寝正月新年だからって、何が変わったという訳ではなく。寧ろ変わってくれてれば良かった。変わるのであれば、少しは善い方向へ向かってくれる事を祈るばかり。
この“国”の化身の様なモノである私が、こんな調子ではイケナイが。
バタバタと行事やらなんやらで時が過ぎ、時間に余裕が出来たのは1月も下旬近く。
疲れが溜まっていたのか、コタツでうっかり寝込んでしまい髪を触る感触で目が覚めた。
銀髪赤眼の男がかなり間近で睨みつけてる。
「……ぅいょぉー」
「おぅ。おはよーさん」
「いつ……来はんれふ?」
動く気もなく目線だけ、ぼんやりプロイセンに向ける。
ウチに来るとは聞いてない。しかし来たい時に来るのが常である。
「だいぶ前だ。ポチの散歩は行っといたし、餌も出してあるゼ。タマの分も」
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