パンケキくん、宇宙へ行くあるところに、パンケキくんというおじさ…妖精さんがいました。
彼はエオルゼアにパンケーキを広めるために現れた妖精さんです。
お付きのお茶の妖精さんは、パンケキくんの思いつきにぶんぶん振り回されていました。
そんな平和なある日、パンケキくんは言ったのです。
「そうだ、宇宙へ行こう」
思いついた時が吉日、そう言わんばかりにパンケキくんはお茶の妖精さんにパンケーキを山ほど依頼し、完成したパンケーキ達を荷車に載せました。
そしてその荷車を掴んで一言。
「おら、宇宙さいぐだ!!!!!」
そう言いながらお茶の妖精さんも荷車に載せて宙を駆けていきました。
宇宙の果てにたどり着いたパンケキくん。大変荒廃した土地を見て残念、がることはありませんでした。
どう見ても荒廃したこの土地に住む原住民達は、よく見知った人でもなく、パンケキくんのような姿でもなく、奇妙な『宇宙人』でした。
「これはビジネスチャンス、勝てる!勝てるぞ!!」
そう言いながらふわふわのパンケーキを渡します。タコのような宇宙人は言いました。
こんなよく分からない食べ物のどこがいいのかと。
「ふわふわで幸せになるだろう?そう、心が幸せになる。心が大事。」
心、と呟きながらその宇宙人は1口食べてみます。ふわふわとして、幸せな気持ちを知りました。
次はロボットのような宇宙人が来ました。こういう星だから、ロボットのような宇宙人がいてもおかしくありません。
しかしパンケキくんが差し出したパンケーキ、それを食べることは出来ないんだ、と謝られてしまいました。
「それなら眺めていればいい。心が幸せになるからな!!!」
そう言って半ば押し付けました。
静かにその宇宙人はパンケーキを眺めていましたが、何となく心が暖かくなった気がします。
「そうだろうそうだろう、パンケーキは偉大だからな!!!」
そう言ってまた宇宙人を救いました。やはりパンケーキは偉大。
気付けば、他の宇宙人たちも買いに来ていました。あっちからもこっちからも声がかかります。
あっという間に持ってきたパンケーキは売り切れてしまいました。
「また作って持ってくるから、いい子にして待っているんだ」
そう言うと、パンケキくんはあっけに取られたままのお茶の妖精さんを連れて帰っていきました。
そうして、パンケキくんが広めたパンケーキ。
幸せが宇宙にも届けられたのです。
知らないうちに、パンケキくんは世界を救ったのかもしれません。
そんなことは露知らず。宇宙店が出来たパンケーキ店は宇宙人立ちに託し、次なる店舗拡大をめざします。
「次はどこに行くか、暖かいところが良いな。象がいるところ」
言うが早いか、荷車にお茶の妖精さんをのせてガラガラと次の旅を始めるのでした。