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    manju_maa

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    manju_maa

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    支部の続きをあげたぽいぴくにあげた進捗の続き。
    「」なし。

    ごろうくんが常時どの面案件すぎる感じになった春ちゃん覚醒編。杉村くん、流石にこんなにヤリチン男じゃないと思う。たぶん

    来栖暁に育てられたあけちごろうくんの話そして数日後。モルガナと共にパレスの調査をするべくオクムラフーズの本社へとやって来た。
    高くそびえ立つビルを見て、かつての自分は奥村の墓標のようだと思っていた。事実、彼をこの手で殺して実際に墓標に変えてしまったわけだし。
    でも今回、奥村を殺める存在はいない。獅童との関わりが懸念されるが、前の時は奥村は廃人化ビジネスの依頼人として獅童と関わっていた。廃人化が存在しないこの世界では獅童との関わりを持っている可能性は極めて低い。ならば今回こそ、救えるかもしれない。若葉は間に合わなかったけれど、奥村なら。

    パレスのキーワードはフタバが突き止めてるぜゴロー。本社ビル、宇宙だ!

    適度に褒め伸ばしたおかげでモルガナのメンタルもすっかり元通りだ。
    獅童のと関わりがあろうとなかろうと、やはりそこは前と変わらないらしい。バレない程度に溜息をつきながらイセカイナビにキーワードを入力して、ナビゲーションを開始させる。

    ……あ、あの。ちょっとよろしくて?


    後ろから聞き覚えはあるが今聞こえるべきではない声が聞こえた。まさかと思い振り向こうとする頃には空間が歪み始めた。
    周りの景色は本社ビルがあった場所から、嫌になるほど見慣れたSF映画のを彷彿とさせる宇宙空間に変わる。

    ひゃあっ!?こ、ここ、どこ…!?

    先程の声の主から動揺した短い悲鳴が聞こえる。
    今度こそ振り向いて見てみれば、案の定見覚えのある女子が戸惑ったように非現実的な宇宙空間を見渡していた。

    ──奥村春。
    双葉の次に……いや、なんならリアルタイムだった分、双葉よりもかつての明智吾郎とは因縁がある。
    奥村邦和の娘であり、怪盗団の仲間となる最後の人物。

    ……君、確か……奥村フーズの社長の娘さん、だよね?

    斑目パレスの時のように顔を見せるように仮面を上にズラしながら話しかける。正体を隠す分には勝手が良すぎるこの格好も、初対面の怪盗団メンバーに正体を晒したい今の状況では少し不便だ。
    あの時の蓮のように顔だけで理解してくれたらしい春は『あっ…!』と目を見開かせる。

    あ、貴方テレビに出てる明智吾郎くん…よね?さっき、黒い猫ちゃんと一緒に本社ビルの下にいた!
    うん、そうだよ。初めまして
    あ……は、初めまして。奥村春、です。テレビでのご活躍は度々拝見させて頂いておりますっ

    ぺこりと礼儀正しく丁寧に頭を下げられる。
    ……そういえば彼女は社長令嬢だった。笑顔で斧を振り回してロケットランチャーをぶっ放してるイメージで定着していたからすっかり忘れていた。

    そういうのはいいよ。僕も仕事の資料を見て一方的に君を知ってただけだし
    あ…ああ、そうよね。うん。どうして知ってるんだろうと思ってた…。お互い様なのね

    まあ君を知ってるのは前の記憶のせいであって資料なんて一つもないわけだけど。
    …と言うわけにはいかない。

    それより、どうして本社に?
    ……お父様に呼び出されててね。そうしたら、テレビでよく見る明智くんと猫ちゃんが居たから…。猫と探偵の組み合わせってなんだか珍しくて。初対面だって言うのについ話しかけようとしたんだけど……

    なるほど。それで一緒に巻き込まれてしまったということか。
    前は自分が彼らの近くに居たばかりにパレスの潜入に巻き込まれた事もあったし、どうもあの場所は巻き込み事故が発生しやすいスポットのようだ。

    困ったな。どうするクロウ
    まあ、あなた喋れるの!?凄い…!猫型ロボットさんみたいね!
    ワガハイ猫型ロボットじゃねー!
    …ねえ、その漫才まだ続きそう?本題に入りたいんだけど
    あっ、ご、ごめんなさい……!
    ていうか漫才じゃねーよ!!

    閑話休題。

    ねえ。ここはどこなの?それに貴方のその格好、早着替え……したわけじゃないよね?
    ……そうだね、そこから話そうか
    おい、大丈夫かよ?
    このままなんの説明もしないで追い返す方が心配だよ。今後一人でまたここに戻って来てしまうことがあったらそれこそ取り返しがつかない
    それはそうだけど……

    杏がかつてそれをやって結果的にペルソナに覚醒させたと聞いた。原理は分からないが一度でもパレスに足を踏み入れた者には例外なくイセカイナビがインストールされる仕組みになっているらしい。恐らく既に彼女のスマートフォンにはあの目玉のアプリが鎮座していることだろう。
    確かこのパレスには何ヶ所か生体認証しなければ通れない扉があった。
    前の時はそれこそ春を仲間として迎え入れた怪盗団の後を付ける形で最奥に辿り着く事ができたが、今回はその怪盗団と共に行くわけなので彼女を今追い返すという選択肢は自分の中にはない。

    信じられないかもしれないけど、ここは僕らが普段生活してる世界とは違う異世界ってやつでね。だから僕も格好が違うし、このモルガナも喋れるし黒猫からこんなぬいぐるみみたいな姿に変わってる
    そ……そうなんだ……でもそうよね。どう見てもさっきまで居た奥村フーズの本社ビルには見えないもの。けど、それとお父様の会社とどう関係があるの?
    ここは異世界の中にある奥村邦和の認知が具現化した世界なんだ。彼の心の中の世界と言えば分かりやすいかな?パレスって呼んでるんだけど
    心の中の世界……?お父様にとって会社はこんなふうに見えている…ってこと?
    うん。君も身内ならお父さんの会社の黒い噂の一つくらいは聞いてるだろ?もっと奥に入れば嫌でも君のお父さんが会社とその従業員をどう思ってるかが分かるはず。僕とモルガナはその噂の真偽を確かめるために来たんだ
    ……そう……。…………………………

    俯いて黙り込んでいた春は、意を決したように顔を上げる。

    ねえ。もし邪魔でなければ、私も連れて行って欲しいのだけど
    ……元よりそのつもりだったけど。いいの?君の父親の本当の胸の内を知ることにもなる。もしかしたら、君のことだって娘ではない他の何かだと思ってるかもしれないよ
    ……うん。そこについては気にしないで。自分がお父様の言いなりの人形だったっていう自覚はあるの。ずっと向き合わなきゃって思ってた。もう逃げたくない。きっと、貴方達とここに来れたのは、それができる最初で最後のチャンスなんだわ

    こちらを見つめながら言うその双眸は、先程までの不安に揺れていたのが嘘のように真っ直ぐだ。こう言えるならばきっと大丈夫だろう。あとはきっかけがあれば彼女は再び反逆の心を持てるはず。
    モルガナの方へと目を向けると、ニッと口を釣りあげながらこくんと頷いた。

    よし、そうとさっさと決まれば行こうぜ!シャドウとの戦闘はなるべく避けつつ行けるところまで行こう!ワガハイとゴローから絶対離れるなよ、ハル!
    は、はいっ、よろしくお願いしますっ!
    じゃあ進もうか

    そうして三人で宇宙基地の施設内へと足を踏み入れる。
    進んでいく内にビックバンバーガーのロゴがついたロボット達が罵声を浴びながら奴隷のように働かされている光景が見える場所へとやって来た。
    シフトは厳守、嫌なら辞めろ、ただし手当は無し、過労で倒れたものは廃棄。そんな声が聞こえてくる。絵に書いたようなブラック企業の光景だ。

    ……っ……

    そんな光景を、春は下唇を噛み締めながら見下ろしている。

    ……これ。お父様は、自分の会社の人達を人間扱いしてないってことなのよね…
    そうだね。ただ言われたことのみ従う意思のないロボット。それが奥村にとっての会社の従業員ってことだ
    …………。実はね。私、お父様に言われて結婚させられそうになってるの。会社のためにって
    ケッコン!?ハルがか!?
    それって政略結婚ってこと?
    ……うん。相手も全部何もかも勝手に決められた…私の意思なんて関係なく。だから、私は近いうちに好きでもなんでもない男と結婚させられる
    なんだよそれ……ワガハイその辺よく分かんねーけど、ケッコンってそういうもんじゃねーだろ!?なあクロウ!
    ………………

    モルガナの問いかけに返す言葉は無かった。
    僕はモルガナが考えているであろう男と女が愛し合い将来を誓い合うという絵に書いたような『結婚』の先で生まれた子供ではないから。
    なんなら結婚という当たり前の前提すら存在しない。

    あんな人と結婚なんかしたくない。けど、お父様は私のことなんか見向きもしなくて…私は結局お父様の言いなりになるしかないの…
    ……ハル……
    でも、君はそれを終わりにするために父親と向き合うって決めたんだろ。なら進まなくちゃ
    ……明智くん……

    丸くなった目がこちらに向く。
    しかしすぐに表情を引き締めてこくんと頷いた。

    ええ、その通りね。……先を急ぎましょう
    無理すんなよハル。オマエただでさえ丸腰なんだ。何かあったらすぐ言えよ
    ありがとうモナちゃん。格好良いナイトが二人も居るんだもの。全然大丈夫よ

    笑い合いながら足を踏み出す春とモルガナの後ろを歩きながら苦笑する。
    そんな彼女の父親を殺して、己の父親に対しては復讐することしか考えなかった男が何を偉そうにしているんだろう。彼女は歪んだ父親と真っ直ぐ向き合うために異世界にも臆せず同行することを決めた。まだペルソナにも覚醒してないのに。
    少なくともその行動は僕にはできない。しようと思ったこともない。それができるのは心が強い故だろう。
    ……そんな彼女の後ろ姿が、とても眩しく見えた。

    ……生体認証?
    奥村社長が知ってる人しか通れない扉って所なんじゃないかな
    ……あっ。じゃあ私なら開けられるかな?
    娘だからね。きっと開くと思うよ
    ハル、立ってみろ!
    ええっ!

    更に奥へと進むと、遂に生体認証のセキュリティーが掛かった扉の前へと辿り着く。モルガナの指示通りに春は意気込みながら扉の前に立ち、間髪入れずにセキュリティーが解除される音が鳴り響いた。

    やった!開いたよモナちゃん!
    ああ、よくやったハル!

    イエーイ!という風にハイタッチする二人を横目に、先に進む。
    長細い廊下を抜け、やがて広い空間へと行き着く。その中心には──

    ……っ

    その姿を忘れたことは一度もない。
    奥村邦和のシャドウは前と変わらず機械仕掛けの椅子に座って宙に浮いていた。その隣にはいやらしい笑みを浮かべる見覚えのない男の姿もある。

    お、お父様……
    …春。約束の時間はとうに過ぎているぞ。何処で何をしていた?
    そ…それは…。ちゃんと向かう所だった…んです、けど…

    そういえば春は奥村に呼び出され、会社に訪れた所をイセカイナビに巻き込まれて今に至っているという話だった。現実世界の奥村からしてみればいつまで経っても娘が来ないという認識になっているということか。

    私の言いつけも守らず他の男と逢瀬していたというのか?言い寄られたのか誘惑したのか、どちらにせよ嘆かわしい
    なっ…違…!彼はそんなんじゃ…!!
    お前の身体は会社の未来のために捧げるべきものとしてそこまで育ててやったのだ。そこなどこの馬の骨とも知らぬ男に与えるためではない!何処まで私の足を引っ張れば気が済むのだお前は!!
    そんな…!お父様にとって私は、娘ですらないのですか…!?好きでもない男に会社の為にと自分を殺し、身体を預けろと言うのですか!!
    当たり前だ。所詮お前などそれくらいしか使い道などない。身の程を弁えろ!
    …っ…私…私は…!
    ハル…!

    春は耳を塞いで床に座り込んだ。
    モルガナがすぐに駆け寄るも、嗚咽と身体の震えは収まらないでいる。

    おい、そこの君

    それを横目で見ていると、奥村の隣に立つ男が話しかけてきた。
    話の流れから予測するに、奥村の認知上の春の婚約者だろう。第一印象だけでいけ好かない。春じゃなくてもあんな男を好き好む女性は恐らく居ない気がする。

    何か?
    結局のところ僕のフィアンセとはどういう関係なんだい?まさか本当に抱いたわけじゃないだろうね
    ……生憎、彼女とはさっき会ったばかりの関係だ。貴方みたいな性欲しか頭にない男と一緒にしないでもらいたいですね
    …ふぅん…?

    正直に答えてやれば目を細めて気持ち悪い顔で口を釣り上げた。

    …聞きました?社長。あんな奴の手垢が付いてるのは気がかりだけど、まだ傷物にはなってないようだ。早いところ印付けが必要かもしれませんね
    ああ。正妻として迎え入れてほしいというのが本音だが、贅沢は言わない。好きに使うといい。君が望むのであればいつでもくれてやる
    ハハッ!そうこなくちゃ!!

    不愉快な笑い声が響き渡る。
    会社の従業員のことをロボットだと思っている時点で娘を家族として大切に扱っているとは思ってはいなかったが、まさかここまで酷いとは。
    僕が言うことでもないけど本当にろくでもない男達だな。

    ……っ……言わせておけば…ッ…!いい加減にして!!

    でも、きっとこれで条件は揃ったはず。

    ……奥村さん

    静かに呼びかければ、涙を浮かべながらも春は力強く頷いた。
    その潤んだ瞳に迷いはもう無い。

    ええ、大丈夫……私は、そのためにここまで来た。……心は、とうに決まっています……!

    春は頭を抑えて苦しみ出す。
    そして現れた心の仮面を引き剥がし、ペルソナ──ミラディを覚醒させた。

    目を逸らして逃げることも、我慢して従い続けるのも、もうたくさん!…さようなら、お父様。私は、もう貴方の言いなりの人形にはなりません!!
    フン、ならばお前も廃棄しかあるまい。……杉村君、適当にあしらっておけ!
    ……ええ、そうさせて頂きますよ!!

    その場から立ち去る奥村のシャドウと入れ替わるように前に出てきた杉村と呼ばれた認知上の男は、大きなロボの形へと姿を変える。
    しかし彼女がペルソナに覚醒している以上、あんな鉄屑など雑魚同然だ。

    来るぞ二人とも!構えろっ!!
    アイツは念動属性が弱点だ!君の力でぶち壊せ!!
    …はいっ!!


    〇 〇


    現実世界に帰還し、ひとまず父親との待ち合わせに向かっていった春を本社ビルの近くの公園でモルガナと待つ。しばらくした後、小走りでこちらに近づいてくる姿を見つけ、無事に合流する。
    異世界に迷い込み、しかもペルソナに覚醒したというのにそれから更に奥村に会いに行って戻ってきた春の顔は流石に疲れているようだった。

    お疲れ、大丈夫?
    無理すんなよ、ひとまず座れハル
    大丈夫よ、お気遣いなく。…それより待たせちゃってごめんなさいね
    気にしないで。…ああ、君を待ってる間に買っておいたんだ。飲んだ方がいいよ
    ええ、ありがとう。丁度喉乾いてたの、頂くわ

    缶ジュースを差し出すと笑顔で頷いて受け取った。
    ベンチに並んで座って、ようやく一息。

    こっちの奥村社長はどうだった?
    ……うん。あっちのお父様と同じようなこと言われたわ。杉村さんとの結婚の手続きをすぐにでも始めるって
    まあシャドウがああ言った以上はそうなるだろうね
    お父様はもう私が何を言っても聞く耳持ってくれない。あれだけ啖呵を切っておいてなんだけど、どうしたらいいのかな…

    俯いたまま口から漏れる溜息は深く重い。
    彼女からしたら異世界に行けるようになりペルソナという戦える手段が増えただけで、現状の打破に繋がったわけではない状況だ。表情が曇るのも無理はない。
    モルガナと目伏せして、二人で頷き合う。

    なあハル。実はな、ワガハイ達の他にもペルソナ使いの仲間達が居るんだ
    え?そ、そうなの…?
    心の怪盗団の話、流石に知ってるだろ?あれ、実は僕達なんだよね
    へえ、そうなん……ってええ!?怪盗だ……え!?あ、明智くんも!?テレビであれだけ非難してたのに!?

    このままで驚かれると一周回って気持ちいいな。
    返事はせずにニコッと笑顔を作って返せば、ぽかんとした顔が帰ってきた。

    まああれは将来ターゲットにするつもりの奴を油断させるための作戦のひとつでね。彼らには本心じゃないからってちゃんと説明して好き放題言わせてもらってるよ
    そ、そう……なんだ……?
    そんな僕達が次にターゲットにしようか悩んでるのが君のお父さんである奥村邦和なんだ
    …お父様を?…そっか、それで二人はパレスに来てたのね
    うん、今日のことは君のことを含めて全てメンバーに伝えるつもりだ。そうすれば間違いなく次のターゲットは奥村で決まると思う。…モルガナも、もう不貞腐れてる場合じゃない。分かるね?
    ああ、もちろん!ハルにあんなひでーこと言うヤツを放っておけねーよ!
    モナちゃん…
    そこで、だ

    ピッと春に向けて指を差す。

    ここまでの話を聞いて、君はどうする?
    …え…
    彼の改心に成功すれば会社に対してのこともそうだけど…君への今までの扱いも悔い改めるはずだ。恐らく、あの杉村って男との婚約も破棄してもらえるんじゃないかな
    っ!
    奥村の改心は怪盗団のターゲット以前に君の戦いでもあると思う。父親と本当の意味で決着をつけるためにも、奥村の改心に君は立ち会うべきだ
    ……………
    ……まあターゲットの話含めてあくまでメンバーの中でも下っ端である僕個人の意見だから、リーダーや他のメンバーがどう思うかは分からないけどね
    なーに言ってんだよゴロー。あのレンがハルみたいな境遇の子を放っておくわけないだろ。レンだけじゃねえ、他の皆だってな

    まあそうだろう。
    蓮の病的なまでにお人好しが全員に伝染したかのような集団だし。

    …………ねえ明智くん、モナちゃん。さっき、他にも仲間がいるって言ってたよね。怪盗団の

    ずっと黙り込んでいた春がようやく口を開く。
    どうやら、今回の彼女も覚悟は決まったらしい。

    もしよかったら、私を皆が居るところに案内してほしいのだけど
    ……明日、学校で二年の雨宮蓮って生徒の所を訪ねてみるといい。話はこっちで通しておくよ
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    Replies from the creator

    manju_maa

    DONEタイトル通り。二番煎じに二番煎じを重ねてテンプレを煮詰めたような話。たぶん主明
    ※ペルソナとか異世界とかなんもない本編とは全く関係ない謎時空
    ※明智が架空の病気(※ここ大事)で心臓弱い子
    ※明智ママがガッツリ出てくる。
    ※なんでも許せる人向け
    小学生の病弱吾郎くんと蓮くんが出会う話①この街には小学校の登校路から外れた道を行くと、低めのフェンスに囲まれたかなり大きい家がある。アニメなんかでよく見るお屋敷のそれ。道路も公園も、なんなら住宅も少ないその区域に静かにひっそりとそれは佇んでいた。
    フェンスの内側は芝生が生えた庭があって大きな桜の木が一本生えている。花見し放題だななんて思いながらボーッと眺めていたある日、飛び交う桜の花びらに混じって木の陰に隠れていた屋敷の二階の窓から外を覗く奴が居ることに気づいた。
    チョコレートのような、牛乳をたっぷり入れたココアのような、そんな茶色の髪を風で揺らしながら。夕方近いとはいえまだ太陽が昇っている時間帯にパジャマの上からカーディガンを羽織るという格好で、そいつはずっと外を眺めていた。髪は長いし顔も女の子みたいで、下から見上げるだけじゃ性別は分からない。年齢は多分同い年くらいだと思う。
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    manju_maa

    PROGRESSごろうくん視点。獅童編中盤の全カットした空白の二週間の話の一部とヤルオ討伐後の話。「」ない。
    本当は本編に入れたかったけど時間が足りなくて泣く泣く書くのを止めたけどやっぱり書きたかったから書いたシーン
    来栖暁に育てられたあけちごろうくんの話~番外編③~色んな人の世話になりながら、39度近くまで上がっていた熱は完全に引いた。今は蓮が診せたという医者に言われた通り、静養期間だ。身体が元気なのに学校にも仕事にもなんなら外にも出れないというのは、中学時代の謹慎中の三日間を思い出す。
    熱がある間は昼間は双葉に、夜から朝は蓮が泊まりがけで付きっきりでそばに居たが、熱が引いたことで蓮はひとまずルブランに返した。
    『こうなったのは俺のせいだから』『お前は放っておくとまた無理するから』と色んな理由を述べられて拒否されたが、ならモルガナを監視役として引き続き家に置くからという妥協案を出すと、渋々承諾した。とはいえ昼間は双葉が家に乗り込んできて持参したパソコンをカタカタといじっている。蓮と約束ノートなるものを作って、それのおかげで一人で外出もできるようになったんだと自慢げに話していた。『明智はわたしの恩人だからな!』と満面の笑みを向けられたときは眩暈を起こしかけたが何とか耐えた。
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