出てきたから…」
    「はあ?」

    🟩の額に青筋が浮かぶ。握られたグラスから嫌な音が響いている。それに気付かず🌸が更に泣き出した。

    「ムカついて殴ったら吹っ飛ばしちゃって…!診療所に駆け込んだんだけど別れようって言われたの…!」
    「それは…」

    軽く殴っただけだよ!?と声を荒らげた🌸に僅かに溜飲が下がった🟩が災難だったな、と🌸の頭を撫でた。

    微睡んだ🌸がハッ!と慌てて身を引いた。

    「と、とにかく今回は縁が無かったって言うか…!」
    「はあ…全く、今回で何度目だ?」
    「そ、それは…別に良いでしょ」
    「…毎回長続きしないんだ、そろそろ諦めたらどうだ?」

    呆れたような🟩の声に🌸がムッと眉を顰める。誰のせいで…と口を突いて出そうになったのを飲み込んだ。

    「🌸、俺は…」
    「ま、まあ!付き合って貰って悪かったわね🟩!もう大丈夫!お代は私が払うから。ありがとう!」
    「待っ…」

    背後から呼び止める声を振り切り店を後にした🌸にぱたりと腕を降ろした。

    「はあ…最悪だ、」

    くしゃりとバンダナを握りしめた🟩が呟く。いつもすんでの所で逃げられる。

    避けられているのか…?と悶々モヤモヤ考え、大きなため息を吐いた。


    「🟩!彼氏出来た!」
    「はあ…それで?どんなヤツなんだ」
    「交渉術が凄い上手くてね!堅実な人で…」
    「(正直俺の方が上手いと思うが)」

    「別れた!ガチドケチ男だった!お家デートでトイレとかの使用料取るのヤバすぎない?」
    「トイレの使用料?」
    「トイレだけじゃなくて紙どれだけ使ったかも聞かれてその分のモラ徴収。流石に無いわ〜…引くレベル」



    「🟩〜!」
    「また新しい彼氏か」
    「今度は彼女」
    「え!?」
    「優しく鉤縄の使い方をレクチャーしてくれて…好きになっちゃってぇ…」
    「(それくらい俺だって教えられる)」

    「キープの1人だったらしくてガチ修羅場!」
    「また別れたのか」
    「別れましたァ〜!!!持った方ではあるけども!?なんかさ!家行ったら知らない女とヤッてる所でさ!!怒鳴ろうとしたらもう1人来て修羅場も修羅場!!!3人で詰め寄って…あ、その3人とは今度飲み行くんだ〜」
    「えっと…の、飲みすぎるなよ…?」
    「うん!」



    「………」
    「あ!🟩じゃん!今ね〜デート中〜」

    嬉しそうに腕を組んだ🌸に隣の男をチラリと見る。気恥しそうにしている、至って真面目そうな男に内心大きなため息を吐いた🟩。

    「そうか。…今回は長く続くといいな」

    僅かな苛立ちからそう吐き捨て、さっさとその場を後にした🟩に🌸が首を傾げていた。

    「なんか🟩…不機嫌だったな〜」
    「……」

    その背後で男が🟩の背中を静かな目で睨んでいた。


    『ンで?🟩、今日の依頼はなんだよ』
    「ある宝盗団がこの近くを根城に活動しているらしくてな。先ずは下見だ」
    『ふぅん』

    興味が無さそうな🕶に気を引き締める🟩。
    昼間の事でまだイラついている気持ちを押し殺し、任務に打ち込む。

    岩陰からそっと覗けば洞窟の前に見張りだろう男が立っている。
    入口は1箇所。他にルートが無いか確認するため移動しようとすれば、仲間らしき男が見張りの男に声を掛けた。その肩にはぐったりと動かない女を抱えている。

    「なっ…!あれは…!!」
    『🌸じゃねぇか…!』

    中へ入って行った男に🟩が岩陰から飛び出す。🕶の制止を振り切り見張りの男を打ちのめした。

    「待ってろ🌸、直ぐに助ける…」
    『お、おい待て🟩!』

    焦る🕶の声は届かない。
    ギリッと大剣の柄を握った🟩が、閉ざされた扉に大剣を叩き付けた。いとも簡単に崩れた扉から中に入れば武器を構えた男達が飛び掛ってきた。

    「1人で乗り込んで来るt」

    男の言葉は最後まで紡がれず、吹き飛ばされ壁に打ち付けられた。それに怯んだ他の男達も次々とのして行く。

    普段の🟩とは違い、冷静さが僅かに欠如しているのを感情でカバーして先へ進んでいく。

    中程まで進んだ時、奥の方から鋭い悲鳴が響いた。

    「🌸!!」
    『おい待てって🟩!!』

    🕶が慌てて後を追う。部屋に飛び込んだ🟩の真横を何かが通り過ぎ、転がった。

    「あれ、🟩じゃん!」
    「無事か🌸…!」
    「え?まあ、平気だけど」

    🟩が🌸に駆け寄り怪我が無いかチェックし、ホッと安心したように息を吐いた。不思議そうにする🌸の手には、襟首を掴まれ苦しそうにしている元恋人が。

    『相変わらず強ぇー…』
    「当たり前でしょ!ホ宀穣の民の1人なんだから!」
    『んで?なんでお前がここにいるんだよ』
    「実は最近良くない噂が立ってて、私に調査の話が舞い込んできて…怪しい話を聞いたからわざと囮になったのよ」
    『それで最近やたらと恋人を取っかえ引っ変えしてたのか?』
    「いや、それは、純粋に…」

    ごにょごにょ…と口ごもった🌸の腕を掴んだ🟩が無言でその手を引く。困惑しつつも大人しく従う🌸。

    道中🟩がのした男達に🌸が若干引いていた。

    「🕶、お前は直ぐに炎ネ申様を呼んできてくれ」
    『アァ!?なんでオレ様が…』
    「🕶」
    『キィー!』

    嫌がる🕶を睨めばピュンッ!と居なくなった。洞窟を抜けた先、見張りが起き上がろうとしている。

    それをまた眠らせ、🟩が🌸と向き合った。

    「🌸」
    「な、なに🟩…」
    「お前は…俺の事をどう思ってるんだ」

    🟩の言葉に固まった🌸が目線を彷徨わせ、しどろもどろになりつつ「親友だよ…」と答えた。

    「親友…」
    「そう!親友!大事な、ね」
    「そうか、それで…」

    🌸の言葉に思い至った🟩が呟く。

    幼い頃、🌸が🟩に「私ね、大きくなったら🟩のお嫁さんになりたいな!」という無邪気な夢に当時の🟩は🌸をフッた。絶対ヤダ、と。

    ショックを受け泣き出した🌸に🟩が焦って慰める。父親からの暴力も相まって🟩は家族を作る事が怖かった。きっと、自分も父親と同じ道を歩む事になるかもしれないから、

    「それならさ、お嫁さんじゃなくていいからずっと一緒にいていい?」
    「…わかった、」

    “一生親友でいよう”という誓いが、🌸には呪いになっていた。

    それでもずっと恋心は消えない。だが誓いを守る為には心を押し殺し、🟩を意識しないようにしなければならない。

    故に、その気持ちを上書きする為に恋人を作ろうとしたのだが…無意識に🟩と共通点があるような人物を選んでおり、毎回似ているのに似ていない事実に苦しめられていた。

    その事実に気付いた🟩が🌸の腕を引き、抱き締めた。

    「き、🟩!?」

    真っ赤になった🌸が慌てる。引き剥がす事も出来ずに固まった。

    「🌸、悪かった、あの時の俺は…怖かったんだ、いつか父さんのようになって🌸を傷付けるんじゃないかって、」
    「っ…うん、」
    「本当は…ずっと好きだった、ずっと苦しかった」
    「🟩…」
    「🌸が幸せなら、俺は笑って祝福しようと思った。でも毎回、早く別れてしまえばいいと願っていた」
    「うん…」
    「🌸、親友よりも恋人になってくれないか、絶対に…俺はあの人のようにはならない、」

    体を離し目を見据える🟩にまた顔を赤くした🌸の目尻に僅かに涙が見えた。

    「わた、私も…🟩が、好き、ずっと好きだった、」
    「ああ」
    「でも、でも…🟩との約束があったから、🟩を好きにならないように努力しようと思って、」
    「ああ」
    「色んな人と付き合ったけど、結局…もっと、🟩の事を好きになっただけで、」
    「ん…」
    「っ…私も、私も🟩が好き…あの日からずっと、好きだった…!好きなの…!」

    本格的に泣き出した🌸をまた抱き締めた🟩。
    縋り付き泣く🌸に🟩が嬉しそうに微笑んだ。

    「🌸、返事を聞かせてくれ。俺と恋人になってくれるか?」

    🟩の言葉に何度も頷く🌸。返事を噛み締めるように🟩が強く抱き締めた。

    「…今まで付き合ってきた奴とは、どこまでしたんだ?」
    「なにも、」
    「…キスも?」
    「本当に好きになったら、って思ってたから、」

    恥ずかしそうにする🌸の頬に手を添える。

    「…全部、🟩が初めてだよ」
    「🌸…」

    互いに顔が近付き、唇が触れる…前に聞こえてきたバイクのエンジン音に🟩を突き飛ばした🌸。

    吹っ飛んだ🟩に謝罪を叫んだ🌸に🔥が颯爽と降りてきた。

    「おっと、邪魔したか?」
    「だ、大丈夫です!!えっと首謀者は中に!」
    「ああ。捕らえよう」
    「ごめん🟩…」
    「大丈夫だ…」

    🟩を助け起こした🌸が申し訳なさそうに縮こまっている。それを🕶が揶揄うが弾き飛ばされた。

    土埃を払った🟩がふと立ち止まったのに不思議そうに🌸が振り向いた。

    触れるだけの口付け。直ぐに離された唇に🌸が硬直する。

    その後真っ赤になった彼女に🟩が微笑んだ。

    「なっ…🟩…!」
    「続きは帰ったらだな」
    「っ〜!!!!」

    耳元で囁かれた言葉に湯気が出るほど真っ赤になった🌸。男達をふん縛りつつ、眺めていた🔥がにっこり笑った。
    🕶は顔をしかめ嫌そうに吐く真似をしている。

    「良かったな🟩」
    『オッエー!胸焼けがしやがるぜ!!!!』
    「なっ…見てたんですか…」
    「見せつけたんだろう」

    呆れた🔥の言葉に🌸が元恋人を縛り上げた。

    「イタタタ"タ"ッッ!!」
    「あー…🌸…私が縛ろう…🌸?聞いているか?🌸??」

    🟩の言葉で手一杯の🌸には、苦しそうな声も🔥の声も届いていなかった。


    『…ケッ…自分からしといて真っ赤になりやがって。女々しいやつ』
    「うるさい🕶…」

    🌸と🔥の後ろで🟩もまた、顔を真っ赤にしていた。
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