ラブレターを燃やす話精霊が喜んでいるのをオズは感じていた。
目に見えているわけではないが、肌に纏わりつくように精霊が喜び踊っている。
中央の国の精霊らしく、中央の町の復興を手伝った魔法使いたちに喜んで力を貸し与え、もっと使役して欲しいと騒いでいるのだ。
「――――………ん」
瓦礫にしたことは幾千あれど、壊れたものを復元することなどかつての私にはなかったが、アーサーに魔法を教えるようになってからは幾度となく使用した。
箒の練習で部屋のあらゆる所に飛んで行き、窓が閉まっていることなどお構いなしに外に飛び出す。治癒を魔法を人に使うのもアーサーが初めてなようにも思える。
「―――すみません!!」
声に反応してオズはゆったりと目線を下げた。
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