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    響月柚子

    テイルズ好き、雑食。地雷ほぼなし。エロ・変態・腐発言注意です!エロ伝道師見習い。18禁垢(@kyoudukifu18)あり。 只今の沼→アイベル/カプは固定されてません!

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    響月柚子

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    アイベルギャグって言ってたやつ
    できてるところまで

    無題 ──今日は厄日だ。
     アイゼンは目の前の惨状にはぁ、と大きなため息を吐く。
     死神の呪いを自覚するアイゼンは、今まで幾度となく危機に立ち向かってきた。その度に何とか乗り越えてきたのだが──今回は少々酷すぎるのではないだろうか?
    「──アイゼン❤︎」
     今まで聞いたことがない甘ったるい声でアイゼンを呼ぶ少女──ベルベットは、その豊満な肢体を惜しげもなくアイゼンの身体に押し付けてくる。衣服越しに感じる柔らかな感触は心地よく、つい手を伸ばしそうになるのを何とか理性で抑え付けた。
    「……ベルベット。離れろ」
     惚れた女に甘えられて嬉しくないわけがない──が、それはあくまで本人の意思が伴っていることが前提である。正直な話、今のベルベットには個人の意思が全く感じられない。
     アイゼンははぁ、と一つ大きなため息を吐くと、正気を失った少女を引き剥がす。男の力には敵わないのか、ベルベットは思っていたより簡単にアイゼンから離れた。
    「やっ……!」
     けれどいやいや、と、まるで子供のように駄々をこねる少女に、災禍の顕主たる威厳はない。
    「……弱ったな」
     お手上げな状況に、アイゼンは思わず空を仰いだ。



    「──ええっ?! ベルベットがラブグミを食べたんですかっ?!」
     珍しくゆるやかな時間が流れる昼下がり。バンエルティア号のとある一室に、エレノアの素っ頓狂な声が響いた。
    「……あまり大きな声を出すな。アイツに見つかるだろう」
     アイゼンはしい、と口元に人差し指を当てながら、きょろきょろと辺りを見回す。幸いどうやらベルベットには気付かれなかったようで、付近にエレノアとアイゼン以外の気配はない。
    「す、すみません、つい」
     慌てて自らの口をふさいだエレノアは、でも、と小声でアイゼンに疑問をぶつけてきた。
    「──どうして私に?」
    「ああ、お前なら茶化すことなく真面目に対策を考えてくれるだろう?」
     魔女は論外、夜叉も戦闘以外ではあまり役に立たず、一行で唯一の良心である幼い精隷はおそらく、オロオロするだけで解決は不可能──つまるところ、涙目退魔師への協力依頼は消去法だった。
    「……なるほど」
     アイゼンの言葉の行間を読み取ったのだろう。エレノアは小さく唸って考え込む。ベルベットの名誉のためにはできるだけ早く何とかしなければならない──それが二人の間の共通認識となったのである。

    「なる早で何とかしますね」という、何とも心許ない言葉を頂戴したアイゼンは、何度目かわからない大きなため息を吐きながら部屋の外に出た。
    「──アイゼンっ!!」
     するとどこからともなく現れたベルベットが、勢いよく抱き付いてきた。
    「ッ……!」
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