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    leiheyaboshi84

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    leiheyaboshi84

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    ハマの3人が夏野菜カレーを作る話です。ちなみに作者は夏野菜が苦手なのと、スパイスから作るカレーを作ったことないのでほぼ想像で書きました。

    カレーを作ろう仕事から帰って来てスーツを脱ぎ、一目散にシャワーを浴びに行く。今年の夏は想像を絶する暑さで、こうやってすぐにシャワーを浴びなければ気持ちが悪い。
    夏らしくクールタイプのシャンプーに変えたのだけど、これが頭に付けた瞬間にスーッとひんやり感を感じで気持ちが良い。ボディソープも洗い終わりがサラサラになるものに変えた。

    シャワーを浴び終わり髪の毛を拭いているとスマホがピコンと鳴った。トークというアプリのグループへメッセージか? 眼鏡をかけて送り主を確認すると左馬刻からだった。


    左馬刻『よぉ。明日暇か?』


    明日明後日と仕事が休みで、特にやることもないから暇っちゃ暇だ。
    そう考えているとまたメッセージが届いた。


    理鶯『丁度今日、夏季訓練が終わったので時間はあるぞ』
    銃兎『俺も明日は休みだから時間はある』


    理鶯に続けてそうメッセージを送った。
    左馬刻の返信を待ってる間に髪の毛を乾かしてしまおう。


    左馬刻『んじゃ、明日銃兎の家に集合な』
    理鶯『銃兎の家か。時間は何時くらいだ?』
    左馬刻『あー昼前までに集まれば良いんじゃね?』
    理鶯『承知した』


    髪の毛を乾かし終わりスマホを見ると勝手に俺ん家に集合することになっていた。


    銃兎『おい、なんで俺ん家なんだよ』
    左馬刻『まぁ聞けって。この前シュークリームとか作っただろ? 今回はメインになる料理を作るのはどうかと思ってよ』
    理鶯『良い考えだな。丁度手に入れた食材もあるから、明日持って行こう』


    待て待て、まずい、いつもの流れが来たぞ。


    左馬刻『あー、っと……理鶯、食材達は保存しておけ? まだ暑い日が続くしよぉ』
    理鶯『そうか? スタミナを付けるにはもってこいの食材もあるのだが』
    銃兎『じゃ、じゃあ明日はごく普通のカレーを作るとかどうだ? ごく普通の……』


    咄嗟に出たカレー。明日は金曜日だからきっと理鶯も食いつくだろうと。


    理鶯『カレーか。明日は金曜日だから良さそうだ』
    左馬刻『確かに良いな、久々に食いてぇ』
    理鶯『銃兎の家にスパイスはあるか?』
    銃兎『スパイス? 塩とコショウならありますが』


    左馬刻が爆笑しているクマのスタンプを送って来た。何笑ってんだよ。


    左馬刻『んじゃ必要な材料買いに出てから作ろうぜ。銃兎ん家から車で少し行った所にデカいスーパーあったよな? あそこなら揃うんじゃねぇか?』
    銃兎『あぁ、あるな』
    左馬刻『って訳だ、車出してくれよな』
    銃兎『はぁ……そうくると思った』


    まぁ仕方ないか。
    この前3人でやったお菓子づくりが思ってたよりも楽しかったから、今回も期待出来そうだ。


    理鶯『では小官オススメの作り方を伝授しよう。明日が楽しみだな』
    左馬刻『おーう、頼んだぜ理鶯。んじゃ俺はそろそろ寝るわ』
    理鶯『そうだな。おやすみ』
    銃兎『おやすみ』


    そう送ってアプリを閉じた。確かに明日が楽しみだ。




    時間が経つのは早いことでもう翌日になった。天気は相変わらずの晴れで日差しが強い、今日はラフな格好で出かけよう。
    着替え終わりトークを見てみると左馬刻から『マンション下着いた。理鶯も居る』と連絡が入っていた。財布や車の鍵を持ち家から出る。駐車場に向かい車を出し、左馬刻と理鶯が待っている場所へと行く。

    「よぉ、おはよーさん」
    「おはよう銃兎」
    「おはようございます。早いですね」
    「楽しみすぎて早く起きたんだわ」

    遠足前の子供か? まぁ俺も人のこと言えないが。

    「んじゃ行くか」

    車に乗り込んだ2人を確認して目的地まで走らせる。この時間帯は日差しがまだあまり出ていないからか、暑さも少し和らいでいた。

    「カレーに何入れるよ?」
    「カレーって言ったらじゃがいも、人参、玉ねぎ、肉くらいだろ」
    「げっ、人参……」
    「食えよそれくらい」
    「なら夏野菜カレーはどうだ?」

    理鶯が提案した夏野菜カレー。彩も良くすれば夏にはピッタリな料理だ。

    「夏野菜カレーは何入れんだ?」
    「そうだな、オーソドックスにナス、ズッキーニ、パプリカ、オクラ辺りはどうだ? 炒め焼きか素揚げするのも良さそうだ」
    「パプリカか……まぁ良いだろう」
    「それくらい食えって」

    そんな話をしているうちにスーパーへ到着した。駐車場に車を停めて店内へと向かう。理鶯がカゴが乗ったカートを運んでくれて、最初は野菜コーナーへ足を運んだ。

    「えーと……ナスに、ズッキーニ……オクラ……パプリカどの色にするんだ?」
    「赤が良いだろう。どうせなら黄色も入れるか?」
    「いや赤にしよう」
    「やけに即答だな……あ、だったらかぼちゃを入れるのはどうですか理鶯」
    「かぼちゃも良いな、そうしよう。あと飴色になるまで炒めた玉ねぎを入れるのも良いぞ」

    流れるようにあれこれカゴに入れていく、これで野菜は揃った。次に向かったのは調味料のコーナー。

    「市販のルー使った方が早くねぇか?」
    「せっかくのカレーだ。スパイスから作った方が更に美味しく出来る」

    そう言って理鶯が手に取ったスパイスや調味料の数々を、俺と左馬刻はすげぇなと言葉にしてしまうくらいだった。

    必要なものは全て揃った。左馬刻の『せっかくだからビール買って行こうぜ』という案に俺も理鶯も、乗っかりカゴはいつの間にかいっぱいになっていた。
    会計を済ませて袋に詰め店を後にする。車に乗り俺ん家を目指しながら、俺はこの後の調理に少し心を躍らせていた。


    「米、炊き始めたぞー」
    「うむ、ありがとう左馬刻。ではまず玉ねぎをみじん切りにしておいてくれ。その間に小官は必要なものを分けたりしておく」
    「だってよ銃兎」
    「はぁ!? 俺がやんのかよ」
    「包丁くらい使ったことあるだろ?」
    「……ま、まぁ多少は」

    玉ねぎのみじん切り……確か半分に切って頭の部分を切り落として、繊維に沿って包丁を入れた後に細かく刻む、だったか?

    「おーおー銃兎、猫の手だ。そうじゃねぇと指切るぞ」
    「猫の手? ……にゃう」
    「何言ってんだよ」

    大きさが少しまばらだがみじん切りには出来たはずだ。理鶯に確認しに行くと『上出来だ』と言われ、深めのフライパンに玉ねぎを入れる。これから火を通して飴色玉ねぎを作るそうだ。

    「次は野菜を一口大に切っておいてくれ」
    「おう」
    「一口大?」
    「銃兎、一口大とは言ったがそこまで正確にやる必要はないぞ。あとで素揚げにするから熱が通りやすく、食べやすい大きさだ」

    理鶯にそう言われて何となく大きさを想像する……これくらいか? よし、やろう。

    「にしても左利きの奴の包丁使い見てるのこえぇな」
    「仕方ないだろ、右じゃそれこそ指切っちまうって」
    「銃兎、猫の手忘れてんぞ」
    「にゃー」
    「ふっ、だから何だよそれ」

    そんな会話をしていると炒めた玉ねぎの良い匂いがしてきた。食欲をそそる匂いについお腹を鳴らしてしまう。

    「銃兎、もう空腹か? 小官の非常食でも少し食べるか?」
    「い、いえ! 大丈夫です! ははっ、カレー楽しみだな」
    「そうか、小官も楽しみだ」
    「銃兎、そのナス太く切りすぎじゃねぇか? 1〜2mmで良いんだぞ」
    「そ、そうなのか……これを更に半分にすれば良いのか?」
    「まぁそうだな」

    言われた通りに切ってみると確かにこれが一口大で熱も通りやすい気がする。

    「左馬刻、スパイスを合わせておいてくれないか?」
    「おう、分かった。分量は?」
    「あぁ、コリアンダー小さじ2、クミン小さじ2、レッドペッパー小さじ1、ターメリック小さじ2だ」
    「な、なんつった?」
    「すまない、レッドペッパーのみ小さじ1であとは小さじ2で頼む」
    「りょーかい」

    スパイスのコーナーでも思ったが色々なスパイスがあるもんだな。理鶯が言っていた言葉が呪文にしか聞こえなかった。

    「銃兎、野菜は切れたか?」
    「す、すみませんまだ……」
    「左馬刻、それが終わったら野菜を切ってもらえるか? 銃兎に炒める経験をさせたい」
    「おう、良いぜ」

    そう言われたのでコンロの前に立ってみると玉ねぎが飴色になっていた。これだけでカレーは味にコクが出るらしいから凄い。

    「おろしにんにくとおろししょうがを少し入れて馴染ませるんだ。その後はトマト缶を入れてこれも馴染ませて少し煮る」
    「にんにくとしょうがはこれですか?」
    「そうだ、小官がさっき作っておいた。それと火が強すぎると焦げてしまうから弱火でやっても大丈夫だ」

    にんにくとしょうがを入れて混ぜていくとまた良い匂いがしてきた。そろそろ馴染んだだろうか? トマト缶を開けてフライパンへ入れていると、後ろでトントンと野菜を切っている音が聞こえた。

    「どうだ銃兎、料理は楽しいか?」
    「そうですね、色んな工程があって面白いです」
    「それなら良かった……む、そろそろ良い頃だな。次は水を入れて軽く沸々してきたらスパイスを入れて、5分程煮て完成だ。少しだけ火を大きくするぞ」

    水を入れてまた馴染ませる。混ざったら底が焦げないように時々軽く混ぜると良いらしい。

    「左馬刻、スパイスと野菜はどうだ?」
    「バッチリだ」
    「ではもう一つのコンロで野菜を素揚げにしてもらえるか?」
    「おう。銃兎もやるか?」
    「良いんですか理鶯?」
    「問題ない。揚げ物も楽しいから経験すると良い」

    左馬刻は棚から網が付いたバッドと深い鍋を出した。

    「すげぇな、ペッパーミルまである」
    「あぁ、カッコいいなと思って買ったんだ。何を入れるのか分からないが」
    「ペッパーミルだからペッパーだっつーの……」

    鍋に油を注ぎ入れながら左馬刻とそんな会話をする。

    「油の温度を測るものは俺ん家にないがどうするんだ?」
    「あぁ……理鶯、菜箸でどう測るんだっけか?」
    「水を拭き取った菜箸を入れて、細かい泡が全体に出るようになったら大体170℃だ」

    温度計要らずなのにはビックリした。そして理鶯の知識も相変わらずな上、左馬刻もある程度の知識があって凄いと思った。

    「うっし、これくらいの温度だな。銃兎、全部入れると温度が下がっちまうから少しずつやってみろ。まずはナスからだな」
    「分かった」

    ナスを数個入れると沈んでいきジューッと音がした。揚げあがりのタイミングは浮いていてからだそうだ、それを待つ。その間に炊飯器がピーピーと炊き上がりの音を鳴らした。

    「うむ、ご飯の炊き具合もバッチリだな」
    「ふっ、俺様にかかればこんなもんよ」
    「左馬刻、ナスが浮いてきたんだがどうすればいい!?」
    「軽く油を切ってそこのバッドに置けばいいだけだ」

    カラッと上がったナスを網の上に置く。これを繰り返して全ての野菜を揚げていけば良いらしい、楽しくて少し心が躍った。

    理鶯が見ている鍋の方からしっかりとカレーの匂いがしてきた。市販のルーを使わなくてもここまでしっかり出来るんだな。

    「カレーの方は完成だ。野菜はどうだ?」
    「あとパプリカだけです」
    「なぁ……パプリカ必要か?」
    「必要だ。それにこれはピーマンではないから安心しろ」
    「似てんじゃねぇか……はぁ」

    左馬刻が嫌がるパプリカも揚げ終わり、火を止める。冷ましたら油を固めて捨てるらしい。

    理鶯が先に座ってると良いと言ったので左馬刻とリビングへ戻った。少しすると彩りの良い野菜が乗ったカレーが2つ運ばれて来た。

    「お、そうだアレ取ってこねーと」

    そう言って立ち上がりキッチンへ向かった左馬刻が持って来たのはキンキンに冷えたビールだった。その後ろに理鶯が1つカレーを持って来て座った。

    「んじゃ乾杯でもすっか!」

    カシュッとビール缶を開けて乾杯をする。何口かまず喉越しを楽しんでからいただきますと、カレーを一口。

    「おー! うめぇな! ビールとめちゃくちゃ合うじゃねぇか」
    「これは、専門のお店出てるような味がしますね」
    「2人が居たからこの味を出せた、感謝する」
    「ふふっ、こちらこそ色々経験させてもらってありがとうございます」
    「おう、どういたしまして」
    「いまのは理鶯に言ったんだよ。左馬刻はオマケだ」

    ギャーギャー言い合いながら3人で作ったカレーをどんどん食べ進めていく。前のお菓子作りもそうだが、誰かと作るのは案外楽しいものだな。

    「はぁー食った食った、ごちそうさん」
    「ごちそうさまです、美味しかったー」
    「うむ、カレー作りも成功だな」

    すると左馬刻が大きなあくびをしてソファに寝転がった。

    「食べてすぐ寝たら消化に悪いのに……」
    「今日が楽しみでほとんど寝れなかったらしいぞ」
    「ふふっ、全く、子供じゃないんですからねぇ」

    まぁ良いかと左馬刻をそのままにすることにした。理鶯は使った皿を重ねて持ち立ち上がった。

    「あぁ理鶯、片付けなら私も」
    「いや気にするな。油の処理もあるから今日は小官に任せてくれ」
    「そ、そうですか? じゃあすみませんお願いします……」

    申し訳なさを感じながらも、理鶯1人の方が早く済むだろうとお願いする。

    ソファに座り直し伸びをすると、満腹とアルコールで少し眠気を感じて来た。うとうとしながら俺は今日1日を振り返った。
    料理は凄く楽しい。いつか2人に振る舞えるようになってみたい。それこそまずはオーソドックスに普通のカレーからかな? そこにデザートも付けられたら良い。

    そんなことを考えているうちに俺は夢の中へとゆっくり落ちていった。
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