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    大魔王くん

    雑食/成人済/平和主義者/夢書き
    詳しくはついぷろご確認下さい↓
    (https://twpf.jp/newanimal_xxxy)
    主にコナン夢/じゅじゅ夢の短編から長編など
    書いておりpixivでも投稿しています↓
    (https://www.pixiv.net/member.php?id=6846726)
    作品のご感想やご質問などはマシュマロにて
    お待ちしております↓
    (https://marshmallow-qa.com/newanimal_xxxy?utm_medium=url_text&utm_source=promotion)
    ※誹謗中傷はご遠慮願います。
    ※二次創作となりますので注意事項確認下さい。
    ※何でも許せる方のみ作品へお進み下さい。

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    大魔王くん

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    大人五×同期夢主
    雰囲気は落ち着いたお話です。
    五と同じ志を持って仕事に励んでいた夢主。応援してくれていた筈の五が突然辛辣に?

    ●注意事項
    ※ボツ作品供養中
    ※いきなり喧嘩?してます?
    ※夢の仕事設定捏造有
    ※何でも許せる方のみどうぞ

    #じゅじゅプラス
    longevityBonus

    次の方どうぞ高専に新たな役職が出来た。むしろ今まで本格的に対策がなかったと思うと闇の深い世界であると施術を受けた者たちは苦笑いする。
    「○○さんありがとうございました。」
    『また何かあれば話して下さいね。』
    カウンセリング室と書かれた部屋から出てきた呪術師の男は心なしか鼻の下を伸ばしているようにも見えた。廊下をスキップする勢いで歩き出すと向かいからやって来た五条悟に気付くとすぐに体を縮こませて端っこを歩いてぺこぺこと頭を下げて逃げるようにその場から居なくなった。
    「おっつ〜」男と入れ替わるように五条はカウンセリング室の扉を開けると高専内でカウンセラーを務めている○○が顔を上げた。
    『おサボりなら帰ってね。』
    「お忙しいようで何よりだよ。」
    利用者が座る椅子に五条がドカリと音を立てて姿勢悪く腰掛けた。五条と○○は同じ高専の出で同期だ。五条のテンションにも慣れた様子でカルテを確認している。五条はチラッと目隠しを捲り上げてニヤリと笑いながら
    「やるじゃん、先生。大人気で予約いっぱいなんでしょ?」
    『まぁね。それだけみんな溜め込んでるって事だから喜ばしい事ではないよね。開業してもやっぱりまだみんな呪術師として精神的な悩みは恥ずかしいとかそもそも呪術師が向いてないとか思ってしまう人が多いし考えは十人十色で日々学ぶ事ばかりよ。』
    「みんな真面目だね〜」
    『昔だったら"弱い"で片付けてたでしょ?』
    「今でもそう思いたくなるような呪術師はいるよ?でも生徒を育てていく身としては簡単に"はいダメ〜"で見捨てる訳にいかないからね。」
    『なんか感動しちゃう。』
    「もっと褒めて良いよ。」
    『ん〜まずは伊地知くんのストレスの原因を改善出来たらもっと褒めるかな。』
    「伊地知〜?いやいや、むしろ伊地知のメンタル強化してんのは僕だから。」
    『この世界でメンタル強化はもちろんだけど壊すのも五条だったら意味ないでしょうが』
    「へいへい。じゃあ伊地知のケアしてあげてよ。」
    『も〜そっちが仕事増やしてるんじゃない。』
    ○○がカウンセラーを目指すようになったきっかけは夏油傑だった。無力だった自分に出来る事はあの時本当に何もなかったのかと必死に悩んだ末の答えだった。当時はまだ口調も荒かった五条からは呪術師でも補助監督でもない○○の将来の選択を小馬鹿にされていた。そもそも精神面をケア出来たとしてあのまま夏油を救えた保証などどこにもなかった。しかし○○は本気だった。
    「硝子がすげー褒めてたよ。」
    『硝子の方がむしろ大変だよ絶対。術式を使うわけだし』
    「硝子曰くメンタルの改善は明確な期間を決められないから凄くシビアだって。その分怪我ってもんは助かるか助からないかの二択から始まり、助かるなら安静と治療の期間を決められるってね。実際カウンセリングの結果も出て任務への取り組み方が変わって怪我が減ってる傾向だって喜んでたよ。」
    『・・・硝子に褒められると嬉しい。』
    「ん?あれ?ぼくは?」
    硝子の言うようにメンタルの改善は"確実"と言うものがない。ある程度の呪術師は覚悟を持った者、頭のネジが外れた者、とにかく変わり者が多い呪術師ばかりだ。それでもやはり死と激務の板挟みの呪術師の世界では精神的な負荷が大き過ぎるのだ。メンタルの維持は必須条件。これまで腹にモヤモヤ抱え込んだ状態の呪術師たちが溢れ返っていたがキリがない、そもそもそんな奴は向いていないと切り捨てられて改善やケアが重視される事はなかった。そんな中での夏油傑の件で○○は決心したのだ。メンタル強化はあってもメンタルケアの機関はなかったのだ。ならば自分がそれをしようと決めた。
    夏油の犯した罪は決して許される事ではないがあれだけ強く呪術師として才能ある青年が呪詛師になってしまったのは事実だ。自分なら大丈夫と言う保証はないのだ。硝子が素直に褒めるように五条もここまでの○○の努力と結果を出した事で認めるようになっていた。
    『◇◇さんは明後日に再確認だね。』
    ○○はカルテをファイルにまとめると立ち上がり五条に背を向け沢山のファイルが整理された棚に向かった。五条は足を組み顎に手を当てながら○○の背中を見つめた。
    「カウンセリングに関しては呪術師たちの改善も見られるがそれ以外の目的を持った馬鹿共もいるのでは?任務に必要な時間を割き無駄な時間をカウンセリング室で過ごしている可能性がある。若い女性と言う点で男性呪術師の利用が多い。君が色目を使う事など言語道断。」
    一呼吸もおかずに淡々と話し出した五条に○○は驚き振り返った。
    『え?』と困惑する○○に五条はクスッと笑い立ち上がり隣に立つとファイルを奪い少し高い位置の棚に仕舞った。そして○○を見下ろしてニッと笑い
    「って言われたんでしょ?腐った連中に」
    『・・・そうよ。五条の耳に入ったって事は五条も私の代わりに文句言われたの?』
    「気にしない気にしない。大体さ自分たちは普段なーんにもしないで生徒だろうとなんだろうとむやみやたらに働かせるくせに何様だって〜の。」
    『ま、まぁね。』
    「あと普通にセクハラでしょ?一対一のカウンセリングに何を想像してんだよって感じじゃない?キモくない?オェー。つー事で僕この後からオフだから飯誘いに来た訳よ。」
    今の仕事は良い話ばかりではない。むしろ無力な○○の新たな開業など嫌な目で見られる事の方が多いのだ。心を痛めた利用者や身近な人たちは悪い顔は当然しないが恐らく周りでは霰もない噂も立てられているだろうと○○は覚悟していた。そんな中での五条の何気ない優しさに○○は嬉しく思った。本人にはまだ言えないが五条が高専の教師をしている事も夏油が関係しているだろうと理解していた為どこか同じ志しを持った者だと勝手に思い込んでいた。もちろん硝子もだ。
    『分かった。ちょっと待ってね。』
    ニコリと微笑み返すとデスクの上を整理し始めた。五条は扉に背中を預け○○を待った。
    「○○せんせーい」
    『なに?五条先生?』
    ○○は手元の作業に目を向けながら返事をした。
    「実は僕最近元気がないんだよね。」
    『ぇ?』○○は顔を上げて首を傾げた。
    「あ、今失礼な反応したよね?僕に限って悩みとかなさそうとか思ったよねー?」
    『まだ何も言ってないしょ。』と言いながら立ち上がり白衣を脱いだ。椅子の背もたれに白衣を掛けると鞄を手に取り五条へ近付いた。『お待たせ。それで?話の続きは?』「いや、なんかね〜」五条は扉を開けて歩き出すと○○も続いた。
    「なんかモチベーション上がんないわけよ。」
    『モチベーション...体調は?』
    「ちょっと悪いかも」
    『それ硝子に話した?』
    ○○は立ち止まり五条を見上げた。同期としての心配はもちろんだが五条に何かあれば世界の平和が危ういのだ。
    「いや、言えてない。その、あの、」
    揶揄ったり馬鹿にして来たりただの暇つぶしにして来たりと五条を気にかけてバカを見る事は学生時代からある為信用ならないが今目の前の五条は頭を掻きながら歯切れが悪い変事を繰り返していた。さすがに本当に何かあるのではといつもは受け流す事に慣れていた○○も流石に心配になり話を聞いた。何より夏油がいなくなった時の事が頭をよぎり不安になって仕方がないのだ。
    「実はさ...」
    五条は決心したのかそっと腰を屈め○○の耳元まで顔を近づけて来た。周りに聞かれたくないのだろうと○○も自ら耳を近づけた。
    「溜まってんだよね。」
    耳元から顔を離し目隠しはしたままだがどこか照れ臭そうに○○を見下ろす五条。○○はキョトンとして
    『何が?』
    「ナニが」
    『なにが?』
    「性欲だよ。」
    『性欲』
    「そう。」
    『・・・・はぁ。』
    ○○はやられた...と額を押さえて呆れたようなため息をついて歩き出した。「あれ?」
    と置いて行かれた五条はヘラヘラ笑いながら○○の後を追った。
    「せんせーまさかの無視?一世一代の五条家の恥晒し覚悟の僕の悩みを無視?」
    『中学生みたいな揶揄い辞めなさい。心配したこっちが恥晒しよ。』
    スタスタ歩く○○を見つめながら五条は立ち止まった。
    「悩みの種なんて何でもいいんでしょ?」
    ○○はついてこなくなった五条に気付き振り返った。
    「年齢制限だってないし高専にいる学生たちも利用出来るしね。」
    『何言ってるの?』
    「思春期真っ盛りのガキだろうと疲労で欲が溜まった中年だってお前のケアの対象でしょ?こうやって冗談なのか本気なのか分からない相談にもこら〜って叱るわけ?そう言うの馬鹿な男は嬉しがるだけだよ?揶揄われてるって分かってても話聞いてクソ真面目に仕事したって...腐った連中の言葉を借りると"無駄の時間"でしょ?」
    今の今まで上の連中への悪口を言っていた男が突然掌を返したように責めて来たその事実に○○は驚き言葉を失った。しかしすぐに真剣な表情で
    『結局それを言いに来たの?上の人たちから、代わりにお前から私へ注意をしろって言われたって事?』
    「別に、ただ今僕がお前と話して感じた事を話したまでだよ。」
    ○○は少しだけ眉間に皺が寄った。
    『どんな場合でもそれが揶揄いや暇つぶしの一つだとしても話してみないと分からない。』
    「話した結果がさっき僕が来る前に鼻の下伸ばして帰って行った男を増産するの?中学生が保健室でたむろするような空気出してると本当に上に切られるよ?お前は女だからって気にしない負けないなんて思ってるかもしれないけど実際悪人じゃなくても人間なんて相手の優しさにつけ込む奴ばかりだよ。そうやって本当に助けたい奴に目が行かなくなって罪悪感増して病むのはお前だからね。」
    日も暮れた廊下は薄暗く五条の強烈な言葉にシーンと静まり返っていた。しかし○○はここで傷付いたり喧嘩を買うような性格ではもうなかった。五条は「病むのはお前」と言ったが○○はそう簡単に心が折れない自信があった。人の闇と向き合う為の特別な勉強や訓練をしているからだ。すーっと大きく深呼吸をすると
    『忠告ありがとう。五条が言う事は間違えてないわ。私が注意したり叱る事が嬉しいなんて思う人もいるかもしれないし悩みなんかない人だっているかもしれないわ。そこは私も見極めないとって思う。それでもやっぱり誰も取りこぼしたくないの。』
    「さっき確かに僕は簡単に生徒たちを切り捨てないとは言ったけどそれもやっぱり全ての人間に対しては出来ない。言い方は悪いけど切り捨てていく覚悟も必要だよ。」
    『・・・』次の言葉を考えていると○○の仕事用のスマホが鳴りカウンセリング希望の者からだった。○○は二つ返事で通話を切ると元来た道を歩き出し立ち止まっていた五条をすり抜け振り返った。
    『カウンセリングに戻るね。睡眠障害で困ってる子なの。ご飯誘ってくれたのにごめんなさい。五条の言葉はちゃんと受け止めてるから、、お疲れ様。』
    「・・・・・」
    五条は特に返事をせずにそのままスタスタと歩いていく○○を見つめていた。

    __________________

    「最低だな。」
    「最低ですね。」
    「さ、あ...いや、その」
    「伊地知、自分を誤魔化すな。」
    「そうですよ。伊地知くんはもっと素直になりましょう。」
    「さっ...最低だと思っちゃいました...。」
    「伊地知は硝子と七海に誘導されたからビンタ」
    「え!?そんな、私だけ!?」

    遡る事数分前〜

    「おぃーす」
    「あ?」
    右手をヒラヒラさせながら居酒屋に現れた五条に硝子は焼酎の入ったグラスをテーブルに置き何事かと見つめた。ここは硝子行きつけの居酒屋で今日は硝子、七海、伊地知の三人で飲んでいた。本日の飲み会メンバーに予定のなかった五条は三人の中に加わると店員に向かってジュースを注文した。三人は先程までの賑わいは無く黙り込み五条を見つめていた。
    「なんだよ?お前らとご飯食べるのなんて珍しくもなんともないじゃん。」
    「それはそうだが昼間誘った時に予定があると言ったのはそっちだろ?」
    「はいはいそうですよ〜。」
    五条は口を尖らせながら硝子の目の前に置かれた枝豆を手に取った。
    「予定は無くなったと言う事ですか?」
    五条は枝豆の皮をポイっと空皿に投げると
    「ん〜。そう言うこと。○○とご飯行きたかったけど行けなくなっただけ。」
    三人は顔を見合わせた。疑問は三人同じだと目線で理解した硝子が代表して
    「○○と二人で行く予定だったのか?」
    「うん。労わってやろうと思ってね。」
    五条にしては珍しいがそれでも"二人きり"に深い意味は無さそうだと分かり
    「○○さん、最近お忙しいようで今日は急患か何かでしたか?」と七海が問いかけた。
    「そう言うことー」
    七海の問いかけにより完全に深い意味など追求する必要もないと三人が元のテンションに戻ろうとすると
    「ご飯行けなくなったのはそれが理由なんだけどでもその前になんか変な空気にはなったかも。」
    「「「え?」」」
    三人の困惑など置きざりに五条は
    「別に僕は怒ってないんだけどね。でももしかしたらあれって世に言う口論かもしれない。」
    「こ、口論?五条さんと○○さんが?」
    血相を変えた伊地知をスルーし五条は店員からジュースの入ったグラスを受け取った。
    「じゃ、改めてかんぱーい」
    とグラスを掲げようとしたが
    「どうせ五条が失言したんだろ?」
    「はぁ?失礼だなぁ。」
    「昔進路を決める時も五条だけ○○に厳しい言葉をかけていたろ?」
    「いつの話してんだよ?今褒めてるから飯誘ったんですけど〜」
    ブーブー言いながら五条は乾杯を諦めてジュースを飲んだ。
    「ならどんな会話したんだ?」
    一口ジュースを飲むと仕方ないなぁと五条は○○との出来事を包み隠さず話した。その結果が冒頭の会話だ。一同からは"最低"の嵐だった。

    「まず五条さんの言いたい事があまりにも酷い言葉に変換され過ぎてます。上層部のセクハラ発言を指摘する前にご自身の発言の方がよほどセクハラかと」
    七海のど正論に伊地知も小さく頷いた。
    「それくらい受け流せないとカウンセラーとして強くなれないよ?あいつがケア担当なら僕は強化担当だからさ。」
    ふざけてわざと真面目なふりした顔と声の五条に七海は冷たい目をして
    「まるでセクハラ常習犯のような発言ですね。ただし唯一褒める所を探すとすれば包み隠さず先程の状況を今ここで話してくれたんだなと言う点だけです...がご自身に悪気がない故にお話をされたようですのでやはり褒める部分は見つかりませんね。」
    「あははは辛辣〜〜。」
    呆れる後輩に五条はゲラゲラ笑うだけ。

    「まぁセクハラ発言は論外として結局何が言いたかったんだ?浮かれてちゃダメって事か?忠告?厳しくするのも大事だとかか?」
    硝子に問われると七海も伊地知も五条の返答を待った。五条の失言や口の悪さなどいつもの事なので正直さほど驚く事ではないが話の内容から五条なりに○○に何か大切な事を伝えたかったのではと思っていた。
    「ん〜〜何か自分でも分かんないや。」
    軽い五条の答えに七海と伊地知は溜息をついた。やはりいつもの失言とデリカシーのない五条だったと諦めた。しかし七海はすぐに真剣な表情に戻り
    「○○さんは大丈夫なんですか?五条さんと同期で慣れているとは言え今は仕事を真剣に取り組まれてますし嫌な思いをされたのは確かでしょう?」
    しかし硝子だけはグラスを手に誇らしそうな表情で
    「あの子は今の立ち位置に着くまでにメンタルの強さ、冷静な判断力、上級クラスの呪術師でも及ばないくらいに訓練して来た。五条の言葉なんか屁でもないだろうよ。」
    硝子の言葉を聞き五条は目隠しの下で何とも言えない目をしていた。
    「むしろ怒ったり凹むどころか余裕な大人の態度を取られてショックを受けたのは君じゃないか五条?」
    焼酎をグビっと飲み干しニヤリと笑う硝子に五条は少しだけ口元を歪めた。
    「そう言う所かもね。硝子も含めてさすが僕の同期だよ。」
    「○○さんにそのメンタル維持の方法を是非ご教授願いたいものですね。」
    「お話を聞くのもとてもお上手で呪術師の皆さんの雰囲気も最近かなり良くなったと話題です。」
    「なら次は○○を労う会の開催だな。」
    どこか納得のいっていない表情の五条をよそに三人はいつも通りの飲み会の空気に戻っていた。

    「なーんか面白くないんだよね。」
    そんな五条の呟きは居酒屋の賑やかな雰囲気に掻き消されていた。

    _________________

    カウンセリング室が開業した日の事〜

    初日は相談者ではなく○○の見知った人たちが訪れた。硝子はお祝いのお酒とお揃いの白衣をプレゼントしてくれた。照れ臭く思いながらも白衣に袖を通すと自然と気が引き締まった。心なしか同じ白衣を羽織った○○を見て硝子も嬉しそうだった。続けて七海は品の良い万年筆と手帳。伊地知はデスク周りに便利なグッズ。夜蛾や歌姫は花の贈り物。冥冥からは高級なチェアが届いた。○○は感謝の気持ちと同時にみんなの期待に応えたいと言う強い正義感で溢れていた。

    夕方になると来客も減りようやく一人になった○○は冥冥から届いたチェアに腰掛け作業をしていた。相談者が気にせず来院しやすいようにネット予約のサイトを立ち上げていた。数日前からサイトの案内は高専内で行っていたがいまだ予約は入っていなかった。もちろん電話や直接声を掛けたり飛び込みでも構わないが立ち上げたばかりのカウンセリング室に助けを求めに来るような雰囲気も評判もまだなかった。

    コンコンッとノックの音がすると小さく扉が開いた。わずかに開いた扉の隙間から
    「あ、あのーお悩み相談よろしいですか?」
    覗き込んで来たのは五条で○○はクスクス笑って『どうぞ。』と中へ入るように促した。
    ガラガラと扉を開けると五条が入って来た。
    「まじで?飛び込みでも相談良いの?もしかして僕記念すべき第一号?相談料はこれで足りるかな〜?」
    一々演技っぽく喋る五条の手には彼お気に入りのスイーツ店の紙袋が。
    『飛び込み大歓迎よ。むしろ相談料は貰い過ぎてるかも。』と○○は笑うと席を立ち紅茶の準備をした。五条はテーブルに紙袋を置き中から数種類のケーキを取り出した。お店から入れてもらったフォークを並べながら
    「早く来たかったんだけど生徒たちの付き添いの後に自分の任務も入っててさ。もうみんな来た感じ?白衣も似合ってんじゃん。」
    『ううん、むしろ忙しいのにありがとう。今朝から沢山の人たちが来てくれたよ。白衣は最初は恥ずかしかったけど気が引き締まって悪くないかも。』
    「形から入るのも大事だからね。」
    甘々のミルクティーを作り五条の前に置くとノンシュガーの紅茶を手に○○もソファへ腰掛けた。
    「部屋の雰囲気も落ち着いてて良いね。」
    五条が座るソファをはじめ休息可能なベッド、給湯スペースも完備されていた。
    『素敵なお部屋にしてもらったからしっかり頑張らなきゃね。』
    「予約はどうよ?」
    『まだ入ってない。』
    「まぁいきなり開業して予約溢れかえってたらそれはそれで闇深いよね。」
    『た、確かに』
    五条の言葉に気が抜けて笑ってしまった。
    「とりあえずケーキ食べようぜー」
    『全部美味しそう。』
    「僕のおすすめこれ!食べなよ。」
    『ありがとう。なら頂きます。』

    カウンセリングについてではなく終始五条の愚痴や生徒たちの可笑しな話ばかりで時間は過ぎていった。別の誰かがいれば今日は初日だ、○○の邪魔をするなと五条を叱るかもしれないが○○はどこか救われていた。沢山の人たちの優しさを受けて早く結果を出さなければと気を張っていた。目の前の五条はヘラヘラしていても呪術界最強の男であり更には自分よりも先に己の果たすべき事を理解し実現に向け動き出していた。今ふざけて柔らかい空気にしているのが天然なのかわざとなのかは分からないがそれでも自分の肩の荷を下ろした事に変わり無く○○は心の中で五条に感謝と尊敬の意を示した。そして心のケアについて勉強熱心な彼女は五条のような強引でも相手によってはリラックスさせる方法もあるのだとこっそり勉強になったと関心した。もちろん本人には言わない、彼は面倒なほどいじり倒して来る時があるからと二杯目の甘いミルクティーでこっそりお返しした。

    それから数日経った頃。五条は時間を見つけては○○の部屋にやって来ていた。初日の感謝と尊敬の気持ちはあっという間にどこかへ吹き飛ぶほど五条はカウンセリングルームでぐうたらしていた。
    「それでさ〜伊地知がさ〜」
    ソファに寝転び棒付きのキャンディーを舐める五条に
    『誰も来てないから良いんだけど...一応言っておくけどここ休憩スペースじゃないからね。』
    「えー分かってるよ。でも僕の愚痴とか聞いてくれてるからこれもカウンセリングの一つに入んない?」
    『ん、ん〜?と言うか何にもしてないと思ってるかもしれないけどメールからの相談は来てたりするのよ。昨日は電話もあったの。』
    「ほほ〜」
    絶対に信じてないなとデスクから五条を睨んでいると
    「あ、あの、」
    遠慮気味に開いた扉。○○はすぐに立ち上がり駆け寄った。
    『昨日硝子の所に来てた』
    「そうです。」
    中途半端に開いた扉を挟んで会話をする様子に五条は相変わらずぐうたらしながら眺めていた。カウンセリング室を訪れたのは昨日怪我をし硝子の元へ訪れた呪術師の青年だった。処置をしながら青年の愚痴にも近い話を聞きながら硝子はたまたまそこに居合わせた○○を紹介した。
    『本当に来てくれたんだね。どうぞ。』
    「良かったんでしょうか?自分の大した事ない悩みをわざわざ聞いていただくなんてっ!?」
    申し訳なさそうに部屋に入って来た青年はソファで寝転がる五条を見て顔を引き攣らせた。それに気付いた○○は
    『次の任務あるでしょ?いい加減起きないと』
    五条自身も自覚はあるだろうが"五条悟"の存在に萎縮したり怖がる呪術師や補助監督は少なく無い。五条に慣れてしまっている○○も申し訳ないと思いつつやはりこの場所を必要としている者たちは"五条悟"は確実に地雷に近い存在だと分かっていた。「へいへい」と欠伸をしながら起き上がる五条に青年は相変わらずビクビクした様子で「あ、あのやっぱり僕の話なんて」と申し訳なさそうに俯いてしまった。五条を立ち上がらせ背中をグイグイ押していた○○はすぐに青年に向き直り優しく微笑んだ。

    『不安や悩みに大きいも小さいもありませんよ。もちろん悩みの内容もです。人それぞれ受け止め方はちがいますから。それに小さな事だと放っておくと大きな事故に繋がってしまっては手遅れになってしまいますよ。些細な事でも構いませんからお話しませんか?』

    ○○の言葉に青年は少しだけ表情が明るくなりよろしくお願いしますと頭を下げた。○○はホッとしたように笑うと飲み物を用意するから席へどうぞと案内した。青年が座ると少し開いたままの扉の前で頭を壁にくっ付けて目隠し越しでも分かるほどジーッと見つめて来る五条の元へ向かった。『これで私が暇じゃ無いって証明出来たでしょ?』と小声でVサインした。しかし五条は何故だか不満そうな顔で「悩みに小さいも大きいもましてや内容も問わないなら僕の愚痴も対象じゃないわけ?」
    そこ?と○○はキョトンとしたがすぐに柔らかい表情で
    『ありがとう五条。五条が相談者第一号だったから怖いものなんてなくなってたよ。』
    「・・・上手いこと言っちゃって。さすが先生だよ。」と五条は背を向けて部屋を出ていくと後ろ手を振りながら任務へ向かった。

    それから一日に一人二人とカウンセリングを希望する者は増えていった。五条の憩いの場はなくなってしまった。硝子に愚痴ると邪魔してどうすると呆れられた。
    「だってあの部屋居心地良いんだよ。」
    「それは部屋だけじゃ無くて○○が作ってる空気もあるだろ?」
    「え?カウンセラーってそんな技術まで身に付けんの?あれがあいつの領域展開なの?怖っ!」
    「なんにしても忙しくなってるみたいだからよほどの事がないなら過度に行ってやるな」
    「なんで?」
    「君は五条悟だろ?不本意だろうが色々萎縮する患者もいる。」
    「はぁ〜失礼しちゃうよ。僕だってピュアハートなんだけど?」
    「はいはい。ここも五条の暇つぶしのスペースじゃないからいったいった。」
    面白くなさそうな顔をした五条は硝子と別れると無意識にカウンセリング室へ歩き出していた。扉の前に立ち手を伸ばしたところで硝子に忠告された事を思い出し手を引こうとすると

    『お待たせしてすみません。次の方どうぞ。』
    扉が開き眩しいほどの○○の笑顔が五条の視界に飛び込んで来た。

    『あ、五条だった。』
    「・・・」
    『五条?』
    五条がハッとして返事をしようとすると
    「あ、あの、」
    五条ではなく本来これから予約していた女性の補助監督が現れた。○○はすぐに女性に微笑み返してどうぞと中へ案内した。
    「あ、じゃあ僕これから授業だから行くね。」と五条は手を振り去って行った。○○は女性を案内しながら慌てて返事をしようとしたが五条の姿はもうなかった。
    『いつもの暇つぶしだったのかな?』

    教室へ歩き出した五条は一人、顎に手を当てて「んん〜なんか、、なんだろう。」とずっと首を傾げていた。
    ____________________

    「あー何か怠いなぁ。どうしちゃったんだろ?」
    硝子たちとの飲み会から数日経った頃、いつからか分からないが五条は妙な違和感を抱えたまま毎日を過ごしていた。特別体調が悪い訳でもなく不眠症になる体質でもない。それでも何故だかモヤモヤしていた。
    「あ」目の前にはカウンセリング室だ。人がいる気配はなく扉を開けた。迷う事なく休息用に設置されたベッドへ向かった。カーテンを開けてまた閉めると吸い込まれるように靴を脱いでベッドに寝転んだ。五条の背丈に合ってはいないが掛け布団は無視して長い足を投げ出して目を閉じた。少し横になるだけだ。そう言い聞かせていたのにほんの一瞬だけ目を閉じている隙に○○と相談者がカウンセリング室に入って来た。

    「先生、彼氏とちゃんと話し合いました。」
    『納得いくお話は出来ましたか?』
    「私なりに気持ちは伝えました。私の仕事は一般の人たちとは違うから全てわかって欲しいとは言わないけどこれからもあなたと一緒にいたいから出来る限り呪術師の事を知って欲しいって。どこまで伝わったか分かんないですけど気持ちはスッキリです。」
    『我慢が一番良くないですからね。』

    (ここは恋愛相談室かよ...)
    恋人、結婚、妊娠、それと呪術師の仕事を天秤にかけるなんて五条には到底理解し難い悩みだった。こんなもので世の人間は病むのか、それで負の感情が起き呪霊が生まれるならなおのこと勘弁願いたいと思うくらいだ。よりにもよってこんなタイミングでベッドで寝てしまうなんて最悪だったと五条は少しだけイライラした。自分が前回○○に伝えたかったのはそう言う点だったのかもしれない。愚痴や恋愛ごっこならSNSの匿名アカウントで呟いていれば良いと○○には悪いが失礼な事を思っていた。その一方で自分はここまで他人に突っかかるような感情を持ち合わせていただろうか?とやはり妙な違和感にも襲われていた。

    ○○と相談者の女の軽い談笑が終わると

    『薬の調整は出来てますか?』
    「はい。最近は睡眠を意識し過ぎないように趣味や好きな事を考えるようにしてます。」
    『いい事だと思います。眠気は人間起きていれば呼吸と同じようにやって来ますから自然に身を任せておけば良いんですよ。』
    「今まで興味無かったんですけどちょっとアニメにハマっちゃいました。」
    『ふふ、なら今度お薦めを教えて下さいね。無理にではなく眠くなった時に寝て下さい。』

    先程の談笑の空気とはまた違う声色だ。まるで心地の良い音色のような○○の声と落ち着いた話し方に安心感が訪れた。相談者に話しているのにまるで自分に話しかけられているようで五条の意識は遠のいていった。
    (起きなきゃいけないけど今出て行けないしな....僕、ショートスリーパーなのになんか...すげーねむ..ぃ)

    「っ、」ハッとして目を開けた。この僕が外の気配も気にせず眠るなんてと五条は少し驚いた。カーテンの向こうではまた別の相談者がいるようだった。困ったなと五条は目隠し下げ外し頭を掻きながら上体を起こした。

    『ごめんなさい。さっきの相談者の子が手帳忘れてるみたいでまだ近くにいると思うので少し待ってて頂いても?』
    「大丈夫ですよ!今日無理矢理来ちゃったの俺なんで!」
    気丈に振る舞う男の声。○○はすぐ戻ると断りを入れ部屋を出て行った。この様子だとこのまま窓から出て行くしかないかもしれないと五条が思い始めたその時だった。

    「薬の影響で眠気が凄くてってベッドに案内してもらおうかな。それか目眩が酷いからって先にベッドの中に入ってたら○○さんこっちまで来てくれるかな。」ヘラヘラ笑いながら男がカーテンを開けた。男は目の前に人がいる事、そしてそれが五条悟だと気づくと腰を抜かした。
    「ひっ!?」
    「やぁ。君AVの見過ぎなんじゃない?」
    五条は馬鹿にしたように笑って手を振った。
    男は確信的な言葉は発していないが下衆な笑い声と表情で下心があるのは五条から見ても明白だった。五条の煽りに真っ青になった男は口をパクパクさせて後退りしていく。
    『ただいまって!?どうされました?え、五条!?』
    戻って来た○○は二人の様子に驚き血相を変えた男に近付いた。パニック障害が起きたのかと心配ししゃがみ込んだ。五条は呆れたような顔をすると目隠しを付け直して靴を履くとベッドに座った。
    『大丈夫ですか?』
    「も、もう、二度と来ませんっ、、」
    『え?』
    「すみませんでした!」
    男は慌てて起き上がると猛ダッシュで部屋から出て行った。困惑した○○は立ち上がりそのまま視線を五条に移した。
    「怒ってる?」
    『どうして?』
    「どうしてって勝手にベッド使ってたしなんならカウンセリング中もここにいたし今の彼にも何したか分かんないじゃん?現に怯えて二度と来ないって取り乱して出て行ったんだよ?カウンセリングの評判悪くなったらどうすんの?」
    少しだけ小馬鹿にしたように笑い話す五条に
    『怒らないよ。実際に何があったかまだちゃんと話してくれてないでしょ?』
    五条の表情が少しだけ曇った。
    「平等社会の鏡みたいな考えだね。怒って僕を追い出した方が良かったかもよ?知らなくて良い事だってあるし」
    『知らなくて良い事?』
    「さっきのあいつお前に盛ろうとしてたんだよ。」
    『・・・・』
    さすがに〇〇も言葉を失った。五条は立ち上がり○○の目の前に行くと
    「これでもまだ一人一人話してみないと分からないとか言う?いや、まぁお前は悪くないよ。どう考えたってお前の善意を平気で踏み潰す奴らが悪いんだからね。」
    五条はそう言いながら部屋から出て行った。

    _____________

    「おぃーす」
    「あ?」
    右手をヒラヒラさせながら居酒屋に現れた五条に硝子は焼酎の入ったグラスをテーブルに置き何事かと見つめた。
    「七海、私酔ってるのか?数日前全く同じ光景を見て五条とこのやり取りをしたんだが?」
    「酔われてないですよ。また五条さん来てます。ちなみに今日は伊地知くんは居ません。」
    「お前たちさぁ〜今日に関しては僕誘われてないからね。」
    定位置に座った五条は今日はノンアルコールを頼んだ。
    「あーーーー美味しくない。」
    すぐに届いたノンアルコールをグビグビ飲むとグラスを勢いよくテーブルに叩き付けるように置いた。今日も何やら様子が可笑しい五条に硝子と七海は目を合わせて首を傾げた。
    「また何かあったのか?」
    「今度はなんですか?上の方と喧嘩ですか?」
    「え〜?ん〜?んん〜」
    顎に手を当て唸るような声を出す五条。七海は聞くだけ無駄かもしれないと諦めて自分のグラスのお酒を一口飲もうとしたがガシッと目の前の五条に手を取られた。
    「え?なんですか、あ」
    七海のグラスを奪うと五条は何を思ったのか苦手なお酒を一気飲みしたのだ。七海も硝子もさすがに驚き目を見開いた。ダンッと先程と同じようにグラスをテーブルの上に勢いよく叩きつけると
    「さいっっっあくだよ、全く、」
    「だから何がだよ?」
    「はぁ?なにってそりゃ・・・」

    居酒屋ならではの賑わいに五条の激しい言動が目立つ事はなかったが硝子と七海にはしっかりとその言葉が聞こえていた。おかげで硝子はお酒を噴き出し、七海の枝豆は勢いよく五条の肩へ乱射された。
    ________________

    「ゴホッゴホッ」
    「だ、大丈夫ですか?」
    「わ、悪い水くれ。」
    酒を吹き出し更にはむせる家入を介抱する七海。
    「あれ?僕の肩に枝豆が生えてる!」
    酒が入った五条は七海が飛ばした枝豆を見てヘラヘラ笑っていた。
    「あぁ〜死ぬかと思ったよ。ありがとう七海。」
    「とうの本人は枝豆と談笑してますよ。どうするんですか?この人アルコールNGですよね?誰か迎えを呼ぶしかないですね。」
    「自分で飲んだんだ。放っておけ。それより酔いたい気分だったんだろ。そして今の発言だ。」

    "「はぁ?なにってそりゃ・・・○○だよ。なんかあいつってさぁいつからあんな良い女感マシマシになった?」"

    ツッコミどころ満載である。
    グラスを奪われた七海は改めてお酒を注文しなおし喉を潤しながら
    「10年以上の付き合いがあって今○○さんを嫌いになられたんですかね?」
    少し小声で硝子の耳元で話しかけた。硝子は考え込むような表情をして同じく七海の耳元で
    「確かにあの言い方は嫌味にも受け取れる。良い女じゃなくて良い女感って随分失礼な言い方だし。」
    「ちょっとちょっと何二人だけでブツブツ話してんの?」
    五条は頬を膨らませながら話しかけて来て二人は一瞬見つめ合った。七海はため息をつきながらサングラスをクイッと上げながら
    「お言葉ですが○○さんは学生時代から何か特別変わった様子はありません。強いて言えば皆さん大人になられたんですから見た目や雰囲気くらい変わるのも当然かと」
    「そうだよ。○○の場合は職業柄しっかりしてないといけない部分もあるだろう。この前から随分突っかかってるようだが何が気に食わないんだ?」
    ○○の話を掘り返されると五条は口元を歪めて頬杖をついた。
    「だってなんか、余裕綽々な態度とか...僕からすると学生時代のあいつはもっとこう...ちんちくりんなハムスターみたいな感じだったんだけど」
    言いたい放題の五条に七海は呆れた様子で
    「五条さん...一人称から諸々口調が変わったあなたにだけは言われたくないのでは?」
    「僕は五条"先生"だもん!」
    「あいつだって先生だわ。」
    ど正論を食らった五条は頭をグシャグシャと触りながら目隠しを外すとアルコールのせいで目元が赤くなっていた。子供のように不貞腐れた様子で
    「あいつと話してるとめちゃくちゃ落ち着くけど同時にむしゃくしゃもするんだよね。」
    「「んん??」」
    あらあらあら?と硝子と七海は再び目を合わせたがなんと言っても相手は五条だからと油断せずに探るかとアイコンタクトだけで通じ合い頷いた。
    「この前の話を聞いて思ったんだが五条はあの子のやってる事をお遊びみたいに考えてるんじゃないのか?確かに命がけで呪術師やってたらろくな悩みしかない奴に優しくしてるあの子にイライラはするかもしれない。だが五条が見たのはたまたまそんな場面だったってだけじゃないか?あの子の活躍はカウンセリング室の中だけじゃない「知ってるよ。」え?」硝子は思わず目を見開いた。酒が入っているはずの五条はその瞬間だけ真っ直ぐな目をして
    「知ってるよ。精神ぶっ壊れて呪詛師になった奴と話をさせてくれって申し出て一般人巻き込むレベルのテロを未遂で抑えてくれたのも。有望な呪術師が推薦で階級上げられそうになったけど内心は精神状態限界で階級上げられたらメンタルと階級について行かないって上に掛け合ってやったのも。いつも硝子や補助監督と連携取って相談者の呪術師たちの任務のサポートもやってる事も。」
    五条は柔らかい表情で二人を見つめて
    「みんなには強くなって欲しいしダメなやつには早く身を引いて欲しい。だけどあいつのやり方も間違ってはないと思う。」
    硝子と七海はあまりにも穏やかな表情で○○を褒める五条に驚いた。が硝子は突然手を叩き出した。七海は硝子の突然の手拍子に少し動揺していた。
    「でも?でも?でもでもでもでも?」
    そんな七海をスルーして硝子は手拍子に合わせて問いかけると五条はすぐにリズムに合わせて
    「すっげーむかつく〜〜」
    七海は冷たい目をした。(もしかして五条さんは○○さんの事を?)....なんて思っていた数分前の自分を殴りたくなった。
    「あなたの方がよほど精神が心配ですよ。カウンセリング受けて来て下さい。ただし○○さんのところには行かないで下さい。」
    「はぁ?僕があんな恋愛相談するやつとか盛ってる野郎とか激弱高専関係者と同じって言いたいわけ?殴るよ?」
    「同じどころか五条さんの方が重症かと?褒めたり貶したりどっちなんですか?」
    「キィぃぃ可愛くない後輩!ペイっ」
    五条がおしぼりを七海に投げたが七海は華麗にかわした。ふらふらのポンコツコントロール、五条がアルコールが入っていて良かったと七海は内心ホッとした。先程まで手を叩いていた硝子は突然何か閃いたようで
    「七海の言う通りだな。五条、カウンセリング受けて来いよ。ちなみに○○のところ」
    「「は?」」
    「い、家入さんこの人絶対○○さんに失礼な態度取りますよ。」
    「あの子の実力は勝ってるならむしろあの子のところに行った方が良いだろう?なんせ特級呪術師五条悟様だからな。」
    「マジで言ってる?僕めちゃくちゃ普通だけど?」
    「いや、普通じゃない奴ほど普通と言う。病んでる奴は自覚がない。」
    「僕病んでるの?」
    「病んではないがどうかしてる。」
    「それは元からでは?」
    「七海ぃぃ??」
    五条が今度は割り箸を投げたが再び七海にかわされた。
    「五条が万が一にも精神に影響が出た場合、技術面、主に任務で支障はまずないとしてもだ、周りに多大なるご迷惑をお掛けする事になる。現に今私と七海に迷惑をかけている。」
    七海はこれでもかと首を縦に振った。
    アルコールが回り限界が近付いた五条はフラフラしながらも嫌そうな顔で
    「じゃあ...オンライン予約しといて、」
    と言いながらそのまま後ろに倒れた。

    「本当に良いんですか?」
    「私らが五条の感情を代弁してあげたり本当の気持
    ちを教えたりするのは違うだろ?自分で気づかせる
    べきだしそれが出来るのは○○だよ。」
    「代弁、本当の気持ちを教える?あの、五条さんは
    やはり」
    「はい、2軒目行くぞ。」
    「あ、え、、はい。五条さんは?」
    「迎え呼ぶからこのまま寝かせとけ。あ、それと・・・オンライン予約しといてやれ。」
    「良いですけど五条さんの名前そのままだと悪戯とか思われません?」
    「バカ目隠しで良いんじゃないか?」
    「該当者一人しかいないんですよ。」

    _________________

    『オンラインからの予約は次で最後かな。ん?匿名?』
    マウスを操作して詳細をクリックすると
    『家入硝子医師より紹介状有...え?硝子から何も聞いてないけどかなり重症で急がないといけない状態なのかな?でも匿名ってなんでだろう。』
    最近は予約の時間になるとモジモジせずに自ら入室してくれる相談者が増えたが今のところ入り口の方を見ても無人無音だ。
    『新規だし...外には来てるかな?』
    立ち上がり扉を開けた。
    『次の方どうぞっ!?』
    目の前には壁と見間違うほど逞しい体格の五条がいた。いつもの揚々とした雰囲気も昨日のようなピリついた態度でもなくただ棒立ちだ。○○もさすがに驚き僅かに肩が跳ねた。
    『あ、悟、ごめんね、これから相談者さんが来るの。』
    「ん、」
    『なに、これ...硝子からの紹介状...悟だったの?』
    渡された紹介状は硝子の字でしっかり記入されていた。硝子直々となれば話は別だ。ここ最近の言動も気になるしと○○は廊下側の扉にカウンセリング中の札を差し込みと五条を部屋へ招き入れた。
    『いつもので良いかな?』
    と給湯器の前に立つと椅子に座った五条を見つめた。いつもはソファやベッドで勝手に寛いでいるが今日は相談者用の椅子に座っている。数をこなせどおずおずと椅子に座る相談者たちとは違いどちらかと言えば偉そうな態度にも見える五条の姿に一瞬だけ疑いの目を向けてしまうがすぐに首を傾げて
    『具合悪かったりする?目隠ししてるからあれだけど顔色良くない気がするよ。』
    五条は背もたれに思いきり体を預けながら
    「あ〜うん、まぁ。でもこれはあれだからお酒。」
    『飲んだの!?五条が?』
    「ん〜大人の付き合いってやつ」
    あ、あの五条がお酒を?それも理由が大人の付き合いだなんて信じられないと○○は言葉を失った。とりあえずカフェインを取らせようと嫌がられないようにミルクたっぷりでコーヒーを準備した。悟へコーヒーを出して○○は向かいに座った。五条はこれまで何度もここへ訪れていたがカウンセラーと相談者として向き合うのはこれが初めてだった。一口コーヒーを飲むといつもよりは甘さ控えめだが今日のコンディションに合っているのか不思議と体を落ち着かせた。一息ついて○○の方を見た。

    『改めて聞きたいんだけど体調に影響は出てるかな?』
    以前はかなり酷い下ネタで返答されたがもしかするとあれも五条からの気付いて欲しいと言う何らかのサインだったかもしれない。昨日に関してもイラつきはあったがやはり挙動に違和感を覚えていた○○は決して自分に対しての失礼な言動は咎めず五条のコンディションを最優先で心配し話を聞く事にした。しかし五条にも○○のその気遣いは伝わっていたが嫌そうに口元が歪んでいた。昨日の話を掘り返されてキレられた方がずっと良いのに凛とした姿で自分の身を案じるまるで聖母のような○○を受け入れられない五条がいた。そう感じると自然と口が開いて
    「僕は最近おかしいみたいだ。イライラしちゃうんだよね。」
    『イライラ?それは任務だったり例えば上層部の方たちとお話したりきっかけはある?』
    「特定の奴の前だけイライラするんだ。」
    目隠し有りと言えこちらを真っ直ぐ見つめられると○○は少し相槌に時間がかかった。これは自分に向けられている言葉だと理解したからだ。そんなに私が嫌いなのか。勝手に同じ志を持った同期だと思い込んでいたのも迷惑だったかもしれないとさすがに表情が曇ったがそれでも自身が五条の悩みの原因であるならばカウンセラーとしてその悩みを取り除く事が最優先だと○○は真っ直ぐ五条を見つめ返した。本来ならばもっと具体的な話を聞かなければならなかったがここ最近の自身へ向けられた言葉と態度で何もかもが繋がってしまってもう何も聞けなくなった。いや、聞く勇気がなかった訳ではなく聞く必要がないと判断した。相手が生徒であったり直属の上司であれば無理な提案にはなるが相手が自分だとすれば...

    『苦手な気持ちや嫌悪感を抱くようなら無理をせずにまずは距離を、、「モヤモヤするんだよね。」え?』
    意を決して伝えようとした言葉は子供が不貞腐れたような表情と声色になってしまっている五条の言葉で遮られてしまった。
    「気付かないうちにすっげー努力して内面も強くなってて実績も上げて凄いじゃんって少し前なら簡単に言えたのに言いたくない。」
    『えっと...』もしかして相手は自分じゃなかったのか?とカウンセリングの仕事を忘れ自身の早とちりだったかもしれないと少し動揺してしまう○○。
    「白衣が似合ってて聞き上手で声のトーンも丁度良くて心地が良くなる。次の方どうぞって笑顔で呼ばれて真正面から向き合って大人な余裕綽々な良い女感マシマシな雰囲気で会話されると全部見透かされてるんじゃないのかって今度はソワソワする。」
    『ん?』聞き覚えがあるフレーズがいくつか飛び交うが自分が良い女感マシマシな人間だとは思った事がないため○○は更に頭を悩ませた。
    『ホッとしたりソワソワしたり...最初に言ってたイライラやモヤモヤはどんな時に?』
    活用する言語が擬音ばかりで対子供へのそれだ。それでも五条は子供扱いするなと怒るどころか絆されたように「ん〜」と口を尖らせながら素直に次の言葉を探している。
    「僕が見ている場面なんか日々の仕事の一場面でしかないって分かってるよ。でも一人一人と親身に向き合って仕事してるのにただのお悩み相談所扱いする奴らがムカつく。出会いの場とか勘違いしてる輩に関しては論外。」
    『あ、え?待ってね。えっと...特定の人の前だけイライラするんじゃなかったの?』 
    「僕の方が頑張ってるのにあいつらに特別な対応するの意味分かんねーし僕だけ...僕だけ特別扱いしてほしいとか...思っ...たりするから...」
    口篭っていく五条に○○は瞬きを繰り返した。口調に関しては少しだけ学生時代の頃に戻ってしまっている。
    『ご、五条、あの、』
    「チンチクリンだけど真面目で妹みたいな子が努力してて微笑しかったよ。夢を実現させた時は素直に讃えられたし。でも急に良い女感...じゃなくて良い女になっちゃってさ。最初はそれに慣れなくてイライラしてるって思ってた。次は仕事に対する考え方とか僕の考えとは合わないからむしゃくしゃするんだって思ったりしたよ。でもそれも違った。僕の...ただの我儘と独占欲が出ただけだった。」
    『それは、』
    一体誰の事?など聞ける訳がない。これまで沢山の人たちと向き合って来た。正直に言うと好意を向けられる事だってあった。いつの間にか場数を踏む中で好意への交わし方も相手を傷付けない方法も狡いくらいに覚えてしまっていた。だとしてもだ、今目の前にいるのはあの五条悟なのだ。
    「なんだよ?優秀な先生は気付かないフリだってうまいのかよ?」
    目隠しを外し完全に不機嫌な様子で目の前のデスクに頬杖をつき見つめて来る五条。
    「普段寝なくたって平気なのに不安定になって寝れない事がストレスに感じて来て...でも柔らかい声を聞いてたらすげー心地良くなって眠気が襲って来たり嫌いなのにむしゃくしゃして勢いでお酒飲んだり...あーあもう本当に病んじゃおうかな。」
    『こ、こら。そう言う発言は良くないよ。』
    「だってさー他の誰より、僕が病む方が大問題でしょ?世界滅亡しちゃうんじゃない?」
    本人がどんなつもりで発言しているのか分からないが○○の頭の中には夏油傑の事が過ぎるのだ。彼は精神的にもピークを迎え最終的には史上最悪の呪詛師と呼ばれるようになってしまった。五条の精神に問題が発生すれば間違いなくこの世は終わってしまう。だがし彼の今の悩みは...自分に解決出来る方法や提案など出来ない。非常に難しい問題であった。カウンセラーになって今一番の山場を迎えている○○。
    「硝子にも僕が精神を拗らせると周りに多大なるご迷惑をお掛けするとか言われたし。」
    硝子と聞きほんの少しだけ希望の光を見出す。彼女は一体どんなアドバイスをしたのだろうか。
    『硝子とどんなを話したの?今の話は相談した?硝子...なんて答えてくれた?』
    「硝子も七海もこの感情がなんなのか教えてくれなかったよ。」
    ついにはテーブルに突っ伏してしまった五条。教えないと言うよりも自分から己の気持ちに気付かせるべきだと判断されたのだろうなと○○は硝子と七海の思考を汲み取った。
    『五条?』
    五条は今この瞬間、突如芽生えた感情の名前が何なのか理解する事が出来たのだろうか。
    「・・・あー熱い。熱あるかも」
    『えー大丈夫なの?』
    顔を突っ伏したまま項垂れる五条。精神的に支障を来たすと最強もこんな風になるのかと目の当たりにしてしまい立ち上がって側に駆け寄った。○○の気配を察知してゆっくりと顔を上げた五条の目元は心なしか赤く見えた。そんな目で見つめられると困るなと
    『アルコール...まだ抜けてないんじゃないの?』
    「あれ?話の逸らし方下手くそだね先生。」
    『別に逸らしてないよ。本気で心配してるの。』
    「本当に?じゃあ僕が病んだら...もう他の奴なんか放って僕だけ心配してくれる?世界が崩壊するってやばいでしょ?だったら僕を選ぶしかないよね?」
    ついには頬まで膨らませて完全に幼児化してしまった五条に思わず笑ってしまった。
    「お前のそう言う余裕綽々な態度すんげーやだ。」
    そうしてまた突っ伏した。
    『確かに世界は崩壊しちゃうかもね。でもだからこそ五条悟なんじゃない?』
    「はぁ?意味分かんねーし」
    と五条が眉間に皺を寄せて顔を上げると微笑む○○が目の前にいた。
    『崩壊させちゃうくらいの力を持ってても沢山の妬みも嫉みも悲しみもその全てを見て来てもそれでも崩壊させないって"意思"と"強い信念"を持ってるから...だからあなたは最強なんじゃないの?』
    五条は言葉を失ってそのまま目を逸らしながら
    「ずるい女だなぁ〜全く」
    そして参りました言うような顔で頭を掻いた。

    ___________________

    ○○はしばらく五条を優しく見守りながらもう一度自分の椅子に座った。改めて前を向くとそこには目隠しをして身嗜みと姿勢を整えた五条がいた。
    「はい!と言う事で〜」仕切り直しと言うように一度手を叩いた。
    『なに?』
    「ご趣味は?好きなタイプは?恋人に求める条件は?休日は何してんの?」
    『ちょ、ちょっと待ちなさい。業務中です。』
    ○○は目を細めていつもの調子に戻っている五条を注意した。
    「お前ね〜五条悟一世一代の赤面キャッ!大暴露大会に水刺すなよ〜」
    『ん〜さすがに業務中だしカルテ作らなきゃダメかな?』
    「無視しな〜い」
    ○○は真剣な顔でパソコンを見つめている。五条は立ち上がりキーボードを取り上げると

    【結果:恋煩い】

    『・・・感情の名前が分かったの?』
    「これしかないでしょ?」
    真横に立つ五条を見上げるとこれでもかとスッキリした顔をしていた。
    『自分の感情を認めてしまうとすぐに調子が戻って素晴らしい精神力ね。』
    「あははまぁね僕、最強だから。」
    『お調子者って、え!?なに?』
    ぐいっと顔が近付き思わずのけ反った。
    「あのさ〜これから変な輩といるところに遭遇したら邪魔していい?と言うか今後この部屋で男と二人きりとか普通に嫌なんだけど?」
    『ダメに決まってるでしょ?』
    呆れたように肩を押すと案外素直に体を引いて大きなため息をついた五条はわざとらしくお手上げのポーズを取った。
    「なら僕はどうしたらいいの先生?」
    『私はカウンセラーであって恋愛アドバイザーじゃないの。それに』
    とパソコンの画面に体を向けて五条が打った文字を消すともう一度五条の方にチェアをくるりと動かして
    『その恋煩いの相手だけど私はまだ誰だか分かってないから。』
    五条は○○の表情を見て口元のニヤけをおさえた。先程よりわずかに余裕がないようにも見えたからだ。
    「欲しがり屋さんだな〜そのムッとした表情はもう自覚してるでしょ?」
    無意識に素が出てしまった○○は返す言葉もなく俯いた。極め付けの今の彼女の反応に上機嫌になった五条は「さ〜て」と扉へ歩き出した。
    「評判通りのカウンセリングだったよ。すんごいスッキリした。あははは」
    『待って!』
    「ん?」
    扉の前で五条は振り返った。○○は立ち上がっていて昔のような少しだけ頼り気のない表情をしていた。
    「五条の恋の相手、彼女が白衣も脱いでこの部屋を出たらそんな魔法(恋心)呆気なく解けちゃうかもよ?」
    五条はキョトンとしたがすぐに余裕の笑みを浮かべて
    「うん。だからさ、もっとお前を知りたいからまずはここから飛び出してデートしない?オフの日は予定空けといね、じゃ。」
    手を上げながら五条は出て行った。○○は気が抜けたように椅子に座り
    『じ、自分だってズルいじゃない・・・』

    ○○は五条悟のカルテに【経過観察】と記入した。









    勝手なイメージソング
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    大魔王くん

    DONE祓ったれ本舗の五と実力派女優の夢主
    以前上げたもしもシリーズの第二弾!
    ※テ○東のバラエティ番組、ゴッ○タンの企画【キス我慢選手権】に出演したら?もしもシリーズです。
    ※↑の番組内容を知ってる方ならなんとなーく雰囲気分かって頂けるかなと思いますが箇条書きなので分かり辛かったらすみません。
    ※番組の雰囲気もご都合展開で制作してます。夢感はあんまりないです。オチは特にありません。
    何でも許せる方のみど
    もしも祓五が「キス我○選○権」に出たらキャプションの注意事項を必ずご確認頂きご了承頂きましたら本編にお進み下さい。



    キス我慢選手権とは芸人がセクシー女優さんからありとあらゆるシチュエーションでキスを迫られても我慢出来るかと言うかなり責めた企画。我慢しようが出来まいが芸人力を試されるコーナーである。自分の好みの女優さんから誘惑されて顔を真っ赤にしながら必死にあらがう姿が責めた企画ながらも視聴者の笑いを誘った。中でも話題になったのが実力派芸人G・H氏(調べたらすぐ出ます)。彼は巧みな演技力を発揮しセクシー女優さんは演技で涙まで流しアドリブとは思えないドラマ仕立ての神企画に一瞬にして塗り替え、ついには映画化までに発展し伝説の企画となっていた。
    4449

    大魔王くん

    DONE五夢/微ホラー
    「君があまりにも無邪気に僕を・・て笑うから」

    『まじ神~』と軽いノリで五を崇めていたら五が満更じゃなくなって来た話
    ※現パロ?
    ※タイトル詐欺です...
    ※没作供養中の為、いつにも増して駄文です
    ※念の為、背後注意の表現があります
    ※原作要素無/オリジナル要素しかありません
    ※とにかく何でも許せる方のみどうぞ
    君が無邪気に笑うから『悟まじねもうすだわ。』
    「ちょっと待て、今なんつった?」
    『いや、だからねもうす!知らないのー?』
    「お前のその知らないの〜?いじりにはもう騙されねーからな。大体知ってるって返したら本当に誰も知らねーような内容で俺に恥をかかすやつだろ!」
    『騙してないってば。なら傑とか硝子に聞いてみてよ。』
    「はいはい良いから正解教えろ。」
    夢主は仕方ないなぁと言いながらノートにカタカナのネと申し込みの申と書いた。
    「神?」
    『神の漢字をバラしたらネと申だからねもうす。』
    「うわ...頭悪そ〜」
    『知らなかったくせに。』
    「知らなくて良いような事だったわ。あと崇めるなら普通に神って言えや。それも語彙力ねーけど」
    そんな軽いやりとり。気付けば文句を言っていた悟は夢主からねもうす(神)と言う造語で崇められる事に慣れてしまっていた。しまいには自ら夢主に貸しを作っていつもドヤ顔で夢主から『悟まじねもうす』と言われるの待っていた。
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