ダムゲートコントロール――アドラー星、エラルド島。
「い、いー天気!」
サマルは洗濯したシーツを干しながら、久しぶりの地上、久しぶりのお天気を楽しんだ。
約二年間に渡る西太陽系の海賊退治任務が終了し、大インドサーカス傭兵団はバキン・ラカン帝国のエラルド島に寄港していた。
「久しぶりの地上だからな、この日光で干されたシーツで寝るのは気持ちいいだろうね」
長い髪を束ねたアーリアは、サーヒルが追加で運んできた洗濯物をどんどん干してゆく。大量のシーツが風に揺られ、辺りには石鹼の柔らかな香りが漂っていた。
「なんつーか、のんきですね」
二年ぶりの地上でまずやることが洗濯とは、とカーシは呆れた。とはいえ、このフットワークの軽さ、雑用でも自分で行うという気質が大インドサーカス傭兵団の雰囲気づくりに寄与していることは間違いない。
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