死ごときが生意気な「場地さん俺、新しいバイト決まりました!居酒屋っす!!」
千冬は高らかにそう言い放った。
高校をなんとか無事に卒業し、場地は専門学校へ。千冬は大学の経済学部へ。同じ“ペットショップを開く”という目標を達成するために、この時ふたりは初めて別々の道へ進んだ。
経営や、経理に運営、そういった気難しいことは俺に任せてください!!と千冬は猛勉強の末、大学のセンター試験を見事突破した。全ては場地の夢の為に。
だって場地さんの夢は俺の夢でもありますから。と、合格通知を親より先に見せに来た千冬は少し恥ずかしそうに顔を赤く染めながら言った。
「好きだ、千冬」
合格おめでとうよりも、一緒に夢の為に頑張ってくれてありがとうよりも先に、場地の口から飛び出したのは長いこと胸の奥の奥のそのまた奥に仕舞い込んでいた感情だった。
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