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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    アイドラ小説
    美男くんと卵の話

    学校のチャイムがなってお昼の時間となった。世良はいつも弁当を持ってきているため弁当を持ってカフェテラスへと行く。早めに行かないと席がなくなるため早めに行ったのだが、既に生徒でガヤガヤと騒がしかった。なんとか席を確保しつつ弁当箱を広げろうとすると自分に声をかける……というか大声で気づいた。顔を向けると同じ学年の美男だった。相変わらず声が大きい、と思いつつ口を開く。
    「どうしたの王さま」
    「ここに座っていいか?席がもう空いてなくてな」
    「あー、いいよ。特に約束してないから」
    礼を言って自分の目の前に座る美男、弁当の中身をチラリと見たが野菜や肉などバランスがよく美味しそうだった。美男も世良の弁当を見たのか感心したように言う。
    「それ親から作ってもらってるのか?」
    「んー?俺が作ったよ、この卵焼き自信作」
    「ほう、世良は料理が上手いんだな」
    せっかくなので美男に卵焼きをあげようかと思った時、美男がしみじみと言い始めた。
    「それにしても店で売られてる卵は可哀想だ、ひよこになれなかったのだから。無駄なく食べないとな」
    「………ん?」
    今なんと言った?と世良は思わず耳を疑った、まさか冗談を言ってるのだろうかと美男の顔を見たが、どう見ても真面目な顔だった。世良が顔を顰めたのを見たからか今度は美男が顔をしかめる。
    「なんだ、変なこと言ったか?」
    「……え、王さま……。え?マジ……?えーと……店とかで売られてる卵は元からひよこにならない卵……だよ?」
    「………な……!?」
    まさか自分と同い年にも関わらず知らなかったことに若干驚いたが、世良以上に驚きを通り越してショックを受けてるように見える美男を見てお互い沈黙が走る。
    「……冗談だろう……!?」
    「えーと……王さま、スマホで調べてみたら」
    世良がそう言うとすぐさまスマホを取り出して検索をし始める美男。そんな様子を見守っていると、美男のどんどん顔がさらに顰めていく。
    「知って……………」
    おそらく知ってると言いたかったのだろうが状況がそれを許さなかった。言い淀んだかと思いきや机に突っ伏し項垂れた美男を周りは怪訝な顔で見る。この光景、すごく目立つ。と世良は思いつつなんとか慰めようとする。
    「えーと……王さまってピュアなんだな?いい事じゃん……?」
    「……この俺がピュア………くっ!イメージに関わる………!」
    「あー……えーと……。ギャップ萌えだよ、な??元気だせって……俺でよかったな、俺以外だったらめちゃくちゃ笑われてたと思うよ王さま」
    何となく妹のことを思い出す。妹も美男と似たような勘違いをしていたな、と思いつつまだ落ち込んでいる美男をどうやって元気にさせるか、と頭を働かせる世良だった。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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