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    oburuta14

    オブルタの絵の練習置き場

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    oburuta14

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    フィガロ視点
    ログストのパジャマパーティする日の朝妄想
    カイアサ前提のアーサー愛され

    #カイアサ

    パジャマパーティに至るまで オズと他愛のない話をしていた。別に今話す必要もなかったけど、そこにオズがいたし、それに自分の寿命がわかっていたからこそ心残りが少しでもないように、オズの城にある古い酒を飲み干してしまおうと酒の話をしていた。ミチルもルチルも魔法舎にいなくて暇だったってのが一番だけど。
     丁度魔法舎の入り口での立ち話でまだ昼前だったから、オズの機嫌さえよければこのままオズの城に酒を取りにいこうかな。今誘えば断ることはないだろう、なんて考えていた時だった。
    「オズ様!!」
     アーサーの元気いっぱいな声が響いて、それからどすっと後ろからオズに飛びつくように抱き着いた。
     俺もオズもアーサーが近づいてきていたことなんてわかっていたけど、それでもまさか後ろから抱き着いてくるなんて想定もしていなかった。オズはそれこそ無言でその衝撃に耐えていたけれど、もしこれがアーサーではなかったら飛び掛かった時点で消し炭になっていただろう。あぁ、でも魔法舎の若い魔法使いたちだったら大丈夫かな?そう思うとこいつも本当に情緒だとかがやっと芽生えてきたんだなと本当に思う。
    「えへへ、オズ様こんにちは」
    「アーサー、危ないからやめなさい」
    「す、すいません。つい嬉しくて」
     決して怒っているわけではないが、弱い魔法使いならばその声だけで震え上がりそうな低い声にアーサーもしょんぼりしたように頭の三角耳が伏せるような姿が見える。けれどそれは一瞬ですぐに耳はピンと立ち、尻尾が激しく揺れる。全部幻覚だけどアーサーの感情を視覚化したならきっとこんな感じだろう。
    「アーサー、こんにちは」
    「こんにちはフィガロ様」
     アーサーがオズに抱き着いたまま、顔だけをひょっこりと見せる。その顔は中央の国の王子と言うよりは、オズの城で過ごしたわんぱくな子供の顔だった。恐れを知らずオズだけでなくスノウ様とホワイト様さえも「あれして」「これして」と朝から晩まで遊びに付き合わせた時と同じようにキラキラとした顔をしている。
    「何がそんなにいい事があったのかフィガロ先生に教えてくれる?」
    「ふふふ、あのですね、今日の夜カインと寝る予定なんです」
     天気は良くも悪くもなかったけれど、ドゴンと激しい音が響いた後空が激しく光る。オズの驚いたような、何を言われたのか理解が追い付いていないような顔が面白くて思わず吹き出してしまう。
    「今雷が光ましたね!」
     何故雷が落ちたかも気づいていないアーサーが晴天の雷に興奮している。
    「ねぇ、アーサー、カインと二人きりで寝るの?」
    「はい。カインは温かくて触れ合っているととっても気持ちいいんですよ」
    「へぇ~そうなんだ」
     窓の外から見る景色は段々と薄暗くなり、天気もオズの機嫌も悪くなる。今日酒を取りに行こうと誘ったら断られる確率半分半分って所だな。まだオズを上手く丸め込める自信はある。 
    「カインと寝るのは初めてじゃないんだ」
    「はい」
     元気いっぱいの返事がくると思っていたのに、少しだけ照れを含んだはにかむような甘い返事。あれっ?深読みしていい方の寝るだった?と自分の認識の間違いに少しだけ苛立ちが積もりそうなる。可愛いアーサーの身の回りのことならそれなりに知っていたつもりでいたから尚更に。だが、己の感情も急に降り始めた激しい雨が意識を切り替えた。
     今はどうして苛立っているかもわからないオズの機嫌を戻す方が先だ。
    「ねぇ、アーサーそのお泊りはカインと二人きりじゃないとダメ?」
    「え?どういうことでしょうか?」
    「オズもねアーサーやカインたちと一緒に寝たいそうだよ」
    「わぁ!嬉しいです!!オズ様も是非今宵私の部屋にお越しください」
    「………………」
     長い長い沈黙が挟まったが、いまだ後ろから抱き着いている幼子がキラキラと鬱陶しいほど純粋な瞳で見上げてくるのだ、アーサーに甘すぎるオズが断れるわけもなく「わかった」と深く重くその一言を吐き出した。
    「ならばリケも誘って中央の国のパジャマパーティをしましょう!!オズ様、フィガロ様素敵な提案をありがとうございます」
    「どういたしまして」
    「オズ様、フィガロ様、私は今からリケにも声をかけて参りますね」
    「気を付けて。後ろから飛びついちゃダメだよ」
     犬のように耳を立て尻尾を振っていたかと思ったら、ウサギのようにぴょんぴょんと跳ねて飛んで行っていた。いくつになってもアーサーは本当にわんぱくだ。
    「オズ、ありがとうは?」
    「何故?」
    「雷まで落としておいてわからない?」
    「………感謝する」
    「お礼は今度オズの城にあるお酒でいいよ」
     片手を振りオズと別れる。
     今日オズの城に上等な酒取りに行くことはなくなったから、夜は酒を飲まず南の魔法使いでパジャマパーティをするのもいいかもしれない。
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    oburuta14

    DONE純粋で、純真無垢な王子様の話
    純真無垢な王子様 私とカインは両想いだ。
     お互いに「好き」と気持ちを伝えあって、手を繋いで、それだけで私は満足だった。
     けれど、満足していたのは私だけだったようだ。
     そう思ったのは、城から魔法舎へと戻る夜空からカインが私以外の誰かと腕を組んでどこかの建物の扉へと消えたのを見てしまったときだ。
     魔法使いか否かは魔力でわかる。空から見下ろした城下街、親しみ慣れたカインの気配を感じ飛ぶ高度を降ろせばカインが知らない人物と街を歩いていた。金の髪が美しい人だ。カインが私の知らない人と歩き、私の知らない建物へと消えた。頭がその事実を認識した途端に箒から落ちてしまいそうなほどに心臓が痛み、涙が零れていた。
     カインが私以外の誰かと一緒にいることがこんなにも胸が痛む。私の好きとカインの好きは違ったのかもしれない。本当に好きだったのは私だけなのかもしれない。そもそも、好きだと伝えあっただけで私たちの関係はそれ以上でもそれ以下でもなく、今までと変わらない、中央の国の王子と中央の国の騎士、同じ賢者の魔法使いで、それだけだ。私とカインの関係が変わらないからこそ今こうしてカインは私以外の人と一緒の夜を過ごすのだ。カインは優しいから私を傷つけまいと私の言葉にあわせてくれただけなのかもしれない。私は中央の国の王子で、カインが中央の国の騎士だから。
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