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    ナナシ/ムメイ

    @refuge774 @mumei_774
    ゲッター(漫画版と東映版中心/竜隼)書いて一旦投げる場所に困ったのでここに。推敲したのはpixiv(https://www.pixiv.net/users/1604747)に。■→推敲格納済
    なにかあればましまろにどうぞ↓
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    ナナシ/ムメイ

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    アイサガ軸のチェンゲ竜隼。バレンタインとかホワイトデーとかの時期を盛大に逃したけど今出さないと完全に忘れるだろうので。
    適当に色々ぼかしてあるので、「アイサガ隼人の好物はエネルギーバー設定」だけ知ってればチェンゲで読めると思います。(そもそもチェンゲ本編は再会してから時間無さすぎでこんな話やれるはずないのは置いといて)

    好きにしたいだけ今日は元の世界で言うところのバレンタインデーだかなんだか、らしい。
    そんな習慣がこっちにもあるのかと不思議になったが、恋人やら家族やらへの感謝の日みたいなもんがあるって事は、誰かに感謝とか好意を伝えたい人間がそれなりにいたって事だろうし、悪くねぇと思う。

    女からチヤホヤされたいか、と言われれば、性別どうのじゃなく好意を貰えばそりゃ嬉しい。が、好意のフリだけしたご機嫌取りだの媚びだのは昔から遠慮願ってたくらいには興味がねえし、いっそ煩わしい。口にこそ滅多にしねえが。
    もし、愛情の形とか貰えるなら、大事に思う相手からだけで良いし、なんなら貰うより送る方が性に合ってる――それが誰か聞かれたら困るが。

    コートのポケットに突っ込んだままのエネルギーバーを思い出して軽く眉を顰める。
    午前中、買い出しに付き合った時に見付けて、あいつの――隼人の好物だったなとつい買ってしまった。今日がそんな日だなんて聞いたのはその後で、知らなかったんだと誰にともなく言い訳したくなったがこらえた。男らしくない見苦しい真似はしたくねえ。
    渡すには絶好の機会のはずがなんだか気後れする。ただ渡したいだけで、そんな大仰にしたい訳じゃねえし。
    ……大体、好物と公言こそしちゃいるし、実際嫌いじゃねえんだろうがちゃんと飯を食え、飯を。あいつは自分を粗末にもしないが、自分の考える最低限以上には大事にもしやがらねえのが昔からなんか腹立つ所で。

    そんなことを思いつつ廊下を歩いていたら当の本人にばったり出くわした。今日も朝から間借りした研究室に篭って資料の山と格闘してたんだろう、とは手に持った小難しそうな本でわかる。

    「――メシ、食ったか」
    「……朝は食べたな」
    「昼食ってねえの誤魔化そうとすんじゃねえよ」

    何を言おうか迷ったのも一瞬で、考えてた事がそのまんま口から出た俺の声には、やっぱり考えてたまんまみたいな言葉が返ってきて自分でもわかるくらいに眉間に力が入って目が険しくなる。不満を追い出すように鼻を鳴らして目をあわせれば、隼人が困ったように眉尻を下げた。
    ……情けねえ顔すんなって。
    思わずポケットに突っ込んでたままのエネルギーバーを衝動的につっけんどんに差し出した。
    「やる」
    本当はもう少し優しくきちんと渡してやるつもりだったのにと思えば自然目が逸れた。失敗した。
    ちらと隼人を伺えば驚いたように身を固くして、いつもは涼やかな切れ長の目を丸くして瞬きしている。猫みてえだなとこんな時よく思う。
    「ン」ともう一度差し出せば、ふと隼人の顔が緩んで微笑んだ。ゆっくり差し出された手の平にエネルギーバーを渡して、受け取ってくれた事に内心少しほっとする。
    したいからした事だけで礼を言われるのもなんだなと「晩飯は食えよ」とだけ言い残して行こうとすると「リョウ」と控え目に呼び止められた。
    「コーヒーでも、飲まないか」
    礼は言われてないのにほんの少しだけ声に混じる嬉しそうな色に、なんだか照れそうになって「いいぜ」と返しても隼人の顔が見れなかった。

    昼下がり、人気も少ない食堂で「これは甘いからな」と隼人はわざわざキッチンからフィルターやらを取り出して来て、テーブルでコーヒーを落とした。
    ゆっくり回し入れたお湯が挽いた豆とフィルターを通って焦げ茶色したコーヒーになって落ちる様子をテーブルに肘ついたまま眺める。こういう時、隼人の長い指が壊れ物を丁寧に扱う様子は嫌いじゃなかった。俺はそんな御上品な真似できねえし、する気も無いが、だから少し面白かった。

    ぼんやり眺めてるうちに通りすがった女子集団が俺達にばらばらと菓子を幾つか置いて行った。知らなかったらしい隼人に今日がどんな日か話して。

    「……知ってたのか?」
    「知らなかったぜ、それ買った後まで」

    湯気の立つマグカップを渡されながら聞かれたが、その返事は本当だ。
    あんがとよ、と軽く言って口をつければ普段のサーバーのコーヒーより良い香りと濃い味がした。コーヒーはよくわかんねえけど。

    「……大体よ――いや、いい」
    「?」

    いつもの飯の代わりの栄養補給なら適当に包装紙剥いて齧るのに、丁寧に開けてひと口大に折る隼人の手元になんだか恥ずかしくなって言いかけた事をやめた。
    「コーヒーに合うだろうから」と一口分差し出されたエネルギーバーの欠片を摘み取れば「ありがとうな」と微笑んで言われて、貰った欠片を握り潰しそうになる。

    考えてみりゃ、別に日付けなんかにかこつけなくたって、特別な日でもなんでもなくたって、おれはきっとこれからも渡したい時に渡したいもん渡すし。
    受け取ってくれるかなんてわかんなくたってそうしたいからするだけで。
    だって、日付けが大事なんじゃなくて、いつだってお前が、なんて。それこそ恥ずかしくって言えたもんじゃねえし。

    色々誤魔化すようにぽいと口に入れたエネルギーバーの欠片はチョコレートの味で甘ったるくて、あいつがいれてくれた濃い目のコーヒーがよく似合った。

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    ナナシ/ムメイ

    DOODLEアイサガ軸のチェンゲ竜隼。バレンタインとかホワイトデーとかの時期を盛大に逃したけど今出さないと完全に忘れるだろうので。
    適当に色々ぼかしてあるので、「アイサガ隼人の好物はエネルギーバー設定」だけ知ってればチェンゲで読めると思います。(そもそもチェンゲ本編は再会してから時間無さすぎでこんな話やれるはずないのは置いといて)
    好きにしたいだけ今日は元の世界で言うところのバレンタインデーだかなんだか、らしい。
    そんな習慣がこっちにもあるのかと不思議になったが、恋人やら家族やらへの感謝の日みたいなもんがあるって事は、誰かに感謝とか好意を伝えたい人間がそれなりにいたって事だろうし、悪くねぇと思う。

    女からチヤホヤされたいか、と言われれば、性別どうのじゃなく好意を貰えばそりゃ嬉しい。が、好意のフリだけしたご機嫌取りだの媚びだのは昔から遠慮願ってたくらいには興味がねえし、いっそ煩わしい。口にこそ滅多にしねえが。
    もし、愛情の形とか貰えるなら、大事に思う相手からだけで良いし、なんなら貰うより送る方が性に合ってる――それが誰か聞かれたら困るが。

    コートのポケットに突っ込んだままのエネルギーバーを思い出して軽く眉を顰める。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLE1本目→寒すぎて五半をくっ付けたかった。(動機に邪念しかないがまた銀婚式夫婦)
    白狐の毛皮は秋野さんが前に書いたネタから拾いました。手入れすれば長持ちするんだそうで。
    羽織は戦国時代からとか調べはしたけどなんか違ってるかもしれない。

    2本目→でっかーい五右衛門がちっちゃな柘植櫛摘まんでにこにこ半蔵の髪すいてたら可愛いなって

    (言葉遣いは元が割と現代風混じってラフなので細かくやってません)
    ■ 冬の五半╱ぬばたまの動物というのは人が思うより頭が良い。
    息も白む冬の最中、いつの間にやらするりと入り込んだ猫が書き物机の隣に置いた火鉢に背を着け丸まり、ごろごろと喉を鳴らしていることなどもままある。

    しかしまあ、逆に時折、人であっても動物より頭がよろしくないのではないか、と思う時もある。
    半蔵は暫し席を立った間にどこから乗り込んで来たやら、火鉢の傍で身を縮めていたそれに溜息付きつつ呼びかけた。

    「……五右衛門」
    「なんだァ?」
    「冬の間は山越えが危のうてかなわぬから、滅多に来るなと言うたじゃろう」
    熊かと思うて背筋が冷えたわ、と半蔵は帯に忍ばせた短刀を再びしまいながら呟いた。火鉢の前に黒い毛皮の小山が見えた時には本当に熊かと思い一瞬肝を冷やしたのだった。
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    ナナシ/ムメイ

    DONEネオゲ本編後竜隼。
    あの世界の竜馬はどうして研究所離れて、二人は五年間何考えて過ごしてあの後どうしたんだろうとか。

    ネタとしては粗方見終わった直後にはあったんですが、データ二回飛ばした(主な理由)り、書こうとしては原作と根本的な軸や核が色々噛み合わなさすぎることに悩んでこんな時間かかり……。
    原典周りから色々設定引っ張りながらネオゲの本編内容ある程度組み込んでるつもりです。
    ■ もう一度、何度でも五年、という月日は短かったのか、長かったのか。

    ……さっぱりわからねえな。なにもかも。
    そう胸の中で独りごちながら、竜馬は縁側で一人煙を燻らす隼人を眺めた。
    黒いスラックスに白いワイシャツ。ネクタイが外されて見える首元に、今はあの十字架の鎖も無い。

    恐竜帝国の再侵攻、そして六年近くに渡っての戦いの決着からしばし。
    あの日、あの瞬間、中天で輝いていた太陽の代わりのように月が静かに秋の夜闇を照らしていた。
    山中にあるこの烏竜館は、今は自分達以外に人もおらず、まだ手入れの行き届いていない庭の草むらからは澄んだ虫の声が響く。
    長い脚を持て余す様に片膝を立てて縁側に腰を引っ掛け柱を背に寄り掛かる隼人の姿に、竜馬は不意にいつか早乙女研究所のバルコニーで手摺に腰掛けていたその姿を重ねた。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLERe:ハニー小ネタだけど竜隼。そういえば二十周年なのかと気付いたので、記念的に。
    資料未所持で本編だけ見て書いてるのでなんか違っても許して。

    映像や脚本も良かったし単純にポップでキュートでビビッドで派手で外連味があって面白かったけど、「ダイナミック漫画作品における戦闘シーンのお顔これだー!!」感があってそういう所もとても好きです。
    今度こそ二人共に並んで生きてくれ、みたいな祈りを感じるところも。
    ■ CROSSING《Re:ハニー》前半→ハニーとなっちゃん
    原作は漫画版しかきちんと見てませんが、例えご都合主義でも違う世界と人々であってもあの終わり方は嬉しかったです。
    「友」は少なくとも石川ゲッターロボでは本当に愛した存在にこそ向けられる言葉なので、そのニュアンスで。
    後半→「早見」と「誰か」
    説明めんどくさいから極端に簡単に言うと、Re:ハニーはハニーだったけど同時に石川ゲッターロボだったし、早見は竜馬寄りで隼人混じってたよね?って前提で、なら早見にも相方いてもおかしくないよね?っていう。


    =====


    「あのね、なっちゃん」
    「なに、ハニー?」
    「えへへ、んーん、呼んでみたかったんだぁ」
    「なによ、にまにましちゃって。ほら、片付け終わってないじゃない」
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