誕生日プレゼントは俺ですってやつ「炎司さん今年の誕生日は何が欲しいですか?」
別に忘れていたわけではなかった。ただちょっとだけタイミングが悪く時期的に忙しくて、例年よりも準備が遅れただけなのだ。肝心の誕生日は二日後に控えていてまだ来てないし、悪気なんて一切ない。それでも、俺の愛しい恋人は面白くなさそうに唇を尖らせて腕を組む。
「ねー、炎司さん、怒んないで」
「……怒っているわけではない」
「そうですか?その割にはかっこいいお顔がムッ!ってしてますよ」
俺が炎司さんの真似をして唇を尖らせ眉根を寄せて腕を組めば、目の前の本人の口から長いため息がこぼれ出た。見上げるような形でじっと目を見つめると、何か考えるような顔をしたあと俺を見るきれいな青い瞳が揺れて、きゅっと結んでいた口が気まずそうに開かれる。
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