つぎの休み(仮)「きり丸、今度の休みは僕らバイトの手伝いしなくていいの?)
「あ〜、二年の久作先輩とまた里芋行者さんのとこの興行に手伝い行くことになったんで、大丈夫。サンキュー」
きり丸がこういう言い方をする時は、少しイジケてるって知ってる。
どうしてそんなこと思うのかわからないなけど、きり丸はたまに僕としんべヱとの「一蓮托生」の輪から少しだけ距離を置こうとする。
僕はきり丸の思考のクセや趣味嗜好、睡眠時間に体力や集中力の限界といった"習性"って言えるものは大体把握してるつもりだ。
でも、きり丸の考えてることなんて、僕にはわからない。
僕ときり丸は別の人間だし、きり丸が僕に求めてることも本質的にはきっと永久に理解できない。
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