発行した210本のサンプルページたちlet me down(サンプル)
大学進学が決まったのは年を越す前の事だった。
気の置けない友人たちからは「一応品行方正で成績優秀だけどなぁ」と評されているフリオニールは、希望の大学に推薦入学を決めていて自由登校になる三学期は、一般入試を控えた生徒に比べて自由になる時間が多かった。週一回の登校日に登校して出席は確認するだけで、受験が終わった組と今から受験組は何となく別室に行くことが多く、何となく教室にもいれなくて図書館に行けばそこは受験組が机に向かって問題集を解いている生徒ばかりで溜息をつく。本棚のすみで本でも読もうかと歩いていけば、とんとんと肩を叩かれた。
「よっ!」
「ジタンにバッツじゃないか。久しぶりだな」
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