今日、自分の親友でもある華王美男の誕生日は色んな人からお祝いされていた。両手に抱えきれないほどのプレゼンを持って嬉しそうに笑う美男。頭には紙吹雪の小さな紙がついており、世良は笑いながらそれをとって美男に話しかける。
「王さま愛されてるねぇ〜」
「……こんなにお祝いされたのは初めてだな! なーはっはっはっ!!」
「はい、王さま」
「ん? なんだ?」
世良は小さな小袋を美男に見せる。美男は一旦プレゼントを机の上に置いて世良が見せた小袋を受け取った。中を開いてみると小さな小瓶にはいった石だった、石は2種類あり、1つは黄色、そしてもう1つは青色の混じった石。その小瓶はキーホルダーみたいになっていて、鞄などに付けられるようなデザインだった。小袋の中に入っていた小さな紙には【天然石 シトリン ムーンストーン】と書かれている。美男が部屋の照明に小瓶をかざすと光に反射してキラキラと輝いて眩しかった。
「世良、これどうしたんだ」
「どうしたって買ったの〜。王さまは知ってそうだけど、誕生日花みたいな感じで宝石にも誕生日石ってあるんだって。しかも一日一日に、だから定員さんに聞いて、王さまの誕生日言って、一緒に選んだの。色合い的にも王さまっぽいでしょ?」
「……世良らしいな」
「……ねぇ王さま」
世良は改めて美男に向き合うように顔を、目を合わせた。美男は真っ直ぐ自分を見る世良をみて同じく世良を見る。世良は笑いつつ口を開く。
「……王さま、改めて誕生日おめでとう! 王さまと出会えて、親友になれて、親友の誕生日を祝えて、凄く嬉しい。……これからも、親友の誕生日を祝えたら俺は嬉しい。……産まれてきてくれてありがとう」
「……世良……」
世良の言葉に目が潤みだした美男をみて思わず笑ってしまう世良。手で顔を抑える美男に背中をさするように手で撫でた。
「王さま泣くなって〜、な? こっちが泣きそうじゃん」
「……ありがとう、本当に」
「……どういたしまして」
美男が泣いている様子を見て思わずもらい泣きしてしまったのか、目尻に涙が溜まっているのに気づき自分で指で拭う。親友がここまでみんなに愛され、お祝いされていることにこちらまで嬉しくなりつつ、さっき涙を拭ったというのにまた泣きそうだ、と笑った世良だった。