接待中の虚無坂さんとボーイ伴ちゃお偉いさんとの接待で仕方なくキャバに訪れた坂ノ上さん(記憶あり)とボーイとして働く伴ちゃん(記憶なし)
坂ノ上さんは伴ちゃんと再会するためにもちろん独身。日々仕事に生き、伴ちゃんのことを探してる。同じ時代に生まれ変わってる可能性を信じてるけどどこか諦めもある中、取引き先のお偉いさんに連れてかれたキャバで再会しちゃうんだ。
店内暗いし、伴ちゃん愛想も接客も終わってるので(敬語は使える)あまりフロアうろついてないから気づかないんだけど、別卓の騒がしいおじたちの会話がふと耳に入る。
『キミたちよりあの黒服のがいいケツしてるよね〜』指差してるのはもちろん伴ちゃん。ちょうど坂ノ上さんの卓からは見えないんだけど、黒服(つまりは男)・ケツのワードで反応しちゃうよね。
伴ちゃんは嬢への指示でフロアに出てきただけなんだけど、ウエストに合わせたらパツパツになっちゃいましたって感じの安い黒スーツにタイトなベストなんて着ちゃってるからいくら女好きなおじでもスケベ精神からつい目で追っちゃう。
キャストの女の子も『え〜でもお尻は小さい方が〜』って言いつつ伴ちゃんのお尻みながら内心(たしかに伴はデカイ)って思ってる。
伴ちゃん目つきも口も態度も悪いけど待機場所ではキャストから大人気。愚痴をめちゃくちゃ適当に聞いては変に共感せず『ふーん』『そっスね』しまいには『テンチョーにチクって出禁にしちまえば?』『アイツこの前隣駅のラブホに〇〇さんの客と入るの見た』とか楽しそうに言う(かわいい最低)
坂ノ上さん、そんなやらしい腰…伴もそうだったな…にしても気になるって真面目な顔して『少し失礼』と嬢といちゃつくお偉いさんを置いてトイレに行くついでに騒がしい卓の方へ目をやる。
ごく普通の体型の黒服たちを視界から消して、デカいケツだけを探す坂ノ上さん。先ほどの騒がしい卓へとズカズカ歩いていくお高そうなシャンパンとグラス数個を持った伴ちゃんの後ろ姿が目に入る。
『デカいな…』
つい、口から出てしまったが騒がしい店内では誰も気付かないし、坂ノ上さん自身も気付いてない。腰から尻にかけてピッタリとしたラインが伴ちゃんそっくりだなと思うが流石にこんな所で…って顔を見ようか見まいかすごく悩むんだけど、金払いのイイ卓の連れだと周知されてるので別の黒服に話しかけられちゃう。
『いかがされました?気になる子いました?』
『い、いや、う…手洗いへ』
そそくさとトイレへ向かい用を足し、扉の前でうーーーーんと考え込む坂ノ上さん。伴ではないだろうけど顔は気になる。もんもんとしてる間に扉が開いて人が入ってきてしまう。悩んでも仕方ないから卓に戻るついでに横目で、少しだけ、見てしまおう。
勢いよく出たのはいいものの、なにやら気になる黒服がいる卓で揉めている声が。シャンパン頂きました〜!とか伴ちゃんそんなん出来ない(しない)からもちろんグラスに注ぐだけの係なんだけどニコッともしないからさっきいいケツしてると褒めたおじが『もうちょっと愛想があればキミにもチップあげるんだけどな〜』って伴ちゃんのケツ揉んじゃった。
伴ちゃんの性格知ってる嬢や他の黒服は瞬時に真っ青。もち短気即お手々出ちゃう系男子健在のお怒り伴ちゃんはシャンパン入ったグラスをおじへぶっかける訳ですね。おじの膝を片足で踏みながら(羨ましい)
そこにトイレから出てきた坂ノ上さん。あのやらしい腰の持ち主のお顔、伴ちゃん。幻覚ではなくあの探し求めていた伴勇人。
そのあとなんやかんやあって、伴ちゃん謹慎中も店に行ったりして会えない日々が続くんだけどちょうど復帰日にまたお偉いさんとの接待であの店へ。記憶ない伴ちゃんをまさかのご指名坂ノ上。前代未聞だけど太客の連れなのでなんとかVIPルームに連れ込めたよ。接待?そんなことよりも
『(なんだこのおっさん…)』
『伴…勇人だな?俺はお前をずっと…』