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    444yomotu

    @444yomotu

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    444yomotu

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    1日800文字のやつ。今日のが結構気に入ったのでテキストをアップするとどうなるかのテストと、マイタグのテストを兼ねて。
    ブ主だけどブラウンがいない。うちのピアスはおくちがわるい。

    ##ペルソナ

    上杉は目立つ。
     学校のあちこちに出没するが、彼がどこにいてもすぐ気が付けてしまうほどに。奴の言動の全てがやかましいとは、南条の言葉だ。

     今も廊下の向こう側から、でっひゃっひゃ! と馬鹿笑いが響いてくる。どうせあの角を曲がった先に奴がいるのだろう、と視線をやった。
    「まーた見てら」
     呆れきったマークの声が俺の背にぶつけられる。振り返り、何が、と吐き捨てる。
    「ほんとあいつのこと好きだよなー」
    「だから。別にそういうんじゃなくて。上杉がうるさいから」
    「キレんなよ」
     先ほどまで呆れきっていたマークの顔は、ニンマリと笑っていた。クソ、こいつ俺のことからかってやがる。
     不愉快さを隠さず、廊下に背を預けて腕を組み、じとりとマークを睨む。だが、彼は「おおこわ」なんて言いながらも肩を竦めるだけだ。効いちゃいない。
    「お前がしつこいからだろ」
    「オマエがブラウンに毎日毎日毎回毎っ回反応すっからだろー。飽きねえもんかね」
    「うるさい。あいつが目立つから」
    「でもよ、わざわざあいつの方見ることあるか?」
    「……」
     見ない理由もあるか? と返そうとし、いやいや、見ないのが普通だと言葉を飲み込む。
     そもそもこの間、ゆきのさんと同じ問答をしたところだ。この返事の間抜けさはその時思い知っている。
     そして、あの時のゆきのさんと同じように、普通は見ないんだよと表情だけで語るマークを見るのはむかつくから嫌だ。
     というか、こいつの場合は口に出すだろう。それはそれでむかつく。

     黙り込んだ俺の顔を覗き込んでマークはけたけた笑った。
    「ほんっと、オマエって分かりやしーな」
    「マーク」
    「ブラウンにも気付かれてんじゃねえの」
    「園村さんに対してのお前よか分かり辛えわ」
     あまりのしつこさに、俺は禁句を口にする。
     途端にマークの動きが止まり、かあっとゆでだこのような顔色になった。いつ見ても見事な茹で具合だ。こいつに分かりやすい分かりやすいとからかわれるのが馬鹿らしくなる。

    「……そういうこと言うのかよ」
    「あ?」
     ぶつぶつ、そういうんじゃねえし、などと先ほどまでの俺と同じ言い訳をいくつか口の中で呟いていたマークは、ため息まじりに俺を見上げた。
    「今日の手伝い、ブラウンもくるらしーぜ」
    「……」
    「そういやセンセー、もひとりくらい手ぇ欲しいつってたっけなー」
    「……」
     マークがわざとらしく俺を見上げる。まだ耳元は赤いが、元の顔色に戻ってきていた。そして俺をからかってにんまりと弧を描く目元も。
     俺はというと、廊下に預けていたはずの背中を離していた。我ながら馬鹿みたいに素直で嫌になる。

    「職員室の方向でも教えてやろうか?」
    「うるせーわバカ」
     マークに負け台詞を吐き捨て、ずんずんと廊下を歩く。冴子先生を探すために。
     背後からは、マークが堪えきれず吹き出す音が、ブラウンの目立つ大きな笑い声と混ざって響いていた。
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    444yomotu

    TRAINING1日800文字のやつ。今日のが結構気に入ったのでテキストをアップするとどうなるかのテストと、マイタグのテストを兼ねて。
    ブ主だけどブラウンがいない。うちのピアスはおくちがわるい。
    上杉は目立つ。
     学校のあちこちに出没するが、彼がどこにいてもすぐ気が付けてしまうほどに。奴の言動の全てがやかましいとは、南条の言葉だ。

     今も廊下の向こう側から、でっひゃっひゃ! と馬鹿笑いが響いてくる。どうせあの角を曲がった先に奴がいるのだろう、と視線をやった。
    「まーた見てら」
     呆れきったマークの声が俺の背にぶつけられる。振り返り、何が、と吐き捨てる。
    「ほんとあいつのこと好きだよなー」
    「だから。別にそういうんじゃなくて。上杉がうるさいから」
    「キレんなよ」
     先ほどまで呆れきっていたマークの顔は、ニンマリと笑っていた。クソ、こいつ俺のことからかってやがる。
     不愉快さを隠さず、廊下に背を預けて腕を組み、じとりとマークを睨む。だが、彼は「おおこわ」なんて言いながらも肩を竦めるだけだ。効いちゃいない。
    「お前がしつこいからだろ」
    「オマエがブラウンに毎日毎日毎回毎っ回反応すっからだろー。飽きねえもんかね」
    「うるさい。あいつが目立つから」
    「でもよ、わざわざあいつの方見ることあるか?」
    「……」
     見ない理由もあるか? と返そうとし、いやいや、見ないのが普通だと言葉を飲み込む 1220