🎋👨🏫「「はいどーもーどついたれ本舗いいますー」」
🎋「うちのチームに詐欺師おるやないですかぁ」
👨🏫「いきなり何を言うとんねん! ツカミにして良い話題やないって」
🎋「(小声で)ねぇーっ、怖いですねえーっ」
👨🏫「『寒くなってきましたね〜』のノリで告発しとるやん」
🎋「『犯罪は、あなたのすぐとなりに』
(左隣を見て)…うおっ!おる!」
👨🏫「なにしとんねん そういうのって物理的に隣に立ってるって意味やないからな」
🎋「ほんま、犯罪って身近に潜んでるんですわ」
👨🏫「潜んでないであいつ 昨日も俺の家で堂々と酒飲んどったわ」
🎋「(モノマネ)良い酒もってきたぜ〜 おっ、ツマミ、無くなったみてぇだな。おいちゃんが料理の腕をふるってやるよ」
👨🏫「良いヤツやな」
🎋「な、良いヤツやねん …って騙されとるぅ!」
👨🏫「ハッ、あかんあかん」
🎋「そんな詐欺師がおるどついたれ本舗なんで、今日は注意喚起も兼ねて、『詐欺師に騙されない方法』をレクチャーしていこうと思います」
👨🏫「ええですね 義務ですね、我々の」
🎋「最近の詐欺は、定番ですけど、電話やインターネットで騙して、金銭を奪い取るっちゅうのが主流なんですわ」
👨🏫「あー、オレオレ詐欺とか、ネットのフィッシングサイトとかですね」
🎋「やっぱりそれが一番儲かるって言うてました」
👨🏫「今のは聞かなかったことにします」
🎋「冗談やって!(笑)」
👨🏫「笑われへんねんアホ」
🎋「ほな、実際にオレオレ詐欺を実演してみましょか、詐欺師と被害者に役割分担して」
👨🏫「はいはい」
🎋「いやぁ〜、俺、人を騙すの苦手やなー。やっぱり心根が優しいから。詐欺とか、たとえ演技でも、かわいそうで、でけへんわあ〜〜……はい、盧笙さんが詐欺師役お願いします」
👨🏫「やりづらいなぁ!お前自分だけ好感度上げようとしとるやん」
🎋「いえいえ、そんなことは…」
👨🏫「お客さん騙されないでくださいね コイツ、どっちかっちゅーと詐欺師側やから」
🎋「失敬な!どこがやねんこんな優しい目ェしとんのに」
👨🏫「お前、俺に借りた500円未だに返してないやん!コンビニのレジで『あちゃー!すまん!すぐ返すわ〜』言うて、そのまんま借りパク!立派な詐欺や詐欺!」
🎋「ギクーッ!」
👨🏫「ギクーッやない!」
🎋「まあまあ、昔の話は上に置いといて」
👨🏫「どこに置いとんねん 横やろ」
🎋「よっこいしょ!(荷下ろしのパントマイム)(離れたところに置こうとする)」
👨🏫「どこまで置きに行くんや!戻ってこい!早く実践するで、オレオレ詐欺」
🎋「ガッテン承知の丸の介左衛門っ!」
👨🏫「(電話のジェスチャー)プルルルループルルルルー」
🎋「ガチャッ」
👨🏫「もしもし?俺や、俺」
🎋「ただいま、留守にしております。ピーッという発信音の後に」
👨🏫「留守電やないか!」
🎋「オレオレ詐欺を防ぐには、普段から留守電にしとくのがええらしいで」
👨🏫「まともなアドバイス! しゃあない、もう一回、別の番号に掛け直すか… (電話のジェスチャー)プルルルループルルルルー」
🎋「ガチャ」
👨🏫「あ、もしもし?俺や俺」
🎋「おかけになった電話番号は、現在、使われておりません」
👨🏫「どこにかけとんねん!」
🎋「ちゃんと調べてからかけてください!」
👨🏫「お前のさじ加減やろ!ちゃんとやれ
(電話のジェスチャー)プルルルループルルルルー」
🎋「ガチャ!(声高く)はいもしもし?」
👨🏫「おっ もしもし、母さん?俺や、俺」
🎋「あら、盧笙さん?元気にしとった?ディビジョンラップバトル観ましたよ」
👨🏫「俺のオカンやないかい」
🎋「ちゃんと食べてるの?電話久しぶりやねぇ」
👨🏫「ほんまのオカンに繋がったら意味無いねん」
🎋「電話っ、嬉しいわっ…」
👨🏫「なに泣いとんねん!ええ話になっとる!!」
🎋「(簓に戻って)ちゃんと電話してやってな、ユリコさんに」
👨🏫「俺のオカンの本名バラすな!!」
🎋「なあ、めったに連絡こやんと、さみしい〜って言うとったで、ユリちゃんが」
👨🏫「俺のオカンをあだ名で呼ぶな!さぶイボ出たわ」
🎋「みなさん。俺、盧笙のオカンと仲ええねん。」
👨🏫「なんの報告やねん 要らん要らん!漫才の最中!!」
🎋「あ、せやったせやった」
👨🏫「オレオレ詐欺に騙されないように練習するんやろ?」
🎋「よろしくお願いしますぅー」
👨🏫「(電話のジェスチャー)プルルルループルルルルー」
🎋「ガチャ はい、もしもし?」
👨🏫「もしもし?俺や、俺」
🎋「(太い声)おう、息子よ どうしたんだ」
👨🏫「(首傾げつつ)あー、オトン?実は車で事故ってもうてー、相手が示談金に100万円すぐに用意しろって言うとるんやけどー」
🎋「なんだって!」
👨🏫「申し訳ないんやけど、すぐに持って来れる?」
🎋「父さんに任せなさい!(パンパンッと手を叩く)」
「(ひざまずいて)旦那様、いかがなさいましたか」
「(立って)すぐに100万円とヘリを用意してくれ、息子が大変なんだ」
「(ひざまずいて)かしこまりました。おい!屋敷の者たち!すぐに準備をー!」
👨🏫「おい」
🎋「100万円!どーん!ヘリコプター!どどーん!(ヘリの音)バラバラバラバラ…待ってろよ、息子よー!」
👨🏫「そいつ騙し甲斐がないわ!!」
🎋「はい。100万円。」
👨🏫「全然嬉しくない はした金やろ、そいつにとって!そのヘリになんぼかかっとんねん」
🎋「(そろばん)えー、ヘリのチャーターと、パイロットの手配と、離着陸のヘリポート押さえるのと〜えー、ザッと300万ですねぇ」
👨🏫「送料の方が高い!」
🎋「フリマサイトとおんなじやんな」
👨🏫「『お!ずっと欲しかった本が古本で出品されとる!しかも100円やん!送料は〜…800円?!』ってこれ先週の俺やないか」
🎋「結局買うてましたね 100円の本を800円の送料で」
👨🏫「あれこそ騙された気分になるな…ってちゃうわ オレオレ詐欺の話!その大金持ちは詐欺のしがいが無いっちゅうとんねん」
🎋「なんでや!」
👨🏫「騙し取ってもダメージ少なそうやから」
🎋「そうかあ〜?」
👨🏫「うん、あんなあ、詐欺っちゅうのはな、お年寄りや貧しい人、そういった弱者を騙して、そそのかして、なけなしの金をどんどん搾り取っていく!そこに醍醐味があんねん!」
🎋「うわっ、盧笙さん…」
👨🏫「…俺が極悪人みたいやないか!俺の意見ちゃいますからねこれ!?もうお前が詐欺師役やれや、交代や交代」
🎋「ええー、嫌や、やりたない!」
👨🏫「おい、ここで交代する台本やろ、変われって」
🎋「いやや!」
👨🏫「なにをゴネとんねん」
🎋「いややー!もう、やめさしてもらいますー!」
👨🏫「はあ?」
🎋「どうも、ありがとうございましたー(はける)」
👨🏫「えっ?!ほんまに終わるん?!」
🎋「はい。騙された」
👨🏫「…怖っ! お前、詐欺の才能あるんちゃう」
🎋「いやいや、盧笙が騙されやすいねん この騙され上手!」
👨🏫「失礼やなぁ」
🎋「そんなー、褒めてるんですよ! 心がキレイで純粋な証ですって!ヨッ、この騙され上手!」
👨🏫「……なんや、悪い気はせぇへんな」
🎋「ほらまた騙されとる〜」
👨🏫「ハッ!あかん!」
🎋「心配になってきました ほんまもんの詐欺師に騙されへんように、俺が詐欺師役やるんで、盧笙さんは…とにかく騙されないように頑張ってください」
👨🏫「やってみるわ」
🎋「(電話のジェスチャー)プルルルループルルルルー」
👨🏫「ん?知らん番号から電話や… ガチャッ はい!躑躅森盧笙の携帯です!」
🎋「待て待てぇ!」
👨🏫「んっ?」
🎋「知らん番号には出るな!ソッコーで名乗るな!」
👨🏫「あっ、ほんまや」
🎋「びっくりしたんはこっちや! カモがネギと土鍋とうどん背負って来たから」
👨🏫「シメまで持参しとるやん」
🎋「どうぞ騙してくださーい!って言うてるようなもんやで」
👨🏫「気ぃつけなあかんな… ちょおもう一回やらして」
🎋「はいはい、(電話のジェスチャー)プルルルループルルルルー」
👨🏫「ガチャ もしもし、どちらさんですか?」
🎋「(声高く)もしもし?お兄ちゃん?」
👨🏫「おお、どうしたんや?急に電話なんてかけてきて」
🎋「実はな、車で事故って…」
👨🏫「ええっ」
🎋「相手の方が示談金で100万円、用意しろって言うとんねん」
👨🏫「た、大変や…!」
🎋「お兄ちゃん、100万円用意してくれる?かわいい妹のためやと思って」
👨🏫「妹?ははーん、引っ掛からへんで!俺には、弟しか、おりません!」
🎋「弟の彼女ですぅ(早口)」
👨🏫「えっ」
🎋「お義兄ちゃん、100万円なんやけど」
👨🏫「す、すぐ持って行ったるな」
🎋「(簓で)あかんあかんっ!家族構成を自分から教えてどないすんねん」
👨🏫「……あいつ、彼女おったんか…?」
🎋「知らんがな あんな、電話口で相手に個人情報をむやみやたらに教えたらあかん」
👨🏫「なるほどな 勉強になるわ」
🎋「ちゃんと詐欺師を撃退出来るまでやるからな!」
👨🏫「た、頼むわ!」
🎋「(電話のジェスチャー)プルルルループルルルルー」
👨🏫「ガチャ はい、もしもし」
🎋「俺や俺、弟やけどー」
👨🏫「おう、どうした?」
🎋「バイクで事故ってもーて、相手に示談金出せって言われとんねん」
👨🏫「なんやって?いくらや」
🎋「500万」
👨🏫「ごひゃくまん?!値上がりしとるやないか! …わ、分かった 兄ちゃんがなんとかしたるわ」
🎋「ごめんなあ、受け渡し場所は〇〇駅西口!30分後に!ガチャリ(電話切る)」
👨🏫「(オロオロ)はあ、500万?そ、そんな大金、すぐには用意出来ひん…」
🎋「(小声)騙されるな盧笙〜!」
👨🏫「うーん…うーん…せや!
(電話のジェスチャー)プルルルループルルルルー」
🎋「え?」
👨🏫「(指差して、電話に出ろ、のジェスチャー)プルルルループルルルルー」
🎋「(電話のジェスチャー)は、はい?もしもし?」
👨🏫「あ、俺や、俺俺 俺やけど」
🎋「……盧笙??」
👨🏫「簓、500万円貸してくれ」
🎋「おい」
👨🏫「ほんま、すまん…!どうしてもすぐに必要なんや」
🎋「(呆れて)盧笙…」
👨🏫「理由は聞かんでくれっ」
🎋「盧笙さ〜ん!」
👨🏫「簓っ!こんな時、頼れるやつはお前しかおらんねんっ!」
🎋「……よっしゃあ!簓さんが出したるわ!」
👨🏫「おい」
🎋「500万?1000万?なんぼでも!どどーんっと!」
👨🏫「おい!!」
🎋「ハッ!」
👨🏫「ハッ!やないわ!お前まで騙されてどーすんねん!」
🎋「相方に頼られたのが嬉しくて、つい…」
👨🏫「みなさん、いいですか こういう家族や友人との信頼関係、大切な相手を助けたい、という良心につけ込んで詐欺というのは行われるんです」
🎋「はあー、勉強になりますなぁ」
👨🏫「じつは俺ら2人とも騙されやすいんちゃうかぁ?」
🎋「たしかになぁ 俺らこそ『詐欺師に騙されない方法』を学んだ方がええわ」
👨🏫「せやな、こういうんは、その道のプロに教えてもらうのが一番やな 身近におらんかなぁ?その道のプロ…」
🎋「(モノマネ)俺に教えて欲しいってかぁ?…高くつくぜ?」
👨🏫「いや金とるんかい!もうええわ」
🎋👨🏫「「どうも、ありがとうございましたー」」
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