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    【歴史創作】『肖像』 補足

    タイトル投稿短編漫画の補足記事です (ぷらいべったーからの転載)作品URL
    https://poipiku.com/1196785/7883881.html

    1865年にサロンで発表されたアレクサンドル・カバネルによる『皇帝ナポレオン3世の肖像』に描かれている皇帝は、伝統的な将官軍服ではなくイブニングドレスを身につけており、玉座や帝冠・毛皮付きヴェールといった権威の象徴となる品は構図の奥に追いやられているという、権力者の肖像としては異例なものでした。この作品はサロンの批評家からはその卑近な印象から”給仕の肖像”と嘲笑的に見られましたが、皇族特にウジェニー皇后からは高く評価されました。
    帝政が崩壊し、亡命の身となったウジェニーはこの作品を亡命先の英国にも持ち込み、自身の書斎に飾っていました。

    本作は上記の逸話から着想を得て、亡命先での夫婦生活とその先の展望をイメージして創作したものです。元皇帝・皇后共に復位には意欲的で、お互い意見を交わしながらフランス帰還への道筋を模索していたようです。個人的にこの亡命後のわずかな時期が夫婦としては一番平穏な時期だったのではないか…と思います(主に旦那の女癖の悪さのせいで)苦境の中でより結束が強まったというか…
    また、ナポレオン3世自身は若年期の経験や即位の経緯もあり己は民衆の代表にいるという自負がみられるので、上記の肖像画のイメージを重ねて想像してみています。ウジェニーの方も皇帝から摂政に任じられ政務に関わっていたので、そういった面も表現できればと思いました(政治力に関しては議論があるところですが…)

    なお、制作にあたりかなり時系列等をいじっています。作中では亡命後再会から日が経たない様子で描いていますが、ウジェニーはナポレオン3世が捕虜となっている時点で極秘に面会していたりするので、英国亡命時にはすでにある程度それぞれの意図は汲めていたのではないかと思います。
    また、場所についても当初の亡命先のチズルハーストのカムデンプレイスをイメージにしていますが、実際の上述の逸話でウジェニーが肖像画を飾っていたのはファーンバラの居館とのことです。

    ◆参考文献
    鹿島 茂 『怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史』 講談社学術文庫 2010年
    窪田 般彌 『皇妃ウージェニー 第二帝政の栄光と没落』 白水社 1991年
    MUSEE D'ORSAY "Spectaculaire Second Empire" 2016
    web
    NAPOLEON.ORG THE HISTORY WEBSITE OF THE FONDATION NAPOLEON (2022/12/13閲覧)
    https://www.napoleon.org/en/history-of-the-two-empires/paintings/portrait-of-napoleon-iii/
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