たわむれる/麿さに「清麿のほっぺって柔らかそうだよね」
突然主がそんなことを言い出した。
「……そうかなあ」
「うん。確かめてもいいかな」
少しためらって、でも、まあそんなに悪いことにはならないだろうなあ、と二つ返事で承諾した。
「うん。いいよ。」
「ありがとう」
にこっと笑って、主は僕の頬に触れた。
「……わ。すべすべだ」
「ふふ、ちょっと、くすぐったいかな」
「そう?」
さわ、さわ、と、彼女の小さな細い指が柔らかく触れる。目を閉じれば感触だけをたどれて、これはこれで面白い。
「どうだい、柔らかいかな」
「うん。思ったよりうすくて、でも、やわらか、」
あ、と、主が声を上げたので、ん、と目を開く。彼女の指の先に、僕の唇が触れていた。
「……ご、っめん、不可抗力で、」
「うん。いいよ、別に。気持ちがいいから」
「へっ」
辿るのをやめて止まった手に、僕の方から触れる。
「ねえ、主」
続けてよと言ったら、主のほっぺが赤くなった。