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    mmty1016

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    2020年ハロウィン用②

    2年も前のものだけれど、神無月が設定を忘れないようにここにも収納しておく……
    探究者編

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    recommended works

    other8e

    MOURNING幸せであれ
    ※しじみ食べたことないので食感は検索してみたけど実際のところ知りません
    「嶺二」
    ぼくの名前を呼ぶ声にゆっくり目を開けると、ベッドの端に腰をかけたランランの姿があった。
    「おはよう、嶺二。やっと起きたな」
    ランランはぼくの頬をそっと撫でてふわりと微笑む。少しくすぐったい。カーテンの隙間から射し込む陽の光が、ランランのまだセットしていないふわふわの髪の毛を明るく照らしてきらきらと輝いている。
    「いまなんじ?」
    身を起こしながら聞くと、7時だと教えてくれた。ちょうどいい時間だ。
    体を起こしたものの疲労の残る体はまだ少しだるくて、ベッドの上でぼうっとしてしまう。ランランの小さく笑うような声が聞こえたかと思うと、ぎしりとベッドの軋む音と唇に優しく触れる感触。それにうっとりとする間もなくランランはぼくから離れて、物足りなさを感じて見上げるぼくの髪を大きな手でくしゃくしゃとかき乱した。
    「ちょっとー!」
    「目ぇ覚めただろ?朝飯作ってあるから早く顔洗ってこい」
    「うん」


    着替えは後回しにして、顔を洗って歯を磨いてリビングに向かうと、美味しそうな匂いがぼくを待っていた。
    「わー!すっごい!和食だ…!」
    テーブルには、お味噌汁に焼き鮭に卵焼きが並んでいて、どれもまだ白い 2846

    ori_md

    MEMO『私の少年』


    「今思えば、母は恋人達にそれなりの情はあったように思う。もしかしたら、私に対しても、そうだったのかもしれない。ただ、優先順位の一番に自分がいただけなのだろう。そう思うとき、母が少しだけ愛しくなる」#いいねの数だけうちの子の実在しない小説の台詞を書く
    このタグの回答、あまりに言葉足らずかなと思ったので、短編書きました。

    ☆ ☆ ☆
    「あんたはあたしに恩返しするんだよ」

     幼い頃、母は私に何かある度にその言葉を口に出した。
     子どもの私はその言葉を母に対する負債だとは厳密には理解していなかったように思う。
     赤子がやがて歩き始めるように、腹が減ったらパンを口にするように、いつか自然と時が来たら“おんがえし”という行為をするのだとぼんやり認識していた。当時の私には、与えられた情報の数々を疑う発想がなかった。
     当時の私が抱いていた世界とは、世の中には正しいこととそうではないことがあり、にも関わらず正しさは絶対的ではなく相対的で、どの正しさを選ぶかは極めて恣意的で自らの内面と向き合う行為である――そんな複雑さを持ち合わせない世界だったのだ。
     やがて分別を身に付けると、あれは母が私に施していた呪いだったのだと唐突に思い至った。
     母は私に呪いをかけ、自らの祝いを咲かそうとしていた。勿体ぶった言い方をするのなら、きっとそういうことだろう。
     私が知る限り、あの当時彼女には愛を交わす人間が幾人もいた。
     利用しあう関係もあっただろうが、中には本当に母に愛を施す恋人がいないでもなかったように思う。

     “他者を愛せない人間 1400