イデ監⑤小さな舌に己の舌を絡めて吸って、歯列をなぞる。上顎の裏を舐める度にびくりと跳ねる彼女に、分かりやすくて愛おしいという感想を抱く。
消化管の始まりである口と口を付けて、唾液を交換して。それが一体何になるというのだ?彼女と出会うまで、僕はずっとそう思ってきた。
それが、こうして遺伝子と遺伝子を交換し合うのも、悪くはない。否、僕の遺伝子が彼女の口内から喉を滑って、消化管に流れ込むのは。非常に好ましいとさえ思う。
ずっと口を開けていて疲れたのか、閉じてきた彼女の顎を掴み直し強引に舌を捩じ込む。いよいよまともに座ることさえできなくなった君を抱き抱え、そのままベッドへと縫い止めた。
こくり。彼女の喉が上下する度に言い様のない恍惚感に襲われる。
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