熊猫からの猫熊
「は、ぁ…っ、ん…ーーーっ」
鼻に抜けた吐息の音が、甘ったるい。自分で吐いた呼気の女々しさに、口元だけを歪めた自嘲をこぼして猫田は枕に突っ伏した。
ずるりと、排泄に似た感触があって、火傷しそうなほど熱い楔は抜け去る。ふっと腰が軽くなった気がして、穿たれていたのと同じくらい強く、押さえつけられていたことを知った。のそりとなんとか首だけあげればすぐ隣、同じように横たわった熊谷が、滴った汗ごと硬い黒髪をかき上げ、それからすぐ仰向けになる。
あーあ。
「お前のそういうとこ見てると、ほんとさあ」
インスタント?おおいに結構。
けだものの胃に入ったところで、恋も愛も情も欲も同じだ。貪りあってそれで満たされるなら、なんだってご馳走になるんだから。
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