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    2wano_a

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    2wano_a

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    洛冰河はよく話を静かに聞いているようなのでハンドルネームで呼び合う呼び方もちゃんと認識しているのでは?という思いつきから産まれました。
    育ちの良い退廃的美人が下ネタコテハン使っていた事、まだ信じられん。

    ##冰秋

    「師尊、お口に合いますでしょうか」
    「ああ、とても美味しい」
    ありがとう、冰河。と感謝の言葉を伝えつつ頭を撫でてやると、嬉しいと伝えんばかりに架空のしっぽを振りながら頬を寄せてくる。
    (こういう可愛い所は今も昔も変わらないな)
    「この弟子は本当に嬉しいです。
    今日は師尊のお好きな物を多めに仕入れることが出来ましたから」
    良かった、良かったとうんうん頷く。
    が、少し違和感がある。
    なぜなら今日の食事にいつもと特に変わった点はなく、好きな物と言われても特に思い当たらなかったからだ。
    (メインで使われていた食材だろうか?)
    嫌いなもの…は大昔はあったが『沈清秋』としての立場もあるし、と口に運ぶと流石は主人公様。
    どんな食材でも大変美味しく感じられるのだ。嫌いなものなど無くなったと言ってもいい。
    好きな物なら尚更だ。強いて言うなら『洛冰河の手料理』かもしれない。
    「師尊、もしかしてこの弟子の為に無理をなさっておりますでしょうか?」
    「いや、そんなことは無い。
    お前が師の好物を沢山仕入れてくれて何の無理があるという」
    いけない。考えに夢中になって混世魔王という名の乙女を不安にさせてしまった。
    「失礼しました。では甘味をお持ちしても?」
    「ああ、頼む」
    ほっとしたのかウキウキとしながら炊事場へと向かう背中を見つめる。
    (まぁ俺の好きな物と言っていたし、美味しければ何でもいいか)



    ふわりと甘い香りが焚き染められた下衣に袖を通す。何回目かの情事の際に『香りも全て染められたら良いのに』とあの子が呟くものだから、それじゃあと情事の際に使うものは日常使いとは違うものにしているのだった。
    (3日に1度のことだし…)
    本当は香油を体に塗るだとかも考えたが本編での所謂『ローションプレイ』の事を思い出し、自ら進んでプレイの提案をすることは無かろうと思い、却下した。
    「師尊、今日は試したいものがあるのです」
    「ふむ」
    1度了承を得たからか何度か情事の際にて巷でまだ出回っているらしい洛冰河×沈清秋のnmmnを元にプレゼンが始まることがある。
    今回はどちらだろうか、春山恨か、冰秋吟か。どちらにせよ初めての提案の際に色々あった為とりあえずこういった提案は黙って聞くことにしている。
    「こちらなのですが」
    そういうと懐からぽんと洛冰河が取り出した細長いものを見てギョッとする。
    緑色で細長く、そしてゴツゴツとした見た目をしている、世間一般的に​───────『胡瓜』と呼ばれるものを。
    「これは瓜だな」
    「はい」
    「…食事なら先程済ませたばかりだが」
    「違います!いえその、食事が目的ではありません!
    こちらをその…受け入れて欲しいのです」
    「…」
    なにも知らないフリをしたい、が敢えて言わせてもらおう。
    こちらの教育では『食べ物で遊んじゃいけません』という教えは無いのか?!
    酒は飲むものだし、胡瓜は食べるものだ。
    それは口から行うものであって下の口で行うものではない!
    というか春山恨からだとするならその豊富なステータスを俺たちに活用せず柳溟煙は少しでも兄に分け与えてやって欲しい。
    「師尊、その受け入れるというのは」
    「洛冰河」
    「はい、師尊」
    黙っていたので理解されていないと思ったらしい。
    もじもじと恥じらいながらこちらを見つめる姿は様式美となっている『放課後校舎裏で待ってます!』とでも言わんばかりの状況だ。
    (…今日出す筈じゃなかったんだが)
    「そこの棚から小さめの化粧箱を取ってきてくれ」
    「?はい、わかりました」
    以前酒を本来の目的以外で使用した際に学んだ事がある。この子は結構したたかな所があり、交渉がかなり上手いという事だ。
    ならばこちらも無難な案を用意しておけばいい、所謂保険である。
    「師尊これは」
    封を解いて取り出して貰ったのは安定峰から取り寄せた毛羽立ちもしないよう加工してもらった縄だった。
    (冰河が緊縛playについて興味を持っているのは知っていたからな。せめて安全な物を用意してたんだよ!)
    今日だとは思わなかったが食べ物playよりマシだ!
    半ばやけくそで尚清華には憐れみの目を向けられながら用意した。思い出したら少々腹が立ってきた。
    「師尊、いや、娘子·····!」
    「腕!腕だけだ·····おい!前に縄を回すな!」
    こうして3日に1度の素肌が月に晒される夜は更けていくのだった。

    「ところでお好きな物と言っていたが、あれは瓜だったのか?」
    間食に用意してもらったよく冷えた胡瓜を齧る。美味しい。
    やはり食べ物は本来の用途で使うのが一番いいのだ。
    「はい、師尊。尚師淑が師尊の事を瓜兄と呼んでおりましたので理由をお伺いすると師が瓜が大変お好きだと·····違いましたか?」
    師がそこまで好きな物を把握出来ておらず、申し訳ありません。と頭をたれ出すので好好と柔い頬をなぞりながら口元に欠片を運んでやる。
    ​───────新たな決意を胸にしまい込みながら。
    (少しくらいお返しを用意しても構わんだろう。)

    後日『部屋に竹ひごトンボが溢れかえっている、大王に何をいったのか』という抗議を受けたがとんぼならば冬になれば眠るだろう、また春になるのを待つと良い。

    人のHNを笑うべからず、ネタにすべからず。
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