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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
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    ちょこ

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    アイドラ小説
    榊先生と時雨の話

    時雨が資料室に用事があり、そっと扉を開く。資料室は主に教師が授業で使う資料や昔の記事や録音されたデータなどが残っている。データや資料の数の関係で部屋の広さは中々のものだ。掃除は定期的にされていると言われているが所々にホコリが溜まっており、部屋の空気の悪さに少し顔を顰めつつ目的の探し物を探す為中に入る。
    探し物を探そうとしていたらなにやら誰かいたらしく声のする方へ顔を向けるとよく見知った背中が見えた。その人物は本棚の前で背伸びをしてなにか取ろうとしていたが、身長の関係か、はたまた庇ってる足のせいか、取れる様子はない。少し考えた時雨は音もなく近寄ると後ろからこれだろうか、とすんなり本を取った。突然伸びてきた手に驚いた様子で後ろを向いた人物──榊は時雨を見る。
    「……これですか、榊先生」
    「……な、なんですか!自分が高いアピールでも!?」
    「……はぁ……?」
    誰もそんなつもりで取ったのではないが、と思いつつ、相変わらず素直ではない先輩である榊を見る。時雨からしたら、足が悪いというのにあのまま背伸びして取るのは辛いだろうと思ったからだ。まぁ、それを言ったところで、相手は嫌味を言うのだろうかと思ってしまったため何も言わずにいると小さな声でありがとうございます、と聞こえた。聞こえたのだが、少しにんまりと笑うと渡そうとした本を高くあげる。
    「榊先生、今なんて言いました?すみません聞こえなくて」
    「キーーーーッ!お前は本当に昔から変わらない悪ガキですね!」
    「もう悪ガキって歳ではないですよ」
    「歳なんて関係ないです!いつまで経ってもお前は……!」
    「ははっ」
    やんやと言ってくる榊に昔みたいだ、と思わず笑う時雨。あともう少ししたら渡すか、と思いながら。
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