ただ一人の名のメメント・モリ今日も朝が廻る。
起きてぼんやりとした頭のままで、ゆっくりとベッドの中から抜け出し座り込む。
里を出る前日…師であるオリエ様の葬儀を思い出していた。
諍いにて自分を守るために庇って、斃れてしまったその人は亡くなる前に後悔の言葉を言っていたことも。
…その言葉の事もあれば、自らは守護者になれはしないだろうと悟って、里から消したけど。
どちらにせよ、この里に居るべきではないと思ったからだ。
でも里を出る当初は一人で出るのはとても、さみしい。
一人でどう生きればいいのだろう、どうすればいいのだろう、と考えたときに師が俺に話していたことを思い出していた。
師は、本当は外の世界を見たかったことを。知らない物を、人を、文化を、知りたかったことを。
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