1/14・15の2日間限定で普段未公開のとある歴史ある文化施設に入れるイベントの15日枠が抽選に当選したので東京に行くことになった。
折角なので14日は適当に史跡巡りでもしようと思ってグループラインにそんな事を書いたらアズサに10時に集合と一方的に呼び出された。
1月14日某所
「おはようツラヌキ、時間がないからさっさと行くわよ!」
「行くってどこいくんだアズサ?全くもって説明がないんだが」
挨拶を済ませた途端に俺の腕を引っ張り歩き出すアズサ
「あれ、言ってなかったっけ?今年のバレンタイン限定チョコを巡るのよ!」
「ふぇっ!?」
は?え、チョコ?を俺を連れて?ってことか?え?俺に?いや、そもそもアズサは俺をすきなのか?だったら……
「動画の為にバレンタインフェアのチェックは外せないもの身軽に動くには荷物一緒に持ってくれる誰かいると楽だからね!頼むわねツラヌキ」
出来ればちょっと撮影もしたいしね!と此方も見ずにまた腕を引っ張り出すアズサ。
「ア、ハイ、ソウデスヨネ-」
いや、そうだよなコイツは、知ってた
、うん。
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「うん、情報収集はバッチリね!」
「つっても、荷物持ちさせた割にはあんま買ってねぇな?撮影もほとんどしてねぇし」
俺が持たされているのはちっさい紙袋が数個、アズサも2個
「そうね、本番は2月入ってからだから。撮影も不可のところも多かったし」
今日オレ必要あったか?……いや、まぁアズサとの時間は楽しかったけど。
「まぁ良いじゃない、歴史ある百貨店も行ったんだから。ツラヌキも何だかんだ楽しそうにソワソワ見て回ってたじゃない」
「それはそうだけど……」
確かに建築も見れて楽しかった。楽しかったが、カップルがチョコ買っているのを見たら自分たちも周りからそういう風に見られてるのかな?ってソワソワしていたもあってゴニョゴニョ
「確かツラヌキは大宮支部の寮に今日は泊まるのよね?」
「あぁ、十河のおっちゃんが部屋空いてるからきれいに使うなら1日くらい構わねぇって言ってくれたからな」
「そっか、じゃあここで解散ね」
「おう、荷物多いんだから気を付けて帰れよ」
小さいとはいえ一人で持つには少し嵩張るチョコの紙袋をアズサに渡す。
「大丈夫よこれくらい」
「またな」
そう言って手を振ろう挙げようとしたら
「はいツラヌキ、コレ今日のお礼」
とチョコの紙袋をひとつ渡してきた。
「今日はありがと。楽しかったわ、またね」
アズサは言うやいなや颯爽と家路に向かい歩き去ってしまい、見えなくなったあと貰ったチョコを見てみると、「本命に贈るならこれはアリ!」とテンション高めにどんなに良いチョコかアズサが語っていたやつだった。
この後、自分がどうやって寮に着いたか記憶がないがチョコの紙袋だけはしっかり持っていた。