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    ゆるはら

    主にちょっと表では載せられないようなSSを投げる場所です

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    ゆるはら

    REHABILI同じ温度に還る/土方組(若干兼さに?)
    死生観の話なので暗いです
    主の命で、僕と兼さんはある審神者の葬列に参加した。
    棺の中のその審神者は、懐に刀を抱いていた。
    「兼さん、あれ、って」
    兼さんは人差し指を唇に当てて、首を横に振った。どう見てもあれは。僕たちと同じだった刀だった。

    「なんで、一緒に焼かれることを選んだんだろう」
    帰りに兼さんに聞いてみた。
    「……さぁな。んなもん、聞いてみねぇとわかんねぇさ」
    「けど…僕たち、戦うために宿されたのに…」
    主の意志を継いで戦い続けるのでも、主の最期を見届けるのでもなく、主とともに焼かれる。それは、ほとんど心中のようなものだ。
    「…案外、同じ温度で、同じものに溶けてひとつになりたかったんじゃねーかな」
    「…それでも残る思いがあっても?」
    いや、どうだろうな、と兼さんは空を見上げた。
    「そういう奴に限って、悔いを残さねぇもんだよ」
    「………わかんないよ」
    「だろうな、…けど、そういう形もあるってこった」
    はっとした。兼さんは、いずれそのつもりがあるのだろうか。兼さんの心残りは、恐らく。
    「………心配すんな、俺はお前を置いては行かねーよ」
    「………うん」
    そうだといいけどな、と。僕も空を見上げた。
    火葬場の煙が 514