Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    ナナシ/ムメイ

    @refuge774 @mumei_774
    ゲッター(漫画版と東映版中心/竜隼)書いて一旦投げる場所に困ったのでここに。推敲したのはpixiv(https://www.pixiv.net/users/1604747)に。■→推敲格納済
    なにかあればましまろにどうぞ↓
    https://marshmallow-qa.com/refuge774

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 74

    ナナシ/ムメイ

    ☆quiet follow

    アイサガ軸のチェンゲ竜隼の書きかけメモ。えっちな事を書くつもりだったのに入るかわからん。
    なんか色々一人で背負い込みすぎてしんどそうなチェンゲ隼人に前向いて生きてもらうために頑張ってるシリーズになってる気がする……きちんと書ければこれで一旦落ち着くはず……(予定は未定)

    背中合わせのいきかた「……隼人。頼みがある」
    「どうした、改まって」
    「……その……」
    「……?」
    「い、一日でいいから、俺のために時間くれねえか――いや、一晩でも良い」
    「なんだ、いきなり」
    「……だから、その……」
    「……で、デートっぽい事っつーか――そんな事してる暇ねえのはわかんだけど、だからこれは俺の我儘なんだけど」
    「――……」
    「嫌ならいいんだ、忘れ――」
    「……リョウ」
    「お、おう」
    「…………俺は、良いが、勝手に動かれたらこちらの人たちが困るんじゃないか」
    「良いのか!?」



    向こうの、元の俺らの世界は、十三年の間に様変わりして、最早地上に人が住むことは困難なのだと聞いた。
    「だからよ、こうやってのんびりお天道さんを浴びるのも久々よ。……渓たちにも味あわせてやりてえもんだ」
    「あぁ、それでお前、街の様子に目ぇ細めてたのか」
    「ええ、まあ……先輩方が居なくなってから十年ちょいと、地下に潜ってた時間のが長いし、人も少なくなっちまいました。恐竜帝国はマグマ層まで引っ込んで冬眠期間入ったままで……こうなるとどっちもそんなに変わんねえ気すらしましたや」
    あいつらがあの時起きてたらどうしてたんすかねえ……。
    あぁ、総人口だの詳しい事は隼人の方が知ってんじゃねえかな。

    「……」

    「えっ、一日街に行ってみたい?」
    「俺らの管理してんのはあんたらで、好き勝手動いてもらっちゃ困るのも知ってるんだが……」
    「まず話を通しに来てくれたのですから、そこはご理解頂けてるとはわかります。理由をお聞きしていいですか」
    「……」

    「……隼人に、陽の光と生きてる人間沢山見せてやりたくて」
    「……あっ」
    「……あいつに俺に時間くれって、聞いて許してくれればだけどよ」
    「この世界も、一度ひでえ目にあって、全部なくなって、それでもここまで生きてきたって教えてくれたよな。十年以上も色々無くなってくばっかの世界にいたあいつに、それでも立ち直った奴らはいるって見せてやりてえ」
    「……少し、時間を頂けますか。悪いお返事はこちらもしたくないと思っていますが、前例も少ないので」
    「ああ、それは勿論だ。――我儘言っちまってすまねえな」
    「いえ」

    「竜馬師匠たちなら無駄に騒ぎも起こさないだろうし、許可してやってくれないか?」
    「今のここの責任者は私ですが、上には通さないと」
    「めんどくさいもんだなぁ」
    「……条件は、幾つかつけることになると思います。降りる街や、移動手段、発信機と通信機も」
    「なんだ、心配いらなかったかな」
    「……カーズ」
    「ん?」
    「……いえ、なんでもないわ」

    守りきれず失い続け、それでもそこに立ち続ける苦しみを、決意を、私たちは、本当に理解できるだろうか。それを自分のものとして、それでも。
    「――ッ、……」
    「……どうしてかしら」
    懐かしい、とすら、思うのは。



    「……いつものスーツじゃねえのか」
    「目立たない方が良いだろう」
    「ふぅん」
    「なんだ?」
    「いや、お前そういや私服も襟ついてる奴よく選んでたなって」
    そういう所が真面目そうっつーかよ。
    「あぁ、首がな」
    「ん?」
    「襟つきやタートルネックじゃねえと首の長さで顔が浮いて見えて奇妙だって昔言われてよ」
    「ふぅん?」
    水鳥みてえで綺麗なのに
    「……」
    「……なんだよ」
    「……いや。お前はそういう奴だったな」
    「はぁ?」

    「単車か」
    「まあゲッターで近くまで行く訳にもいかんな、確かに」
    驚かれなくても置き場に困る。
    「サイドカーも懐かしいな」
    「リョウ、お前が運転するか?」
    「良いのか? 前はそっち乗るの嫌がってたじゃねえか」
    「よく覚えてたな」
    ……いや、お前にはそんな昔じゃねえのか。



    「……どうした、隼人」
    「……すまない、少し、疲れた」
    「……」

    「……眩しく、懐かしかった。こんな光景が、昔はあったと」
    「……隼人」
    「……」
    「……そんな、気持ちにさせるつもりじゃ、無かったんだ」
    「……知ってるよ」

    「お前は、昼間、おれに『欲が無い』と言ったがな、違うんだ」
    「欲がないんじゃなくて、誰にも死んでほしくないなんて苦しんでほしくないなんて土台無理な大それた欲ばかりだよ、おれは」
    「おれは神様なんかじゃない。だからそんな世界は来ない、来てもいけない。わかっちゃいる」


    隼人は、向こうの世界の多くを語りたがらなかった。
    地下で過ごした期間が長かった弁慶とは違い、十三年の間、地上で生き残った人類をまとめ指揮官として戦い続けた、らしい。
    ならば、当然、俺たちの中で一番長い事、蹂躙される人々や世界を見続け、守れなかったものは数え切れなかったはずで。

    ……なんでこいつだったかな、と思う。
    俺でも、武蔵でも、弁慶でもなくて、なんで、一番「みんな」を背負い込んじまうこいつだったかな。
    だからやれた、と言えばそうだろうが。
    どうして、隣にいてやれなかったろう。最初にこいつを地獄に引きずり込んだのは俺だったのに。
    その悲しみや痛みを同じものと分かち合うことすら、その過去を知らない自分にはできない。
    自分がいっそ、不甲斐ない。
    「……情けねえな、俺は」
    結局、お前ひとりすらどうにもしてやれねえ。そんな事、とっくの昔に知ってたのに。

    「……隼人」
    全部、俺のせいにして泣いちまえよ
    今なら、俺しか知らないから。俺の好いた奴一人守りきれもしなかった情けねえ泣き言だって、お前しか知らねえし。

    そんな、今にも泣き出しそうな、我慢してるような。

    「……泣き方とか、わかんねぇよ、今更」
    だから
    いっそ、泣かせてくれ、お前が。





    「なあ、隼人」
    「ん?」
    「……人は強いよな」
    「……ああ」


    「どうした?」
    「いや、やっぱお前はハンドル自分で握ってる方が似合うわ、赤いマフラーも」
    「お前もだろ」
    「俺はお前が操縦士なら任せるぜ、撃ち方でもやらぁ」
    「それは……物騒だな」
    「無法の荒野ならそんなんも必要だろ」

    なら、その時は任せる
    へっ、言われねえでも。一蓮托生ってな。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺👏💖💞💞
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    ナナシ/ムメイ

    DOODLEアイサガ軸のチェンゲ竜隼。バレンタインとかホワイトデーとかの時期を盛大に逃したけど今出さないと完全に忘れるだろうので。
    適当に色々ぼかしてあるので、「アイサガ隼人の好物はエネルギーバー設定」だけ知ってればチェンゲで読めると思います。(そもそもチェンゲ本編は再会してから時間無さすぎでこんな話やれるはずないのは置いといて)
    ■ 好きにしたいだけ今日は元の世界で言うところのバレンタインデーだかなんだか、らしい。
    そんな習慣がこっちにもあるのかと不思議になったが、恋人やら家族やらへの感謝の日みたいなもんがあるって事は、誰かに感謝とか好意を伝えたい人間がそれなりにいたって事だろうし、悪くねぇと思う。

    女からチヤホヤされたいか、と言われれば、性別どうのじゃなく好意を貰えばそりゃ嬉しい。が、好意のフリだけしたご機嫌取りだの媚びだのは昔から遠慮願ってたくらいには興味がねえし、いっそ煩わしい。口にこそ滅多にしねえが。
    もし、愛情の形とか貰えるなら、大事に思う相手からだけで良いし、なんなら貰うより送る方が性に合ってる――それが誰か聞かれたら困るが。

    コートのポケットに突っ込んだままのエネルギーバーを思い出して軽く眉を顰める。
    2064

    ナナシ/ムメイ

    DOODLE1本目→寒すぎて五半をくっ付けたかった。(動機に邪念しかないがまた銀婚式夫婦)
    白狐の毛皮は秋野さんが前に書いたネタから拾いました。手入れすれば長持ちするんだそうで。
    羽織は戦国時代からとか調べはしたけどなんか違ってるかもしれない。

    2本目→でっかーい五右衛門がちっちゃな柘植櫛摘まんでにこにこ半蔵の髪すいてたら可愛いなって

    (言葉遣いは元が割と現代風混じってラフなので細かくやってません)
    ■ 冬の五半╱ぬばたまの動物というのは人が思うより頭が良い。
    息も白む冬の最中、いつの間にやらするりと入り込んだ猫が書き物机の隣に置いた火鉢に背を着け丸まり、ごろごろと喉を鳴らしていることなどもままある。

    しかしまあ、逆に時折、人であっても動物より頭がよろしくないのではないか、と思う時もある。
    半蔵は暫し席を立った間にどこから乗り込んで来たやら、火鉢の傍で身を縮めていたそれに溜息付きつつ呼びかけた。

    「……五右衛門」
    「なんだァ?」
    「冬の間は山越えが危のうてかなわぬから、滅多に来るなと言うたじゃろう」
    熊かと思うて背筋が冷えたわ、と半蔵は帯に忍ばせた短刀を再びしまいながら呟いた。火鉢の前に黒い毛皮の小山が見えた時には本当に熊かと思い一瞬肝を冷やしたのだった。
    2564

    ナナシ/ムメイ

    DONEネオゲ本編後竜隼。
    あの世界の竜馬はどうして研究所離れて、二人は五年間何考えて過ごしてあの後どうしたんだろうとか。

    ネタとしては粗方見終わった直後にはあったんですが、データ二回飛ばした(主な理由)り、書こうとしては原作と根本的な軸や核が色々噛み合わなさすぎることに悩んでこんな時間かかり……。
    原典周りから色々設定引っ張りながらネオゲの本編内容ある程度組み込んでるつもりです。
    ■ もう一度、何度でも五年、という月日は短かったのか、長かったのか。

    ……さっぱりわからねえな。なにもかも。
    そう胸の中で独りごちながら、竜馬は縁側で一人煙を燻らす隼人を眺めた。
    黒いスラックスに白いワイシャツ。ネクタイが外されて見える首元に、今はあの十字架の鎖も無い。

    恐竜帝国の再侵攻、そして六年近くに渡っての戦いの決着からしばし。
    あの日、あの瞬間、中天で輝いていた太陽の代わりのように月が静かに秋の夜闇を照らしていた。
    山中にあるこの烏竜館は、今は自分達以外に人もおらず、まだ手入れの行き届いていない庭の草むらからは澄んだ虫の声が響く。
    長い脚を持て余す様に片膝を立てて縁側に腰を引っ掛け柱を背に寄り掛かる隼人の姿に、竜馬は不意にいつか早乙女研究所のバルコニーで手摺に腰掛けていたその姿を重ねた。
    8083

    recommended works