海の日「冰河、お前も早く脱ぎなさい」
ストンと衣を脱ぎ捨てていくと、泳いでいる目線。せっかく川遊びに来たと言うにこの子は何を考えてるんだ。
「いえ、しかし、師尊」
「野外ではしないぞ」
「そうではありません!」
先程の視線を思い出す。あれは違うらしい。
「この弟子は他の誰かにそんなお姿を見られるかもと思うと、気が気じゃなく…」
「…」
(お前がそう言うから夢の中へ来たんだろ!)
そう、本当は避暑も兼ねて清静峰の涼しい山で過ごしつつ川遊びなどで夏を乗り切る予定だったのだ。
が、この調子でごねられてしまい、交渉の結果今私たちは夢の中で遊ぶことにしたのだった。
「今はお前と2人きりだ」
「それは、そうなのですが…」
もじもじと乙女全開で照れまくっている。もっと恥ずかしい姿だって見ているだろうに、何か違うらしい。
「仕方がない、息を吸いなさい」
「師、うわ!」
すうっと十分な息を吸い込むと手を引き水の中へと飛び込む。───彼に酸素を送り込みながら。
これだけじゃ足りないだろうとすぐに上にあがる。
「川遊び、したくないか?」
「…もう一度、お願いします」