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    ナナシ/ムメイ

    @refuge774 @mumei_774
    ゲッター(漫画版と東映版中心/竜隼)書いて一旦投げる場所に困ったのでここに。推敲したのはpixiv(https://www.pixiv.net/users/1604747)に。■→推敲格納済
    なにかあればましまろにどうぞ↓
    https://marshmallow-qa.com/refuge774

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    ナナシ/ムメイ

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    最近Reハニー見てくれたフォロワーさんと話してたこととかのメモ。
    多分どっちにも原作ゲッターロボとか中心にダイナミック作品入ってて、ベースイメージとかプロット元はこうだったんじゃねっていう。
    基本的にゲッターロボの構成分析を知らないと伝わらない話なのだけどそれはnote記事参照。

    中島脚本とダイナミック作品~髑髏城とReハニー【髑髏城の七人】

    ぽやぽやと思い出すにおそらく髑髏城は小説版(後に原作扱い)時点で、始まりの信長三人が1とその分身存在かもしれないなって。
    以下記憶頼りで書いてるので間違えてるかもしれんメモ。

    そもそも髑髏城は90年初演、97年再演でここまでは真ゲッターまで終わってなかった。大枠は97年で固まってるけど、ちょうど中島さんがきっかけで真ゲッターの話が始まった頃(石川先生のエッセイ漫画が本当ならこの相談の時にざっくり決めてた部分は教えてもらってるはず)になる。
    最初は古田さんへの罰ゲーム的に一人二役ででずっぱりになってもらおう、と書いた脚本でもあったはずで、この時には號すら終わっていない。
    後から整理改稿していくうちに要素が入っていったんでは?
    *以下はそもそもゲッターロボが逆転漫画版デビルマンだったし逆転ガクエン退屈男だったこと、1をブリッジに1(竜馬)=2(隼人)と1=3(基本武蔵)という図式で三人ともが同一人物であったこと、などの以前出した考察を前提とする

    本能寺=早乙女研究所崩壊として
    天→正1:愛した2╱蘭を生かして死ぬ、兼虎の助
    地→3:間に合わず守りきれず死ななかった(弁慶の逆転)
    人→逆1=タツマ:同じ顔の兄分になり代わろうとする。そのために蘭を欲し、配下に胡蝶、竜舌と蘭の名前をつける(結局この配下たちも不要となり殺される)。

    蘭→2(逆込):愛され生かされた。追われた雑賀の女たちが生きる色街無界の里の主となった。ここまでは2(だし明くん)だったけど、天のことが忘れられなかった、後を追いたかった心理を契機に反転墜ちする。
    (なお中島が同性同士のキスとか入れるのは97髑髏には既にあって、天魔王が蘭に薬入りの夢見酒口移しするシーンとか。ここでは愛情の表現ではないが。小説では無かったかも)
    「あの人はひとり早駆けていってしまわれた。今度こそ私は天と共に生きる」(97髑髏)
    でもそれ偽物なのよな。なんで反転墜ちする。
    反転したから門土が入って自滅的、破滅的になる。
    極楽からの同意もあったのに抱かなかった、抱けなかったのは血を浴びないと性的興奮が得られない業を持っていた(本人すら気づいてなかった)からとか。
    しかし結局人は天になり変わるために欲しただけだったから最後にはすべて擦り付けられて裏切られ殺される。

    多分最初の信長関連が「揃わなかった、崩壊した三つの心」(ガクエン退屈男=終始理性がないゲッターロボ寄りっぽいので最初から必然としての破滅となったかもしれない)として97~04年くらいまでで整理された。
    この崩壊した三つの心を持つ「織田信長」は闇落ちしたゲッターロボでもあって「大六天魔王」だし「世界をすべて飲み込もうとする神╱悪魔」(ゲッターエンペラー相当)でもあるだろう。

    石川先生の纐纈城、特に庄三郎が纐纈城の主となってからの具足とかに妙な97髑髏のデジャヴあったのも、あの話は「それまでの著作イメージを複数持ちながら全部反転する」特徴があったから、似たイメージ持ちで取り込んでたんじゃないか?

    纐纈城もアカ╱アオ╱小説版と同年の04年の作品。
    そしてこの年は無印ゲッターから30周年だったし、やっぱり「逆転ゲッターロボ(逆転手天童子の実質ガクエン退屈男)」のOVA新ゲッターが出た年だった。
    なお、この同年に出たのが庵野監督と中島での「正位置ゲッターロボ」要素を含んだ「Re:キューティーハニー」でもあった。

    思うところは色々あるが髑髏城の話に戻って。

    じゃあ生き延びた地の信長=3と関東の面子はどうだったって、多分こっちで正位置だった。

    こちらで今度は正位置の要素を持つ三人の信長に整理された。

    天´=沙霧:実は山の民、熊木赤心斎で、影武者を犠牲に生き延びた少女。本来信長と影武者はこうなるはずだった構図で捨之助の逆転。捨之助に淡い恋心のような家族愛のような感情を持つ描写があるが、後々には少年になっていたりもする。
    地=捨之助
    人´=兵庫:若き日の信長の格好をした(=もうひとりの信長)関東荒武者隊を率いる青年。極楽を愛して命を懸ける

    1=3なのでこの三人は両方の属性を持つが、一番正統派1に近いのは多分兵庫。

    兵庫の出自は実は武装農民(半分忍者みたいな)で村の女が乱暴されそうになってカッとなってうっかり殴り倒したのが武家の息子だったもんだから、追われる身となり窮屈にも感じていた村を飛び出した。
    (喧嘩早く拳を武器にする、規律とかに縛られるのが嫌いな熱血直情型正義漢)
    敵討ちの追っ手からサブリーダーになったやっぱり逆2:渡京と正3みたいなのもいる。
    本当は意味わからん強さを隠す(自分たち農民には関係ないと戦おうとしない)鎌使いの兄が連れ戻しに来るが無界(ここに集まった人物たちは疑似家族でもあって関東での早乙女研究所相当)の崩壊の際に3は兄を庇って死亡する。これをきっかけに兄さは戦うことを決意する。(被ってるのは武蔵の最後だろう)
    逆2:渡京は裏切ることに快感を覚えて敵につく(最終的にはさらに敵も裏切り生存)。

    2´=極楽:雑賀の女達の頭。蘭が家族のように愛した女性=山咲だしミキちゃん。色街の太夫=魔性の女で魔女でもあるかも。ガトリングはこっちにいった。

    贋鉄は死んでる時もあったし刀(魂のはいる器)を愛するで多分分裂3(武蔵)。

    崩壊した三つの心の人物たちは死亡し、地の信長はその過去と名前を「浮き世の義理も過去の縁も三途の川に捨之助」と葬って、捨之助として生存。
    関東で揃った三つの心を分割した人物たちは皆生存するが自らの道を選んでバラバラにもなる。
    兵庫と極楽(と兄さ)は一緒になったんかなあ。
    贋鉄と渡京はそれぞれ一人で、捨の後を沙霧が追って終わる。
    こうして過ぎた力を持つ信長(ゲッターロボ)はこの世界から消え、家康が髑髏城跡地に江戸城を作り封じると舞台から去る。

    こうだったら
    人を殺したことのある目とか言われる強面気味の中身は広報役に近い知的インテリだった粟根さんが蘭と渡京をやった(どっちも2属性)のも、捨の古田さんが贋鉄やった時があるのも、蘭が男性だったり女性だったりするのもしっくりくるかも。

    90年初演→97髑髏→アカ╱アオ╱小説版(04年)→ワカ(11年)→花╱鳥╱風╱月×2(17年)→修羅天魔~極(18年)
    と7年毎の再演の度に同じだけど変化=進化する舞台として目玉演目になったのも97~04年にかけての話。
    修羅天魔見てないんだよなあ。捨之助も蘭もいなくて極楽に一本化されてるとか、三つの心枠は花鳥風月まででやりきって(蘭生存エンドとかもここじゃなかったかな? 本当に終わったんだなと感じた感想を読んだのがここのタイミングだった記憶ある)、壊して違う枠使ったんかなあとは思うけど。


    さてはて、もしかしてこうか?と気付いて思うに、中島さんは「なにかをブリッジに別個の三つが同じひとつである」構図がとても好きだったのかもしれない。
    もしくはなんか三位一体とか天地人とか聞くともう血肉に染み付いたレベルで(ゲッターロボだ!!)と半分無意識に働いてしまうのかもしれない。
    真偽のほどはわからんが、とにかく大好きすぎたのは確かだろう部分はあって、私が気づいただけでもプロメアやグレンラガンは言わずもがな、舞台スサノオを原作にした漫画「takeru」(06年)もそうだったし、庵野監督とやった「Re:キューティーハニー」もこの構図がある。


    【Re:キューティーハニー】

    っていうかこれに限らずそもそも庵野監督作品があれトップをねらえ!、旧エヴァ、シンエヴァからのシンシリーズって全部ゲッターロボ要素入ってるでしょ?
    というのはさておき、Re:ハニーとゲッターの関係でメモまとめ。


    根本的な話で「なんでハニーにゲッター突っ込もうとした?」とは当然の疑問だろう。
    キューティーハニーは1973年、東映とダイナミックプロで製作された。
    この前年には魔王ダンテをイメージベースに分化したデビルマン(ゲッターロボの親)とマジンガーZが始まっている。

    この1970年代初頭、日本では女性解放運動が起きていた。
    最近はなんだか保守的になっているフェミ界隈だが、この時期のフェミニズムというのは家父長制度や、今で言う純潔教育等が前提にあり、女性は家庭に入って子供を産むことが幸せとか、性に関しての自主性や自由が抑圧されているとか、そういう古風で保守的なものへの反発であった。
    ダイナミックプロは基本的に個人主義だし自由主義の作風を持っていて、女性に関してもこの辺とても現代的だった。
    自立して男性に頼らない、なんなら男性と同様に戦場に立つ活動的で活発な女性。
    ダイナミック作品の女性に度々見られるミニスカートというのも、この時代の活動的な女性のシンボルである。

    キューティーハニーという存在はこうした時代背景の中に現れた。
    キュートでセクシーでチャーミング、明確に女性の魅力を持ちながら、男性と対等にあり、強さをもって自立した女性を身体的にも精神的にも体現した戦う女性、ヒロインでヒーロー。
    当時女性読者にも人気があったというのも納得で、彼女は時代の最前線で最先端の女性像だったろう。
    そしてここにもうひとつ、同性愛を描くという特徴も持っていた。
    同性愛者の解放運動もまた起きていた時代である。
    愛情に性別は関係があるのか。愛した存在の性別がどうであろうと違いはないのではないか。性交渉の相手は? 生涯を共に歩みたいと望むのは?
    漫画版におけるハニーとなっちゃんの描写、東映版におけるパンサークローの同性愛描写。
    これは前年開始の漫画版デビルマンの飛鳥了にも実は両性であり「リョウは友を愛している」として存在していて、こちら由来であったかもしれないが私にはわからない。

    ともあれ、こんな時代の最先端ぶちこんで尖った番組の企画を出したのが「勝田稔男」という東映の演出などをしている方だった。
    これをきっかけに、「ハニーで尖ったことをやっていたから」と「ゲッターロボ」のプロデューサーになった方である。(確かDVDBOXブックレットに話があった)

    キューティーハニーは永井先生による漫画版が存在したが平行して複数の雑誌にも連載が行われた。
    その際、ゲッターロボを翌年担当することとなる石川先生も漫画化をしていた。
    この石川ハニーには「ハニーのモデルは如月博士の娘である」という設定が存在したらしく、後のハニー派生の同設定はこちらが起源となるらしい。

    そしてこの二人とダイナミックプロによって翌年産み出されたのが「ゲッターロボ」となる。

    ゲッターロボもまた本質的には尖りきった作品であった。
    「逆転デビルマン」「多様性を前提とするダーウィンの進化論を論理の根底に、すべての生命は同等であるとし、協調性を描いた物語」「リョウは友を愛しているという裏設定で見れば、見返りを求めない愛情を隼人に向け続けた純愛もの」

    さて、ここでハニーの設定を思いだしてみる。
    ・空中元素固定装置により七変化する、人間の心を持ったアンドロイド
    ・少なくとも永井先生の漫画版に「なっちゃんを愛している(相思相愛である)」ととれる描写が存在する

    かたやのゲッターロボ。
    ・ゲッター線を動力に三変形する、三つの心を内包したロボット
    *ダイナミックプロのロボットは基本「拡張された人体」であり、パイロット本人でもある
    ・デビルマン飛鳥了由来の「リョウは友を愛している」設定を竜馬は所持していた可能性が非常に高い

    実際どうだったのかは全くわからないが、庵野監督は
    キューティーハニー=ゲッターロボ(特にゲッター1)
    と解釈したのではなかろうか?
    もしくはここをその共通項で重ねて換骨奪胎し、オリジナルのキューティーハニーを作り出そうとした。

    如月博士のフルネームは「如月猛」。おそらく仮面ライダー1号「本郷猛」から来ているだろう。
    そして仮面ライダーはデビルマンに影響を与えているだろうし、デビルマンと並んでゲッターロボのベースのひとつとなった作品でもある。
    「愛の戦士」という名乗りも、「ハニーが愛したのはなっちゃんであった」とするなら尚更に「愛した友のために命を懸け戦う」竜馬に通じる部分がある。
    この辺り等も組み合わさって、キューティーハニーでありゲッターロボの新しいハニーを作ろうとしたのでは? という。

    多分こうした考えがあったので、他のハニー派生とは異なり、庵野ハニーでは細々と、場所によっては大幅に変わることとなった設定やデザインが出てきた。


    《実写版とRe版で共通の設定=庵野監督が考えたのであろう部分》

    ・変身前は黄色の衣装、おにぎりが好物でめっちゃよく食べる、精神的に幼く成長途中=3(武蔵や弁慶)
    ・変身後は赤が基調、メンタル強者の猛者感ある愛の戦士=1(竜馬:こっちは変更が少なかった)
    *元々ゲッターロボでは1=3、1=2と1をブリッジにして三人ともが同一人物だった構図が前提にある

    ・空中のあらゆる元素を自在に組み替える空中元素固定装置→「人の想いを力にする」Iシステム(イマジナリー・インダクション・システム)
    ゲッター線は「感情によって増幅する」事からでは。
    また彼女たちとアイシステムは元々生体兵器としての開発であったともRe作中では判明する。
    ゲッターロボは東映版の1話に、早乙女博士が30年を研究に費やした言及がある。1974年の30年前は1944年、第二次世界大戦の終戦は45年である。
    元々は兵器としての開発であった→終戦で宇宙開発と平和利用に切り替わり、当初目的の武装を持ったゲッターロボは封印された示唆がある。
    そもそも、ゲッターロボとゲッター線のイメージベースにあるのは放射能と核兵器であって、この兵器としての利用~平和利用の流れはそのまま核兵器から原子力発電の流れに当てはまる。
    とするならば、プロトゲッターと初代1の描写もつじつまが合う。
    この流れがReハニーにもイメージとしてあったのではなかろうか。

    ・まるでデザインも設定も異なる「秋夏子」
    警視庁公安8課に所属する女刑事。
    黒髪黒スーツ、公務に真面目で銃を使う。
    Re版ではつり目で、足技に銃でもライフルであったり、3話では赤いスカーフを巻いていたり、公式ページに個人主義という説明文があったりする。
    1が愛した2、神隼人の性別転換がベースにあったのでは?
    石川漫画版ゲッター號における隼人は黒い長髪に黒いスーツの国家公務員として登場する。赤いスカーフ╱マフラーは基本的に隼人のモチーフ(更に元は戦闘服とあわせての仮面ライダー)でもある。

    ・パンサークローの幹部設定
    初代ハニーの企画案から引っ張ってきたものであるらしいがここにも丁度良いとばかりにおそらく入っている。
    ゴールドクロー→黄。主武装が「ミサイル」の重武装型。Re版ではガッチリした体型。
    コバルトクロー→青。拘束する=チェーン? Re版では細身の奇妙な体型に素早い動き。
    スカーレットクロー→赤。「ビーム」。Re版では外見だけは可愛いが中身が全然可愛くない幼女。
    それぞれゲッター321(敵の場合╱逆転)のオマージュでは?
    ブラッククロー→黒と白。
    ここはゲッターロボの先輩格に当たるマジンガーのイメージとその幹部あしゅら男爵やブロッケン伯爵だと思うが。
    *どうしていきなりマジンガーって「神にも悪魔にもなれる(が故に人間として生きることを選択すべき)ロボット」と考えるならハニーはマジンガーでもある
    ゲッターだと黒と白は両方隼人か、隼人(黒)とミチル(白)の色になる。

    ・実写版のみとなる人物「リョウ宇津木」
    ハニーの叔父として登場する科学者。素直に考えれば「魔王ダンテ」の主人公。
    ダイナミックプロ作品における「始まりのリョウ」でもある。
    しかしなぜ、カタカナ表記の上に名前が先に来ているのだろう?

    これら設定を持った実写版からのスピンオフという形で総監督は庵野監督、シリーズ構成に中島さんが入って作ったのが「Re:キューティーハニー」だった。
    結果どうなったかって多分設定詰めたりして、二人でやった3話とかどう見たって石川ゲッター號がベースにあるだろこれ、という展開になった。

    《Re:キューティーハニーでの設定とか》

    ・そもそも「Re:」は何故ついたか
    Renewalとか色々あるだろうけど、同時にメールの頭につく「返信」だろう。
    返信=へんしん=変身
    ダーウィンの進化論での進化とは「変化」である。
    また、ゲッターロボが石川先生から永井先生へのデビルマンへのお返事であったと考えるなら、この作品はキューティーハニー(永井先生)とゲッターロボ(石川先生)への庵野監督やシリーズ構成中島さんからのお返事とも取れるのではないだろうか。

    ・お洋服の色から変わった「早見青児」
    エメラルドグリーンのジャケットに黒いハイネック→ルパン三世(1stだしカリ城)だけど同時にこの色とかの組み合わせは元ネタがデビルマンの竜馬の戦闘服でもある。
    サイドカーこそ着いていないが黄色いバイクも竜馬が乗っていた。
    OVAゲッターロボの竜馬と同じ石川さんCVでもある。
    早見は軽薄な振る舞いは演技であるのが3話で咄嗟に「ナツコ!」と叫んでいる辺りからも伺える。軽薄な新聞記者の下のシリアスな米国機関エージェントの更に根っこは荒っぽい言葉遣いがあるらしく、端々に出ていたりもする。戦闘機に乗っている時の表情などあわせて見てみると漫画版の竜馬によく似てもいる。
    (余談だが正直に言うと個人的にはこの早見での真面目な時の声が一番原作竜馬っぽい演技とも感じた)
    「ハヤミ」「青」児とすると2(ハヤト、青)の要素が名前にある。
    「エージェントブルー」の名を持ち、ハニー逃走時に「君の愛するセカンドタイプは撤退したようだな」(2を愛する1要素)と言われる台詞がある。
    「新聞記者」も原作設定であると同時に、≒フラッシュハニーである(から初代ハニーの変身オマージュがある?)し、ゲッターロボで言うと竜馬の中身元ネタに意識されてるだろう一文字隼人に繋がる。(ゲッターロボのベースイメージには漫画版デビルマンの他に仮面ライダーがあって、隼人が一文字の外見に中身本郷↔竜馬は本郷の外見に中身一文字)
    ということで1(+2)相当の存在だったのではなかろうか。

    先にも記載したように、ゲッターロボは1=2、1=3図式でもって1をブリッジに三人が同一人物である設定だった。同時に、「デビルマン」を媒介として三人ともがデビルマンの図式でもあった。
    (1=飛鳥了、2=漫画版不動明、3=東映版不動明╱アモン)

    Re:ハニーではこの図式は早見のジャケットの色と3話の一連のアクションで補われたのではなかろうか。
    何故これを選んだのかはわからないが、「ルパン三世 カリオストロの城」では?
    3話でのハニーを救出するシーン。
    時計台で動けないクラリスをルパンが助けにいくシーン(ここはゲッター號序盤の號くんを思い出すところも私にはあった。黒いタンクトップにあのズボンとか動きとか)→クラリス╱ハニー、ルパン╱夏子
    その後、クラリスをルパンが抱えて落ちるシーン→クラリス╱夏子、ハニー╱ルパン

    三人ともが同一人物である設定は「三人ともが対等である」ことでもあった。
    また、ここで被せられたのがあくまでも「カリオストロの城のルパン三世」であるなら「誰が誰の王子さまでもなく、お姫様でもない」とならないだろうか。
    ゲッターロボの三人が恋愛感情によらない友情や家族愛の延長にある広義の愛情を持っていたように。

    Re版ハニーは先述したように変身前後で1と3、早見に言われる台詞で2の要素を持っているために「123(の三つの心)を内包したアンドロイド(ロボット)」になっているが、同時に「自立した意思、自我を持った機体としてのゲッターロボ」として見るなら、
    シスタージルはハニー=器を得て個として自我を持ったゲッター線╱ゲッターロボの大元となった「愛を知らない」「すべてを自分に同化しようとする」特徴から「ゲッター線そのもの」でもなかっただろうか。


    ところで、Re版ハニーには恐らくもう一人、主だったベースとなった存在がいる。

    「愛の戦士」である彼女は、しかし真に他者を愛することを終盤まで明確には理解していない。
    「他者を真に愛することができない」「流竜馬の反転存在」はガクエン退屈男とバイオレンスジャックにおける「美堂竜馬(タツマ)」(流竜馬の元ネタの一人でもあり、名前の漢字が同じことから飛鳥了由来の「友を愛している」設定が伝播した可能性が高い人物)である。
    「なっちゃんだーいすき!」はバイオレンスジャックの「門土だーいすき!」という台詞ではないかという指摘を見て気付いたが、
    私はバイオレンスジャックをあらすじしか知らないものの
    ・復讐心で闘争本能が暴走し、「意識の無いまま自分の分身を作り出し」、見境なく敵を攻撃してしまう
    ・ジルとの対峙の際に相手を同化しようとしてしまう
    これらの行動もまたタツマ由来ではなかっただろうか?
    そしてこれらは、少なくとも石川作品では歓迎されない、悪側の所業(過剰報復による虐殺、他者の自我や意思を尊重しないことから起きる一方的な支配と本質は同様)に繋がるものである。
    こういったハニーの行動は対象や周囲からの制止があって止められるが、ハニー自体が「成長途中」(これらに似たようなわかりやすいところだと2話で「周囲の迷惑を考えなさい」と怒られて以降注意するようになる→敵の作戦もあり気にしすぎて戦えなくなる→「今やれることをやるのよ」で吹っ切れる)なこともあり「神にも悪魔にもなれる(がどちらも選択せず人間でいるべき)」成長途中の紙一重存在ではなかろうか。
    *ダイナミック作品では神も悪魔もろくでもない。特に石川作品では「方向性が違うだけの選民思想と全体主義を根底に他者を食い尽くす」絶対悪が殆ど

    3話で「赤い竜」(=竜馬だし、サタン)の頭部に囚われていたハニーの姿はあれ全体で「意識╱理性のない魔王ダンテ」でもあろうし。

    Re版ハニーがタツマ(特にバイオレンスジャック)であったならジルに被っていたもう一人の存在も想像できる。
    「三泥虎の助」
    タツマ╱ハニーは虎の助╱ジルの細胞の一部から作り出された人造人間であり、ある種の同一人物。
    とは言えないだろうか。
    「同化による食いあい」というのもバイオレンスジャックのこの兄弟のラストがそうではなかっただろうかと思うし。
    しかしここにしろハニーに与えられたタツマの要素にしろ結末は異なっている。

    2話で目の前炎に塞がれたところもバイオレンスジャックの序盤、崩壊した町で竜が姉を探しにいく途中のシーン?と一瞬思ったが、バイクでその炎突っ切ってきたのは早見であった。本来は竜が姉を探して車で炎突っ切ってたと思うのだが。
    もしこうであったなら竜=早見、姉=なっちゃん(本来死ぬ)でもある。
    ここでも、「原作では本来死んでいる夏子╱姉」の結末は異なっている。

    逆転バイオレンスジャック、とでもいうのか。
    ゲッターロボは世界の崩壊で終わった漫画版デビルマンを逆転し再構成していたように、破滅で終わった、死んでいた人物たちの逆転という可能性はないだろうか。


    映像的にも初代アニメ版や漫画版から取り込んだものは見てとれるなんだかパッと見るだけでやたらに原作愛溢れてる感のするこの作品だが、こうして中身のイメージ元などを見ていくと
    これを製作した人間は「キューティーハニー」という作品の核をどこに置いたのか
    も見えてくると思う。
    それは「愛の戦士」にあって、「誰もが対等な存在として共存できる世界」を望んで「愛するもののために戦った」戦士であったのかもしれない。

    「天に星、地に花、人に愛を」
    と世界を構成する天地人への祝福を、全宇宙への愛を高らかに唄うRe版キューティーハニーはそう考えるなら正しくキューティーハニーであったし、ゲッターロボでもあったかもしれない。

    同時に愛するものを守って永久の離別となってしまったハニーと夏子に、竜馬と隼人に「共に生きてほしかった」願いのようなものがそこにあったのかもしれない。


    とりあえず個人的には一切合切なんも知らずに見てもポップでキュートでビビッドで映像的に楽しく明るくクオリティも終始安定して高く、話もきちんとこれで完結していて45分×3話と見易い手軽な良作だと思っている。もう少し知られても良いのでは。

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    Replies from the creator

    ナナシ/ムメイ

    DOODLE寒すぎて五半をくっ付けたかった。(動機に邪念しかないがまた銀婚式夫婦しかやってない)
    白狐の毛皮は秋野さんが前に書いたネタから拾いました。手入れすれば長持ちするんだそうで。
    羽織は戦国時代からとか調べはしたけど色々よくわからんまま書いてるので、なんか違ってるかもしれない。
    (言葉遣いは元が割と現代風混じってラフなとこあるので細かくやってません)
    冬の五半動物というのは人が思うより頭が良い。
    息も白む冬の最中、いつの間にやらするりと入り込んだ猫が書き物机の隣に置いた火鉢に背を着け丸まり、ごろごろと喉を鳴らしていることなどもままある。

    しかしまあ、逆に時折、人であっても動物より頭がよろしくないのではないか、と思う時もある。
    半蔵は暫し席を立った間にどこから乗り込んで来たやら、火鉢の傍で身を縮めていたそれに溜息付きつつ呼びかけた。

    「……五右衛門」
    「なんだァ?」
    「冬の間は山越えが危のうてかなわぬから、滅多に来るなと言うたじゃろう」
    熊かと思うて背筋が冷えたわ、と半蔵は帯に忍ばせた短刀を再びしまいながら呟いた。火鉢の前に黒い毛皮の小山が見えた時には本当に熊かと思い一瞬肝を冷やしたのだった。
    1788

    ナナシ/ムメイ

    DONEネオゲ本編後竜隼。
    あの世界の竜馬はどうして研究所離れて、二人は五年間何考えて過ごしてあの後どうしたんだろうとか。

    ネタとしては粗方見終わった直後にはあったんですが、データ二回飛ばした(主な理由)り、書こうとしては原作と根本的な軸や核が色々噛み合わなさすぎることに悩んでこんな時間かかり……。
    原典周りから色々設定引っ張りながらネオゲの本編内容ある程度組み込んでるつもりです。
    ■ もう一度、何度でも五年、という月日は短かったのか、長かったのか。

    ……さっぱりわからねえな。なにもかも。
    そう胸の中で独りごちながら、竜馬は縁側で一人煙を燻らす隼人を眺めた。
    黒いスラックスに白いワイシャツ。ネクタイが外されて見える首元に、今はあの十字架の鎖も無い。

    恐竜帝国の再侵攻、そして六年近くに渡っての戦いの決着からしばし。
    あの日、あの瞬間、中天で輝いていた太陽の代わりのように月が静かに秋の夜闇を照らしていた。
    山中にあるこの烏竜館は、今は自分達以外に人もおらず、まだ手入れの行き届いていない庭の草むらからは澄んだ虫の声が響く。
    長い脚を持て余す様に片膝を立てて縁側に腰を引っ掛け柱を背に寄り掛かる隼人の姿に、竜馬は不意にいつか早乙女研究所のバルコニーで手摺に腰掛けていたその姿を重ねた。
    8083

    ナナシ/ムメイ

    DOODLERe:ハニー小ネタだけど竜隼。そういえば二十周年なのかと気付いたので、記念的に。
    資料未所持で本編だけ見て書いてるのでなんか違っても許して。

    映像や脚本も良かったし単純にポップでキュートでビビッドで派手で外連味があって面白かったけど、「ダイナミック漫画作品における戦闘シーンのお顔これだー!!」感があってそういう所もとても好きです。
    今度こそ二人共に並んで生きてくれ、みたいな祈りを感じるところも。
    ■ CROSSING《Re:ハニー》前半→ハニーとなっちゃん
    原作は漫画版しかきちんと見てませんが、例えご都合主義でも違う世界と人々であってもあの終わり方は嬉しかったです。
    「友」は少なくとも石川ゲッターロボでは本当に愛した存在にこそ向けられる言葉なので、そのニュアンスで。
    後半→「早見」と「誰か」
    説明めんどくさいから極端に簡単に言うと、Re:ハニーはハニーだったけど同時に石川ゲッターロボだったし、早見は竜馬寄りで隼人混じってたよね?って前提で、なら早見にも相方いてもおかしくないよね?っていう。


    =====


    「あのね、なっちゃん」
    「なに、ハニー?」
    「えへへ、んーん、呼んでみたかったんだぁ」
    「なによ、にまにましちゃって。ほら、片付け終わってないじゃない」
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