〇〇不足キスの雨が降っている。草原に寝転んでうとうとしていると、急に降り出したのだ。もう、うんざりする程には受けとめているのだが、それでも振りやむことはないらしい。
「なあ…そろそろクールタイムといかないか?シャドウ。」
足をぶらぶらと動かして、アピールする。何度も声をかけていたのだが、ようやく動きが止まった。やれやれ、と起き上がる。
「What's up 珍しいな、こんなところで会うなんて。」
キスのお礼に、膝枕をして頭を撫でてやる。何も言わずに、こちらを静かに見つめる姿に思わず眉をひそめた。
「……お前、体調悪いのか?」
見た目では判別出来ないが、具合が悪いのだろうか。それとも、変なものでも食べたのだろうか。…まさか、子どもじゃあるまいし。
「…そうかもしれないな。」
ぽつり、とシャドウがこぼす。そのまま起き上がって、俺を押し倒した。
「Wait おまっ!? さすがに、真っ昼間からはちょっと!」
押し返そうとするが、ビクともしない。ええい、もう知るか!と目をつぶると──
シャドウは胸にぽすんと顔を押し付けて、動かなくなった。
「は?」
何が起きた?
すぅーっと息を吸う音がする。胸に息を吸い込む感触が伝わってくる。
目の前の光景を受けとめられずに、シャドウに聞く。
「…お前、何を…やってるんだ…?」
「君が足りなかったから、吸っている。」
……何言ってんだこいつ。
思いっきり頭を叩いた。