夢見の悪い茨の話ガタン。
静まり返った空間に響く大きな音。
弾かれたように身体を起こすと同時に自分が仕事中にうたた寝していたことに気づいた。
「……またか」
これはちょっとまずいかもしれないな、とパソコンの液晶を侵食する意味のない文字の羅列を削除しつつ、ため息を吐く。
深夜の1人での仕事中に眠り込んでしまうのは、初めてではなかった。
俺こと七種茨は最近よく眠ることが出来ていない。
いや、眠ること自体はできるが、どういうわけか夢見が悪かった。
気づけば1人、淀んだ暗闇の中にいた。
辺りを見渡すと遠くの方にわずかに明かりが見える。
目を凝らすと、光の中にいたのは同じユニットメンバーの乱凪砂、巴日和、漣ジュンだった。
それを認識した途端、地響きのような轟音が幽闇の中に広がる。
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