大学生モリユヒ.
ガヤガヤと教室の中が一気に騒がしくなる、4時間目終わりの昼休み。机に向かって教科書では無くスマホと向き合う一人の少女は、周りが昼食を食べ始めてもその画面を凝視したままだった。
その理由はと言うと――先日、彼氏持ちの友人から告げられた「実は彼氏と先に進んじゃったんだよね♡」という発言が原因である。その際彼女は口に運ぶ途中のおかずを、箸からポロリと落としてしまうほど衝撃を受けた。先に……進んだ? ということは、そのつまり、一線を超えたって事………………顔を真っ赤に染めたのは記憶に新しい。そこで彼女――ユヒルは、授業も真面目に聞かずにスマホで熱心に検索していた。そう、『高校生 彼氏 初めて』と。そこで冒頭に戻るというわけだ。
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