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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    没を斬った時、没がシュレッダーゴミになる前に琥珀の右目目掛けてなにかをした。突然の事で避けきれなかった琥珀はまともに右目が没の何かで包まれ、そしてシュレッダーゴミになっていくのを見るしかなかった、琥珀は思わず右目を押さえた。
    特に右目に痛みはなく、ついでに体にも変化はない。一体なんだろうか、と怪訝な顔をしていると隣にいたサクリが琥珀の顔を見て目を見開いたかとおもったら、琥珀の手を取りそそくさと路地裏へと連れていく。サクリの行動に琥珀は疑問に思っていると、サクリは琥珀を指さして言った。
    「サクリ?」
    「お前、右目の色変わってる」
    「は?」
    琥珀はスマホのカメラモードで自分の顔を見た、するとサクリの言う通り右目がサクリの目の色そっくりな金目になっていたのだ。あの没の影響だろうかと思いつつ、赤と金の目立つ様に琥珀は思わず顔を顰めた。
    「うわ……目立つな……。創務省に行ったら治るかな」
    「……お前、灰純には会うなよ」
    「……あぁ、なるほど」
    琥珀は一人の顔を思い浮かべる、パッと見は好青年そうな学生である灰純だが、どうも彼に潜んでいる狂気みたいなのを感じ取っていた、そしてサクリから聞いたのだが、相手は人間の瞳が好きとの事。それ聞いた時はそうだったのかと思ったと同時に、やはり自分の直感は合っていたかと頭を抱えたのは記憶に新しい。ならばこの金目をどうにか誤魔化さないといけない、灰純に会ったら面倒だが、あまり目立つのもいい気分ではない。
    「前髪で隠せれるかな……」
    スマホの画面を見ながら前髪でなんとか金目を誤魔化そうとしたが、皮膚にチクチクと髪が刺さる感覚が慣れず、しかも上手く隠しきれずに思わず唸ってしまうと、その様子をじっと見ていたサクリが琥珀の右目に骨の手を添えた。
    「色変えの魔法するからこれで誤魔化せるだろ、創務省に着く頃に解除してやる」
    「あ、すまない」
    サクリが琥珀の右目を撫でるように魔法をかけようとしたその時、二人の耳に一人の人物の声が聞こえた。
    「そんなんで誤魔化せませんよ旦那〜」
    「……げっ」
    サクリが唐突に嫌そうな顔をして先程二人の話題に上がっていた灰純が現れた事に琥珀も思わずどうしようかと灰純を見た。灰純が来る前にサクリがかけたかった色変えの魔法が出来ていないのだ、灰純はじっと琥珀を見ていた、正確に言えば、琥珀の目を見ていたのだろう。
    「いや〜、綺麗っすね……。しかも金と赤なんて一石二鳥! ニジゲンからは目が取れないんですけど……いや、まさか……俺ってラッキー」
    「お前、倫理がねぇな」
    「アンタこそ、真っ当そうな人間を傍に置いてるの面白いなぁ」
    「……」
    サクリがそんなこと言うのか、と思わず思ってしまうとサクリがギロりとこちらを見た気がしたが、琥珀は素知らぬ顔をして灰純に言った。
    「……見逃してくれないか」
    「見逃したらこんな絶好な機会無くなるじゃないですか」
    「……」
    琥珀はどうしようか、とサクリを見た。こんな狭い路地裏で灰純との戦闘は控えたい。琥珀はそっとサクリの服の上着を掴む、サクリがチラリとこちらを見たと同時にアイコンタクトをした。戦闘を避けたいから逃げよう、それが伝わったのかサクリは呆れたようにため息を吐く。そして灰純の方へ顔を向けると相手に向けて笑って言った。
    「じゃあ、どろんさせていただきますか」
    そう言うとサクリは琥珀を掴むとそのまま影の中に消えてしまった、灰純は慌てた様子で二人の立っていた場所まで近づいたが、そのまま悔しそうに頭をかいた。
    一方、とある建物の影からでてきたサクリと琥珀。どうやら創務省のある近くの建物のようだ。灰純から逃げれたことにほっとする琥珀。創務省の近くのため影から出てこないサクリに向けて琥珀はしゃがんで礼を言った。
    「ありがとな」
    返事はなかったが、影が揺らいだ気がして琥珀は微笑んだ。戦闘を避けてくれたサクリに感謝しつつ、琥珀は報告がてら創務省まで歩いていった。創務省に入り報告を終えて右目を見てもらうと、どうやら一日で治ると言われ、ほっとする琥珀であった。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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