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    #弟宇ワンドロワンライ
    参加させていただきます。事後表現アリ短い現パロ弟宇…初めて書いたけどちょっとハマりそう。時間は39分。

    #弟宇
    temple

    だが、水ほど澄んでもいない。「血はさ、水より濃いって、言うじゃん?」

     俺のタバコを勝手に漁りながら、弟はそう呟いた。赤のマルボロなんか、て言ってるくせにいつも貰いタバコをする。そう、こいつは俺の物を盗るのが得意だ。タバコならまだいいが、俺の服や靴も勝手に使う。
     それから俺が寝た女に友達。あとは…まあ、実の兄の尻とか。
     週末、今夜みたいにふらりと現れては「ヤラせてお願い」て言われるのも、もう慣れた。
     さっきで弟のモノが入っていたそこをかばいながら、俺は狭いベッドの上で寝返りを打った。中出しされたせいで、中身が嫌な垂れ方をして腿を伝う。奥を突かれる気持ち良さに反比例して、気持ち悪いこの感覚。
     自分と同じ体格の男の尻なんざ、何が良いのか、さっぱり分からない。

    「いい言葉だと思わない?」
    「…何がだよ」

     弟は、ベッド端に座って向こうを向いてるので、その表情は分からない。無駄につけた背中の激しい爪痕だけが、目に入る。普通は痛いだろうに、俺の爪で引っかかれると、こいつは興奮するらしい。聞いてるこっちが萎えそうだった。

    「血の繋がりはさ、」

     マルボロに火をつけ、弟は咥えながら喋ってる。器用なヤツ。

    「絶対に消えないだろ。いくら縁を切っても残る。紙きれでする結婚なんか、別れたら終わりだぜ?そんな薄っぺらい者より、ずっと濃いのが、血。最高じゃん」
    「…」

     何と答えたらいいか分からなくて、俺はうつ伏せになりながら枕を抱きしめて顔を埋めた。けれど枕からまで弟がつけてる香水の匂いがして、腹が立った。どこもかしこも、こいつに侵食されてる気がする。

    「お前さあ、近親相姦なんでダメか知らねえの?遺伝子が劣化するからだぞ、繰り返してると」
    「別に子孫残す気はないけど?」
    「…俺のお下がり女とは寝るくせに」
    「兄さんのお下がりだから、価値があるんだよ」
    「お前キモチワルイ」
    「その『キモチワルイ』奴に散々抱かれてんのは誰だよ。メスイキまで覚えたくせに」
    「にいちゃんはお前は嫌いだよ…」
    「別にいいよ。それでも、俺との血の繋がりは断てないから」

     まだまだ残ってるマルボロを灰皿に押しつけて、弟はうつ伏せのままの俺に、覆い被さってきた。

    「だからさ、兄さん。逃げ場なんか、ないんだよ」

     髪を触って耳に触れて、弟は俺とそっくりな声で怖いことを呟いた。そうしてセックスの最中みたいに、耳を、甘噛みされた、もしかしたら、擬似的に食われているかもしれない。

    「お前、こえーよ」

     軽い絶望感を感じながら、逃げ場のない俺はそう言うしか無かった。





     
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    ほしいも

    DONE煙草を買いに行く
    ■猗窩煉です
    ■現代パロディ
    「……。」
     深夜のコンビニ。店員の姿は見えない。カウンターの奥に並べてある、彩り豊かなパッケージに睨みをきかせる。先日配置換えを行ったばかりの棚の中で、小さな長方形の紙パッケージが大人しくいい子に整列していた。
    「お待たせしました、どうぞー。」
     レジ奥からアルバイトの青年が小走りで出てくる。会計待ちだと思われたのだろうが、自分の手元にもカウンターの上にも商品はない。
     目線の先に並んだパッケージから、目当ての銘柄を探す。焦点の会わない視界、僅か1メートルばかりの距離でも識別するのは難しかった。眉間に力を込めたまま、黒い紙箱を探して目を凝らす。
    「すまない、先週まで3番だった…。」
    「ああ、こちらですか?」
     仕事人を手ぶらで待たせている時間が耐え切れずに、誰に言うでもなく呟く。すると、直ぐに目当ての銘柄をカウンターに出してくれた。それも、注文する前から2箱準備をする気の利きよう。いかに、このコンビニに足繁く通っているかが分かる。
    「それだ、ありがとう。」
    「いつもありがとうございます。」
     スウェットのポケットに手を突っ込んで小銭を漁る。逃げ回るコインを追うのを邪魔するのは、部屋を 830