〜最強でも怖いものはある〜 「どうしたの?」
真下にある雪のような真っ白な頭。任務から帰ってくるなり、ぎゅっと抱きついてきて無言を貫いている。
「また何か言われた?」
「(フルフル)」
おじいちゃん達じゃないらしい。
じゃあ、なんだろう?
そのとき、胸の間に埋めていた顔がゆっくりと顔を見せた。
「お前がいなくなる夢をみた」
どうなら車で仮眠をとっているときに私がいなくなる夢をみたらしい。なるほど、だからこうしてくっつき虫になっているのか。
「どこにも行かないよ」
「知ってる。てか、行かせるわけないじゃん」
もうこりごり。
その言葉に昔の青い春が蘇る。
目の前にいる彼といつも共にいた、親友と呼べる彼のことが。
「じゃあ、いなくならないように、いっぱい縛って」
「いいの?」
「うん。いいよ」
その言葉にやっと元気を取り戻した彼は、私のお腹をワシャワシャと撫でた。
「ねぇ、お前は男の子と女の子、どっちがいい?」
「……んー、そうだな。どっちでもいいかな」
あなたとの子ならーー
「じゃあ、今日はがんばってね!寝かさないから!」
「え"っ、そ、それはちょっと……」
おわり。