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    ヨワネ

    @b1ueeyesk1

    Xやpixivでじゅじゅつの二次創作(小説)を投稿しています。基本短いお話。こちらでは、過去作品含むXで投稿した作品をまとめて置いています。

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    ヨワネ

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    〜彼女を1人にできない理由〜                        「あぁ、なんて甘い香りなんだ……!!」

    目の前の男は、はぁ、と息を吐いた。この男も私の香りに魅了されてしまったらしく、さっきから目の焦点が合っていない。早く逃げなきゃと思っても両手は壁に縫い付けられて動けない。こんなことなら彼の言う事を聞いていればよかった……。
    ギリッと唇を噛む。

    (……ごめんね、悟君)

    危ないから外に出ちゃダメだって忠告してくれたのに……。それでも外の世界に憧れて。内緒で出たら案の定、捕まってしまった。


    「中はどうなっているのかな?」

    ヘヘッとゲスい笑みを浮かべた男は、手を服の中へ。ゆっくりと上に這っていくその手にゾワッと鳥肌がたった。

    (……っ、いや!!悟君!!)

    下着の中へと入ろうとした瞬間、ドオンッ!!!と爆発音が。激しい突風に、目を閉じていると身体を這う手が消えた。

    (……ぁ、)

    ふわりと漂うにおい。

    「……悟君」

    顔をあげると、そこにはやっぱり彼がいて。
    小さく息を吐いたあと、私の頬に手を添えた。

    「だから言ったでしょ〜。お前の香りは呪霊だけじゃなくて、呪詛師も惑わすから危ないって」

    安心したからか溢れてくる涙。それを拭いながら、うんと頷いた後、ごめんねと謝る。

    優しい声で「いいよ」と返ってきて。これでもう大丈夫だ、と安心しきっていると、私を横抱きにした彼は言った。

    「におい、結構溢れちゃってるから急ぐよ」
    「……え、」
    「なに?お前、気づいてないの?こんなに甘い香り撒き散らしてるのに」

    そんなことを言われてもサッパリわからない。
    まあ、いいやと呟いた彼は、とりあえず頑張ってねと軽い口調で言った。

    「お前のソレ、いつも以上にヤバいから多分3回じゃ鎮まんないと思うよ」
    「え……、」

    言っている意味がわかり絶句。
    気づいたら部屋に戻っていて。ベッドに縫いつけられた。



    「途中で意識飛ぶと思うけど、叩き起こすから」


    そう言って、悟君は首に顔を埋めた。

    おわり。


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