私がフランス軍装を描く際に使用している資料本を一部紹介(ぷらいべったー投稿記事一部改変の上で転載)今回はにわかに第二帝政フランス軍装イラスト化の波を感じ取ったので、私が利用している軍装類の資料本を紹介したいと思います。みんなもフランス軍を描こう、描いて(切望)
※今回紹介する書籍はできるだけ広範囲の兵科を扱っているものを取り上げています。1兵科特化型の本がなんか多い気がするフランス軍本…
※現在でも古書含め在庫がみられる書籍を極力紹介していますが、それぞれの書籍の価格に関しては度外視しています。ご了承願います…
※版元および原価で購入できるものに関しては通販URLを記載しています
① Collections historiques du musée de l'armée シリーズ
フランス軍事博物館の所蔵品を元にまとめている本。白黒多めながら実物図版多めで簡潔なまとめ解説もされていて○
特に画像のNo2.L'armée de Napoléon III と No3.l'expédition du mexique (1861-1867) et la guerre franco-allemande (1870-1871) (写真反射してしまっていてすみません…)は二冊で第二帝政陸軍全体がまとまっているのでまず持っておくと把握がしやすくなると思います。
②L'ARMÉE DE NAPOLÉON III DANS LA GUERRE DE 1870
https://editions-heimdal.fr/fr/empire/625-l-armee-de-napoleon-iii-9782840485117.html
普仏戦争期のフランス軍をまとめたイラスト図版本。正規軍のフルドレスだけでなく時期による変遷、さらには遊動隊や各州の義勇兵の軍装も多数収録していてすごい。
③La Guerre Franco-Prussienne de 1870-1871
https://www.militaria.at/Book.aspxbook=9624384&Language=de
みんな大好きVerlag Militaria社がまさかの普仏戦争本を出してくれたよ!ドイツ諸邦とフランスの二冊組。漬物石。丸々一冊フランスに割いてくれているので実物資料写真も全兵科に渡って充実している。何気にこの時期を扱う書籍としては珍しい英・独語版が出ているのもうれしいポイント。
※2025.07.02 追記 現在Verlag Militaria公式サイトではドイツ語版の在庫がわずかにある状態のようです。
④L’armée française par Lucien Rousselot
https://fr.empirecostume.com/l-armee-fran-aise-par-lucien-rousselot-a13838.htm
フランス軍公式画家だったリュシアン・ルスロの長年の研究作品をまとめた二冊組の本。鈍器。網羅してはいないとはいえアンシャンレジーム〜第二帝政にかけての軍装イラストがルスロ自身による ̶あ̶り̶が̶た̶い̶お̶言̶葉̶詳̶細な解説とともにオリジナルサイズ、配置で多数収録されている。第二帝政は皇帝親衛隊から一部兵科が紹介されています(第一帝政期の図版のみマール社から出版されている『華麗なるナポレオン軍の軍装』で確認できます)
⑤L'uniforme et les armes des soldats du XIXe siècle
19世紀フランス軍の軍装を政体をまたいで収録している珍しいイラスト図版本。同時期の英、ドイツ諸邦、墺(=洪)の軍装も収録されている点もフランス語書籍としては希少(この本でフランス語でもDolmanとAttilaを言い分けている事を知った)第二帝政はTome2の方に収録(Tome1は1814~1850年まで収録)ただし一部図版に実際の運用には即していないと思われる点がある事に注意。
⑥COLLECTION ÉQUIPEMENTS MILITAIRES DE 1600 À 1870シリーズ
軍装の中でも装備類に焦点を当てたモノクロ図版本。構造まで詳細に描かれたイラストに規定書の図版や細かい改定内容も載っていてとてもすごい。装備について「ここわからねぇ!!!」となった時に重宝するので超オススメ。軍装はなんとなく把握できてきたとなってきたら是非。一応武器にも若干触れている。第二帝政はTomeIX,Xに収録されているけども1600年まで遡って出ているので必要な時期のものを入手しましょう。
⑦La Garde Imperiale de Napoleon III
第二帝政期の皇帝親衛隊全兵科を扱った本。文鎮。実物資料、古写真、イラスト図版を多数収録していて解説も被服毎に詳細で往時の華麗さが伝わってくる。在庫の安定しなさとプレミアが付いていて入手難易度が高めなのが難点。
ここからは軍装系を扱う出版物を出している協会や出版社等の紹介です。ものすごくニッチな内容を扱っていたりもするので気になるものがあればのぞいてみてください。
(ヒストリカルフィギュアが盛んだとこういう書籍の需要も高まるのだなとしみじみ思う…)
・La Sabretache
https://lasabretache-eshop.fr/
1901年創設のフランスの大変歴史ある戦史研究会。上で紹介しているリュシアン・ルスロも会員だった。書籍以外にも1970年以降の会報『La Sabretach』のPDFダウンロード販売も行なっている。
より古いアーカイブはGallicaへ→https://gallica.bnf.fr/services/engine/search/sruoperation=searchRetrieve&version=1.2&collapsing=disabled&query=(arkPress%20all%20%22cb34449073t_date%22)
※『La Sabretach』に載っている情報は詳細かつマニアックなものまであって大変重宝するものの、いかんせん載せる時代や兵科はバラバラなので欲しい情報を見つけるまで大変難儀します…
・Editions épopées
https://epopees-histoire.fr/
テーマ別に戦史や軍事関連書籍を少数出版している出版社。上記La Sabretacheとの共同出版物もある。
・Éditions Antique Artefact
https://antique-artefact.fr/
コレクターやヒストリカルフィギュア愛好家向けに装備研究書籍や過去の出版物の再出版を行なっている出版社。装備はヘルメット系書籍が多い。
・LE CLUB FRANCAIS DE LA FIGURINE HISTORIQUE
http://s510684789.onlinehome.fr/cl/am_cffh/index.php
ヒストリカルフィギュア製作者向けに軍事系資料を提供している協会。非常に広範囲の年代、地域のものを扱っている。
※表紙が白系の書籍はコピ本系の手製本となっているため保存注意
なお、一部新規出版書籍に関してはどう見ても72dpiの画像をそのまま貼り付けただろというようなガビガビ図版が含まれたりするためその点もご注意ください…
19世紀のフランス軍軍装に興味があるよ!という方は参考にしてみてください。そしてみんな描こうフランス軍b(圧)