だが、水ほど澄んでもいない。「血はさ、水より濃いって、言うじゃん?」
俺のタバコを勝手に漁りながら、弟はそう呟いた。赤のマルボロなんか、て言ってるくせにいつも貰いタバコをする。そう、こいつは俺の物を盗るのが得意だ。タバコならまだいいが、俺の服や靴も勝手に使う。
それから俺が寝た女に友達。あとは…まあ、実の兄の尻とか。
週末、今夜みたいにふらりと現れては「ヤラせてお願い」て言われるのも、もう慣れた。
さっきで弟のモノが入っていたそこをかばいながら、俺は狭いベッドの上で寝返りを打った。中出しされたせいで、中身が嫌な垂れ方をして腿を伝う。奥を突かれる気持ち良さに反比例して、気持ち悪いこの感覚。
自分と同じ体格の男の尻なんざ、何が良いのか、さっぱり分からない。
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